理佐が部屋にはいると部屋にはだれもいない
恐らく奥の風呂場に友梨奈はいるのだ。
待つこと10分、
友梨奈が体にバスタオルを巻いて出てきた
「え~~~!なんで~~どうして??」
友梨奈は暫く体が硬直してしまった。
「堂本さんに電話をもらったのよ!」
「幸一の奴…」
友梨奈は少しムッとした。
「友梨奈、帰ろうよ。
駄目だよ。自分を大切にしないと」
「大切にしてるよ。私は幸一と
新しい人生を生きようと思ってるの
邪魔しないでよ。」
友梨奈は言った後に
視線を左斜め下に向けた。
「堂本さんの気持ちを利用して
逃げたら駄目だよ」
「はあ?理佐に言われたくないよ
人の気も知らないで。」
友梨奈はボロボロ泣きだした。
理佐は優しい表情になり友梨奈の肩を抱いた。
「ごめんね…私が素直じゃないから
あなたを苦しめたのね。
私は友梨奈のことが今でも愛してるよ!
あなたが一番だよ。
あなたのその不器用なところが大好きだよ。」
友梨奈は顔をあげて小さな声で訊き返す
「ほんと?ほんとに?」
「ええ・・けれどあなたは友香が
私と同じぐらい友人として大切でしょ?
私もそうなの・・・
でも、自分のことを棚に上げて
そのことに 嫉妬していたのかもしれないの
でも、私達は友香のことを気にしすぎて
逆に彼女を苦しめていたのかもしれないわ」
理佐は少しうつむき加減で話した。
「そうだね・・勝手に友香の気持ちを
決めつけていたのかもしれないね」
友梨奈も同調した。
(でも、このまま理佐とよりを
もどしてもいいのだろうか?
いやここであれこれ考えるから
友香や理佐を追い込んでしまったんだ。
素直になろう)
「理佐!私ともう一度やり直してください。
お願いします。」
友梨奈は頭を深々と下げた。
「ありがとう。
その言葉をずーと待っていたの・・」
理佐は友梨奈を抱きしめた。
「明日にでも二人で友香に謝ろう。
そして、つき合うことを許してもらおう。」
理佐の問いかけに友梨奈は頷いた。
そして、唇を重ね合わせ
友梨奈は体に巻いているバスタオルをとった。
二人はこの先、一緒に生きて行こうと誓いあい
深く愛し合うのであった。