ここのところ、使い勝手の悪いスマートフォンながら、それなりにすぐ検索できて便利だったりするため、PCをあまり開けておらず・・・ずいぶん滞ったもので、月日が過ぎるのは、早いものだと感じます。
手帳を開けてみると、ああっ!見たお芝居がこんなにありました。
①『哀しきチェイサー』
沢田研二が大阪弁の寡黙なもと刑事役。エロティックなせりふを口にするも、それはもはや、かつてのジュリーファン狙いのサービスと思われる。全体的にはまぁまぁおもしろかったような。
②『国民の映画』
三谷幸喜作。かの広報大臣ゲッペルスが映画好きだったという逸話を物語にしています。小日向文世氏は滑舌が悪くて、ちょっと何を言っているか聞こえず・・・ケストナーの今井朋彦と、ゲッペルスの妻役石田ゆり子が迫力ありました。エピソードとしては面白いけれど、結局後味の悪いラストです。ゲッペルスの1面を見せたという意図なのだろうけど、彼がどういう人かさっぱりわからず・・・
③イキウメ『散歩する侵略者』
早くも今年度No.1かな~息をもつかせぬ台詞と情報量が心地よい。人が気配として舞台をクロスオーバーする感じがたまりませんでした。概念を奪っても、それを体験という意味でカバーできるという感覚が新鮮で、あぁ~概念って言葉でしかなくって、それを体感して、初めて意味を持つんだなぁと。「愛」という概念をめぐるラストには、落涙。前川氏は、まだまだ追いかけたい感じがします。
④宝塚月組『薔薇の国の王子』『ONE』
美女と野獣の宝塚版。野獣というのが難しい最初からの王子様が野獣を演じるのは、なかなかにハンディでした。例によって自然の造形コロスが鼻につくも、それなりに・・・。作品は平板でしたが、龍真咲はなかなかに印象に残りました。
⑤劇団四季『CATS』
坂田さんのディミータと、高倉恵美さんのボンバルリーナを回転席で見て、いや~ダンスがうまい人がいると俄然盛り上がるなぁ、と。ここのところ、CATSという作品がすごいっ、と思っても猫たちがすごい、とはあまり感じることがなかったので、テンションがあがりました。ただしかし、土曜日なのに席がすごく空いていて大丈夫かなぁ?と心配になりました。
⑥劇団昴『怒りの葡萄』
スタインベックですが、私は映画で見ていました。それにしてもこれは面白い舞台でした。というより、原作がおもしろいんですね。中国人の従者で聖書の教養があるリーによる、timshelという言葉の解釈を用いた、説教は見事なシーンでした。父親にせよ、アロンにせよ、清すぎることはむしろ罪なのだろうか。。。と思ったりしました。特に父親。最後にtimshelが正しい思いであるにせよ、人としてキャルに言うことがあるだろうよ・・・などとイラつきました。
⑦スタジオライフ『ファントム』×4回
3時間の大作。前半100分、休憩10分、後半70分というおそろしい舞台でした。どんなにおもしろくても見る意志が失せる時間割です。内容も3部を2幕で上演するため、どうも尻切れる感じが。2部の変態興行師は味がありました。3部のルチアーナのいやな女っぷり(かわいいからこそ)もすごみがありました。
まぁ、『オペラ座の怪人』くらいは、皆知っているだろう…という認識に基づいた内容だったため、あまり面白さを感じることができず。でも、続きを上演するらしいですね。もう見る気がおこりません~~
⑧おどくみ
元グリンク、青木豪氏の作品。高橋恵子・小野武彦が夫婦役で主演。新国立劇場当日券で1500円で観劇。家族が色々あっても理ではなく、情で、すべてを日常にしていく様子を主軸に、天皇制を無理やり押し込めた印象でした。普通のホームドラマとしては、妻のいらつきが理解できるおもしろいものでしたが、天皇制の話になると、まったく唐突でかみ合わない印象がありました。
⑨宝塚星組『ノバ・ボサ・ノバ』『めぐり会いはふたたび』
やっぱりいいショーです『ノバ・ボサ・ノバ』。私はむしろ柚希さんが好きですが、それにしても轟さんはうまかったんだなぁ~と懐古してしまいました。たぶん、健康的なんですよね、柚希さんは・・・毒が出てくればもっと魅力的かも!
『めぐり会いはふたたび』は、なかなか面白い小作品でした。気楽に見られていいかも。ああいう、特に工夫がない作品を、そのように見せるのは難しいと思いますが、柚希さんとねねちゃんは単純で、よかったです!それにしても平井堅氏"Life is" がメインテーマで流れた時は、びっくりしました。
柚希さんは、芝居にくっついてくる歌の方が、ドラマティックに聴こえていいような気がしました。