「征服欲」とは、他人を自分の思いどおりにしたいという欲望のことです。言い換えるならば、「支配欲」ともいえます。一般的に、男性のほうが女性よりも、征服欲が強いともいわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか。そこで今回は、征服欲が強い人の特徴と、そんな人との付き合い方について、見ていきましょう。
1:征服欲とは?その正しい意味
征服欲とは、ずばり征服したいという欲求です。では、征服とはいったいなんでしょうか。辞書には次のように意味が載っています。
せい‐ふく【征服】
1 武力で敵を負かし、支配下におくこと。「敵国に征服される」
2 困難を克服して目的を達成すること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
あまり知られていませんが「難病を征服する」など、前向きな意味で使うこともできます。今だと「新型コロナウイルスの征服を目指そう」という使い方もできるかもしれません。
今回のテーマである「征服欲」は、「他人を自分の思いどおりにしたいという欲望」という意味で使うことがほとんどです。ですが、国語辞書的な意味でいえば、「武力」という、ある種の暴力を使ってでも、相手を思いどおりにしたいという欲求が征服欲といえるでしょう。決して褒められた欲求とはいえませんね。
2:征服欲が強い男性の心理学的な特徴5つ
征服欲そのものについて行われた研究はほとんど見当たらないので、今回はひとまず征服欲を、支配欲と類似した意味として考えていきましょう。
一般的に、征服欲は男性のほうが女性よりも強いといわれています。しかし、実際のところ男女の差はありません。なぜ男性のほうが強いといわれるかといえば、いわゆる男らしさのイメージにつながっているからです。では、征服欲が強い男性の特徴について考えてみましょう。
(1)相手の意見を聞かない
征服欲が強い人は、なんでも自分の思いどおりにしたいので、相手の意見を聞こうとしない傾向があります。いわゆる、自己中心的なタイプです。自分の考えと同じことを言われたときにはすごく上機嫌ですが、正反対のことを言われたりすると、聞こえないふりをして無視したりします。
(2)暴力をふるうこともある
征服の意味が「武力で敵を負かし、支配下におくこと」であるように、征服欲が強い人は、なんとしても自分思いどおりにしようと、ときには暴力に訴えることもあります。DV(ドメスティック・バイオレンス)をしてしまう人も、征服欲が強いといえるでしょう。
(3)思いどおりにならないと不安
ちょっとでも自分の思いどおりにならなくなると、不安になるのも特徴。しかし、不安になったからといってオドオドするのではなく、怒りの感情が湧き立つのです。そして、急にブスッとした表情になったり、無視をしはじめるといった行為に出ます。
(4)自慢話が多い
征服欲が強い人の多くは、いろいろな部分で自分のほうが相手よりも強いと思わせたいと考えています。そのため、自慢話が多いのも特徴のひとつです。最終的には暴力に出ることもあるのですが、その前段階では、自分のほうが経済的にも社会的にも相手より上だと思わせるために、自慢話をする傾向があります。
(5)自信がなく嫉妬深い
征服欲の強さは、自分の弱さと反比例します。例えば、恋愛では自分に自信がないことで、相手が浮気をしたらどうしようとか、自分が捨てられたらどうしようと不安になるから、相手を思いどおりにコントロールしようとするのです。その結果、恋人に対して嫉妬深くなってしまうこともあります。
3:征服欲が強い人との上手な付き合い方5つ
では、周囲に征服欲が強い人がいたら、どう付き合えばいいのでしょうか。
(1)否定しない
征服欲が強い人は、何より自分の思いどおりにしたいのです。なので、基本的に征服欲が強い人の言動を否定しないようにしましょう。たとえ親切心から間違いを指摘してあげても、征服欲が強い人は耳を傾けません。
(2)受け入れる
自慢話が多くても、そういう人なんだと思って受け入れてあげましょう。面倒だなと思ったら、ある程度は聞き流すという方法をとってもいいかもしれません。
(3)持ち上げる
征服欲が強い人は、自分に自信がないことも多いので、褒めて持ち上げてあげましょう。あまり持ち上げすぎると調子にのってしまう可能性もありますが、いい気持ちになっているあいだは征服欲が満たされるので、関係はうまくいくはずです。
(4)勝とうとしない
征服欲の強い人に、イラッとすることもあるでしょう。ときには打ち負かしたいと思うようなこともあるはずです。ですが、いくら征服欲が強い人に勝てたとしても、面倒になるだけです。「負けるが勝ち」の精神で、征服欲が強い人に勝とうとするのはやめましょう。
(5)できたら近づかない
征服欲が強い人は、自分の思いどおりにするために、最終的には暴力にでることもあるので、可能なら近づかないのがいちばんです。
4:まとめ
征服欲が強い人というのは、どこにでもいます。今回は、会社や友達といった、近しいけど遠い関係の人についての対応法をご紹介しましたが、そういう人と人間関係を築いていくためには、征服欲の強さをある程度受け入れるのがいいでしょうね。
しかし、もし恋人の征服欲が強かったとしたら、別れを視野に入れるのもいいかもしれません。