「温室育ちには無理だよ。」

これは、公務員時代、独立起業を夢見て、とある独立・開業セミナーに参加した際に、セミナー講師から言われた言葉です。

 

当時は、「こいつ、何を言っているんだ!あなたが私の何を知っているというんだ!自分を知ってからものを言え。」はらわたが煮えくりかえり、このように心の中で叫んでいたことを思い出します。

 

自分は普通の公務員とは違う。こんな思いで結局、独立開業の道を選び公務員の地位を捨てて民間に飛び出しました。

 

あれから。1年半経過して、あのときの講師の言葉。「うん。間違っていなかった。」つくづく思い知らされています。

 

なぜ、公務員が成功しないのか?

 

やはり、その理由は次の2点に尽きるのではないかと思います。

 

まず、第1が人脈

 公務員時代に築いた人脈なんて、対内的な人脈ばかりで、外部との人脈が作れないこと。

 そう。公務員が対外的に人脈を築いてしまうと、汚職の温床を自ら作ってしまうため、特に営業系の方と仲良くなってはいけないと言う当たり前のルールがあるからです。対内的な人脈なんて、外に出てしまったら全く無意味だと言う事です。自身が民間に出てしまった日から、役所にとって自分は1民間人に過ぎず、役所にとっては近づかせてはいけない人間となっていると言う事です。

 また、公務員から大手民間企業に天下った方との人脈があったとしても、その方は決定権を持っていないと言う事です。

 そうです。後述しますが、経営経験の無い温室育ちの公務員を経営陣に迎える企業なんて無いのです。

 今後の、役所へのパイプを築きたいために受け入れているに過ぎないのです。そう。そもそも経営的視点では何ら期待していないのです。

 ですから、民に出たら、自分自身にとって有益な人脈を1から築き上げなければならないのですが、致命的なのは公務員ではそんなノウハウも持ち合わせていないと言う事です。

 

第2が考え方

 民間企業は、将来に向かって投資をして、その投資を大きく回収することを考えます。

 しかし、役所は、会計年度独立の原則によって予算を立てていますから、投資という概念は無いのです。少しでも歳出を減らし、少しでも歳入を増やす。このような単純な考え方が大原則であり、基本なのです。

 官公庁トップは企業経営を見習えとは言っていますが、口先ばかりでそのような事を本気で考えている幹部はいないのです。住民にとっては耳障りの良い言葉とは裏腹に、財政トップは投資的経費の削減を指示して、目の前のことに対処できない将来的な余計な予算は切り捨てる。これが現実なのです。ただし、政治的な圧力があった項目か、政府からの指示があった項目だけを投資的経費に充てて、目くらましをしているに過ぎないのです。また、財政が厳しくなれば、職員数の削減とか組織の再編統廃合とか目先のことでしか考えることができないのも公務員の駄目な大きな特徴です。予算が厳しくなったら首を切る、組織を減らす、公有財産を売却する。こんな単純なことを繰り返していたら、今後の少子高齢化が最も顕著になり、財政事情が最も深刻になった際、どうやって財政を維持できるのでしょうか?

 苦しくなったら地方債の乱発、地方交付金をお願いすれば良い。こんなところでしょうか?結局住民の将来のことなんて何も考えていない、来年度の予算が組めれば良い。こんな考え方の人間ばかりが出世するから、公務員は根っから駄目なのです。

 

 ですから、ほぼ100%と言ってよい大半の公務員が事なかれ主義、前例踏襲主義なのです。面相くさいことはやらないのです。やれば議会で上司が答弁しなくてはならないので、上司もやりたくないのです。こんな腐りきった役所で育った公務員が、民間で通じるはずが無いのです。これは、とある役所の企画財政担当者に今こそ将来に投資しないと自治体自体が消滅してしまうとのお話しをさせていただきましたが、馬耳東風、馬の耳に念仏でした。

 この職員のことは、ある事業が終わった段階で実名入りで紹介します。

(ちなみに、公務員に対する職務上の行為に対する批判は名誉毀損罪を構成しません。)

 

結局、公務員である以上、独立に有益な人脈を作ることは不可能な上、投資の考え方が理解できていないのですから、絶対に民間に出てはいけないのです。(まあ、例外として経済界との繋がりを持つことがてきるごく一部のトップを除きますが。ただし、その方が民間に出たときに経済界の方が本気で助けてくれるかは不透明ですが。しかし、その様な方は関連団体などに必ず天下りしますから、そもそも独立などは考えないでしょうし、しないでしょう。。)

 

独立・開業して成功したいなら、野心を持って仕事を進め、組織やトップよりも住民が喜び、そしてそこに住みたくなる施策を考えられる職員であること。そして、公務員でいる時間を1日でも短くして、1日も早く独立を決断して外へ出ること、そして自身にとって有益な人脈づくりとは何なのか?これを勉強しておくことです。

 

使えない人脈や投資の理解できない役所に、どっぷりと浸かっている様を「温室育ち」と揶揄されたのだということを今頃になって気づかされるとともに、納得、感心させられています。