まだ涙にならない悲しみ~寡黙な月~15 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

 

翌日、私がバイトからかえると

 

玲奈さんが夕食を作ってくれていた。

 

「あ・・お帰りなさい。」

 

エプロン姿の玲奈さんが

テーブルに料理を並べていた。

 

そのエプロン姿の似合うこと。

 

私は暫く見とれてしまったんだ

 

「友梨奈さん??どうかしました?」

 

「え???なんでもないよ。」

 

いかん、いかん、

 

今からこんなんでどうする。

 

玲奈さんは友達なんだ。

 

好きな感情を表に出してはならない。

 

「美味しそうだな。頂きます。」

 

「口に合うかわかりませんけど・・・」

 

玲奈さんはエプロンを外して私の前へ座った。

 

私は一番美味しそうな肉じゃがを口にする

 

「うん、美味しいよ。

お世辞抜きで美味しいよ」

 

その言葉に

玲奈さんは安堵の表情を浮かべた。

 

私達は雑談しながら

楽しい夕食の時を過ごしたんだ。

 

そして、かたずけものをしている時に

玲奈さんが切り出した。

 

「明日、パートの面接を受けに行ってきます。

私も働いて自立できるように頑張ります。」

 

「そっか・・・頑張ってね。玲奈さん。」

 

私は幸せな時間を過ごすことが出来たんだ。