祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

 

沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

 

『平家物語』

 

次女の誕生を機に境内に植えた夏椿、通称「沙羅の樹」。

2本をワンセットで植えたので双樹の沙羅。

十数年の時を経て彼女の身長も伸びたが、それを超える高さにまで成長した。

彼女の誕生日を前に満開の兆し。

ながら、朝咲いて夕べには散る「一日花」。

樹の根の周辺に散らばっている花も綺麗なのだが、じきに傷んでしまう。

潔ぎよく散る花に対して、未練がましく花を拾う。

どうしたものかと。

本堂脇のツクバイに浮かべてみた。

ツクバイの水は常時流しているわけではないので、蚊の発生源。

ボウフラ対策。

さて。

蚊のいのちと花のいのち、そして私のいのちに違いがあるのか。

あるとすればどんな違いか。

「一日花」の理とは。

樹木の成長と子の成長。

親の成長はどこに。

 

鐘の音に何を聞き。

花の色にいかなる道理を知るか。

 

梅雨時の熱中に思いを巡らす。