まだ娘が4歳の時


娘はとても怖がりで痛がり



歯医者さんに行った時のこと



若くてキレイな

歯科助手のおねぇさんに

診察台に誘導され


眉間にシワを寄せた娘が

キョロキョロしながら

そっ…と座る


「ねぇ、なにするの?」

「いたい?」

「それ、なにするの?」

「チクッてするの?」

と不安げに

治療器具を運ぶおねぇさんに

聞きまくる娘


こわくてこわくて

涙目になってきちゃった


ぅぅぅぅ…ぐすん


泣きの初期。


娘よ

がんばりたまえ


「〇〇ちゃん、エプロンするね」

おねぇさんが優しい声で娘に

「歯医者さんのまえかけ」をかける


ううううーぐすん💧


おお、泣きの中期になってきた

大丈夫かなー


娘は目に涙をいっぱい溜めて

娘の前に用意された

付き添い人イスに座った私の方を見た


おもむろに

ヒジを折り曲げて

両手の人差し指を

ハの字に前に出して

私の方に向けてこう言った


「ランチ…」


はい?


…あ。母は悟りました…


エプロンかけられたもんね

レストランでよく見る光景だ


それで

左手と右手で

ナイフとフォークを表したんだね🍴


こわい気持ちはちょっと横に

おいといて

「ランチ」

は言いたかったんだね


なんじゃこの子は…


わたしは

肩をブルブル震わせながら

笑いをこらえてこらえ

娘よりも涙目になった