前回のブログ、コメントが思っていたより少ない。

だが、“いいね”は多いようだから、少し変更を加えた。

良かったら見てほしい。障害者になるまでまったく知らなかった、就労移行支援施設についての話。

 

 

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~プロフィール~

福岡出身。現在38

2010大阪システムインテグレータ就職。

2020222倒れ、高次脳機能障害に。

失語症・失行・注意障害・記憶障害など。

身体障害手帳3級&精神障害手帳3級。

麻痺の為、杖持ち。詳細はコチラ。

 

妻と小4長男・小2次男の4人暮らし。

今年6月末まで休職中。

 

こんにちは。

 

昨年、電車の中に自分のスマートフォンを置き忘れてしまった話を書いていた。

 

 

それ以降、座っている場所に自分の物を置き忘れていないか、降りるときに慎重に見るようにしている。

“慎重”というのは、脳の視野狭窄によって、置いている物が見える位置にいるのに、そこに置いてあることにも気付かない可能性があるからだ。

半側空間無視ではないらしいが、視野も“1/4”になっているし、視野に入っていても気付かない。

身体的に、電車を降りるときに椅子を見返すのも大変だが、それでもスマートフォンを置き忘れる方が面倒だ。

 

今私が電車に乗る時間は、会社員が少ない時間帯だが、それでも乗客が多くて椅子に座れないこともある。

杖を付いていて、下肢装具も履いているのだから、誰が見てもはっきり身体障害者だと分かるのだが、席を譲ろうと言ってくれる人はほとんどいない。2~3割くらいだと思う。

まぁ、私としてはそんなに苛立つこともないが、私が立っているのに電車に乗ってきた若者が素早く席に座る様子は、可哀想に見える。

 

先日のブログで、子供たちの春休みで遊びに行ったと書いたが、その帰りの電車で、40~50代くらいの仕事帰りの男性が3人も優先座席に座っていて、スマートフォンを触っていた。私も小学生の息子たちも立っていた。

日本人は、割と気遣いができる人類だと思っているが、“おっさん”にはその気遣いが漏れているようだ。

 

まぁ、私もおっさんだから、席を譲れとは言わないようにしている。

人に見下げられるようなことは、しないようにしたい。

 

この写真は誰もいない状況で撮ったから、スマートフォンを扱うことは問題ないはず

 

と、わざわざこんなことを書き始めたのは、理由がある。

こんな私が、JRに迷惑を掛けてしまった。

 

 

 

今週、就労移行から自宅に帰るのに、電車に乗ろうとしていた。

ホームに行くために、エスカレーターに乗った。

 

エレキギターの練習のため、スマートフォンに入れているASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲を聴いてみようと思い、ポケットからイヤフォンを取り出した。

 

普段は、外でイヤフォンを使うことはあまりない。

麻痺なのか、失行のせいなのか、それとも視野狭窄のせいか、こういったものを扱うのがかなりヘタになっている。

 

すると、エスカレーターが終わる直前、足元で“ガチッ”と、なにかの音が鳴った。

1秒も経たず、手に持ってるイヤフォンが下部に引っ張られた。

 

どうやら、イヤフォンのジャックがエスカレーターの昇降板に巻き込まれているようだ。

このジャックがL字型だからなのか、引っ張っても全然取れない。

手を放してしまうと、エスカレーターの中に落ちてしまう。

 

エスカレーターの降り口でオロオロ立っていると、私に続いてエスカレーターに乗っていた50歳くらいのビジネスマンが、

「え?抜けないんですか?駅員さんに伝えしますねっ」

と言ってくれた。

 

そのあと駅員が来てくれるまで、少しの時間がかかった。

その間中、エスカレーターには沢山の人が降りてくる。

 

こんな写真を撮っているのは本当に情けない…

 

ここは大阪なので、全員がエスカレーターの右側に立っている。

私も、そのエスカレーターの降り口の右側に立っている。

本当は、杖のない右手で手摺を持ちたかったが、大阪なのでそれに合わせている。

 

そのお客さんたちは、みんな私のイヤフォンに気付かず、何故そんなところに立っているのかも分からない顔をしてる。

直前に、私がイヤフォンを持っていることに気付いて、ギリギリで避けてくれていた。

 

メチャクチャ恥ずかしいし、駅員さんにも乗客にも申し訳な過ぎる。

 

 

 

駅員さんがやってきた。

私に「私の声は聞こえてますか?」とゆっくり話しかけてくれた。

もしかしたら、このイヤフォンが聴覚障害者の道具だと思われたのかもしれない。

だたの音楽です…。本当に恥ずかしい。

 

駅員さんは、

「どれくらい時間が掛かるかも分からないから、一度電車に乗って移動していただき、後日イヤフォンをお返ししましょうか?」

と言ってくれたが、それも申し訳ない。

お詫びを言って、いつまででも待ちますと伝えた。

 

「そうですか。でも本当にいつになるか分かりませんよ?」

「イヤフォンがまだ機能するかは分かりません」

「ここ(ホーム)じゃなくて、改札のところにある椅子に座って待っていてください」

迷惑を掛けている張本人に、丁寧な対応をしてくれた。

 

 

 

改札を通ったお客のほとんどが、向かって右側にある下りエスカレーターに乗る。

この“点検のお知らせ”看板に気付かない人が沢山いて、改札を通るとエスカレーターに向けて歩き、直前で動いていないことに気付く。不満な顔で折り返す。

 

この箇所には階段がない。

エスカレーターが停止していると、ホームに行くために改札を通った左側にある階段を通らねばならない。

 

80代くらいの杖を付いている男性が、一度エスカレーターの付近で動いていないことを知って、駅員さんへのインターフォンに連絡をしていた。

 

私がこのエスカレーター付近に立っていると、女性乗客が親切に言ってくれた。

「このエスカレーターは止まってるから、別のエスカレーターに乗らないといけないみたいですよ」

 

実は、私もこのエスカレーターの点検に遭遇したことが何度もある。電車に乗る人数が少ない時間帯だからだと思う。

早く電車の予定の間に合いたいのに、自分の想定外の理由で事が進まないのを少し苛立っていた。

その“点検”を引き起こした張本人になってしまった。

 

 

駅員さんも慣れているのか、すぐに左側にある上りエスカレーターを下りに切り替えてくれた。

(だが、逆に上りエスカレーターが無くなってしまうのも問題があるのでは?)

 

 

 

作業員さんは、そのあと30分後くらいに来てくれて、すぐにイヤフォンを取ってくれた。

エスカレーターが止まっていた時間は、1時間弱くらいだと思う。

 

その2人組の作業員は、予定外の作業で不満だったのか、障害者だから話が伝わらないと思ったのか、私が「すみませんでした」と言ってもほとんど私を見なかった。

腹が立つことなどなく、申し訳なさが加速した。

 

駅員さんは、

「一応取れましたが、聞こえるかどうかは分かりません」

と申し訳なさそうな顔で言ってくれた。

申し訳ないのは私だ。

 

 


帰りの電車で、イヤフォンをもう一度見てみた。

 

 

かなりズタボロになってしまった…。

生き物でもないのに、イヤフォンにも申し訳ない気持ちがした。

 

聴いてみよう。

 

…。

 

 

 

聴こえる!

イヤフォンくん、キミのことをガサツに扱って、ごめんよ…。

 

でも、これを身体障害者の私が使うのは、いろんな人に迷惑を掛けてしまう。

実際、今でも杖とイヤフォンを同時に使うのが混乱を招く。

 

ワイヤレスイヤフォンを買おう。

 

 

 

ごめんなさい、JR西日本の駅員さんたち。

ごめんあさい、JR西日本の北新地駅の乗客の方々。

ごめんなさい、作業員さんたち。

ごめんなさい、イヤフォン。