学校から駅までは
10分ぐらいの距離である。
理佐はもっと友梨奈と
いたい気持ちが強くなり
今日も友梨奈の部屋に
誘われることを期待する。
だが駅に着くと友梨奈が切り出す。
「じゃあ、明後日は10時に
駅前の噴水前で待ち合わせようね」
理佐の期待は外れてしまい、
友梨奈は一人で下宿先に帰っていた。
暫く友梨奈の後ろ姿を眺めていると
この間鉢合わせになった原田葵が
友梨奈の前方から現れたのがわかった。
この時、理佐は自分が
恋人の座にすわるには
まだまだ遠いことを思い知ったのだ。
(私なんて、まだ友梨奈と知り合ったのは
3日前だし他の特別な人に比べたら
つき合いが浅いから恋人なんて夢のまた夢だわ)
理佐はそう思いながら悲しげな表情で
改札内に入っていったのであった。