「じゅりちゃん、あちらに行かないか?」
生田は
珠理奈を人気のない方へ誘導した。
そして、夜景を見ながら言った。
「俺さあ・・じゅりちゃんのことが好きだよ
君の天真爛漫なところや
時折みせる切ない表情が特に好きだよ。
俺とつき合ってくれないか?」
珠理奈は生田の方をむいた。
生田もまた、珠理奈のほうを向き
お互い見つめ合った。
(生田さんはいい人だし、
つき合ってみようか・・)
珠理奈は思った。
そして、静かに目を閉じたのだ。
生田はOKだと思い、
肩に手をやり静かに唇をあわそうとした。
すると、珠理奈の右目から
涙がこぼれ落ちた・・
生田はそれを見て、
直前で唇を止めたのだ
「じゅりちゃん・・・無理しなくてもいいよ」
珠理奈は涙を拭った。
「ごめん・・・あれ・・なんで、
私泣いてるんだろ・・
おかしいな・・・」
そう、珠理奈は玲奈を忘れる為に
生田を受け入れようとしたのだが、
体が拒否反応をおこし、
涙を流させたのだ。
「いや、謝るのは俺の方だよ
急ぎすぎたよ
しばらくは友達でいよう」
生田は優しく微笑んだ
「ごめんなさい・・・」
珠理奈は頭を下げた。