10/1『マジック教室(オリジナルターベルコース・レッスン40)』終了しました。

レッスン40もこれまでのレッスン10、20、30と同じ、節目の重要な項目となります。しかし今までの総括とは違います。マジックに関する性格分析がテーマとなります。
私たちマジシャンはマジックを演じますが、演じることよりも以前に見てもらえるようにすることがじつは一番重要です。どんなにマジックが上手であっても見てもらえなかったら何の意味があるのでしょうか? だからこそ見てもらえる状況を自分自身で作ってゆかなければならないのです。
そのためにはキーマンとなる人物に自分自身を売り込まなければなりません。そのためには人の好悪を知らなければならないのです。しかし人の好みなどをどうやって事前に理解するのでしょう。そのために性格分析が必要となってくるのです。また同時に自分自身がどのような正確なのかを把握しておかなければなりません。
今回書かれている論文は、百科事典版には記載されていません。また1928年以降と思われる再販されたターベルシステムでもバッサリカットされ短縮版になっています。最初に書いた時のターベルは後にこれらを削除するという考えに至ったのでしょう。
しかし、こうしたことを深く考えていたという点で若きターベルの熱き思いを理解できるのではないでしょうか?
人間というものが、なぜ成り立つのか、それは3つの要素があるからだとターベルは述べます。
バイタリティ、ウィル、メンタリティです。
日本でも心と身体という考えがあります。ですから身体がバイタリティであり、心がメンタリティと思えば合点がいく人がほとんどでしょう。もう一つのウィルというのは一体何なのか? その点を疑問に感じてしまいます。しかし、私自身が解釈するこのウィルとは、とても重要なのではないかと思うようになりました。ウィルとは、意思であり、意志のことです。
ウィルはただやりたいというような欲望ではありません。もっと崇高なものです。
自分にとっての高い目標を設置し、そこへ目指す、志の高い望みのことだと思います。
心と身体は動物にもありますが、ウィルというものは人間だけが持っているもの、そう解釈します。
また人間と言うものの成長段階ということを理解すべきだとターベルは提示します。
ただこれは成長すれば自動的に段階を登れるわけではありません。人間としての努力を重ねることでやっと山の頂上に近づいてゆくものです。ですから歳が若くても高いステージの人もいますし、老齢であっても未熟な段階の人もいるものなのです。ここでも自己分析をして自分がどの段階にいるのかを把握するべきでしょう。
後年、スペインの巨匠アスカニオも成長段階をピラミッドで図解しています。日本ではこうした人間分析が行われた試しはおそらくないでしょう。手品の解説書にこうした分野が述べられていること、それ自体が驚異です。

さてマジックの演目は、モア・ハンカチマジック特集第2弾となります。前回学んだことを踏まえてその応用を学びました。

1.BLENDING OF THE COLORS(色のブレンド)
 ブレンドシルクを前回学びましたが、ノーギミックで行います。そのために使われる手法が、日本では馴染みの薄いベスティングというものです。
 はたして現在この手法は用いられているのでしょうか。私は初めて知りました。当時でさえも正確なやり方を知る人はまれだったようで、その後廃れていったのかもしれません。
 私自身は早速取り入れてみました。素晴らしい手法でした。なんで今までこれを知らなかったのか、取り入れなかったのか、後悔しています。

2.THE MYSTIC RIBBONS(ミスティック・リボン)
 リボンを使います。しかし実際に用意してみると原案通り演じるのは大変困難であることがわかりました。リボンの代わりに投げテープ(蜘蛛の巣)を使いました。ふとこれは和妻だと思いました。全く現象としては同じです。これはおそらく日本のマジシャンを見た外人が西洋人でもできるようにアレンジしたものと思われます。
 しかしマッチ箱に仕込んでおくというアイディアはブアティエ・ドコルタによるものです。それを考えると日本に伝わる和妻手順は逆輸入されたのかもしれません。今後の研究が必要となるでしょう。

3.THE PENETRATING POCKET KNIFE(貫通するナイフ)
 素晴らしい現象です。お客借りた紳士用ハンカチをナイフが貫通します。同種のナイフスルーコート(貫通する上着)の原案でしょうか。即席マジックにしか見えない、という点で大変優れています。この作品の進化系がエミール・ジャローのハンキーパンキーです。ナイフの代わりに火のついたタバコを使います。

4.THE INDESTRUCTIBLE HANDKERCHIEF(不滅のハンカチ)
 当時は大変ポピュラーだったようでターベルでさえも原作者がわからず、各国で独自のやり方が考えられていたことが伺えます。しかし現在では忘れ去られたマジックとなりました。
 現象は借りた婦人用ハンカチにナイフを刺しても大丈夫というものですが、額縁を使います。この額縁を使う理由付がよくわからない、ということも廃れていった原因でしょう。しかし、パターを読んで驚きました。面白いストーリーがあり、額縁を使う必然性があるのです。
 もし当時のセイヤー製の道具が手に入るのならば嬉しいなあと思いました。

 次回は11月5日(日)にレッスン41を行います。第五期に突入です。スライハンドの最高峰ビリヤードボール手順となります。カーディニが演じていたと言われる手順です。しかし決して難しくはありません。ビリヤードボールを始めてみよう、という人にはうって付けの素晴らしい手順です。ホルダーは使いません。可能であれば四つ玉のセットをご持参し、上着(ジャケット)を着て来てください。ハンカチも使います。玉は単色でも結構ですが、何色かお持ちの方はご持参願います。お持ちでない方のために少量ではありますが販売もします。
 マジック教室終了後には飲み会を行います。ぜひ皆様ふるってご参加ください。お待ちしております。

 

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