起業後の成功を左右する「右腕人材」の存在 | 人材系シンクタンク研究員 本日の雑感

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インテリジェンスHITO総研の研究員として、人材関連の調査や人材マーケット分析、人材活用システムの開発などを行っています。
このブログでは人材に限らず、毎朝のニュースから得る学びや気付きを綴って参ります。

こちらも遅くなりましたが、
3月にお送りしたHITO総研メルマガの

https://entry.hito-ri.inte.co.jp/a.p/101/
雑感部分をご紹介させて頂きます。

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HITO総研から発刊した、
機関誌「HITO」第2号『タレントマネジメントの未来』
http://hito-ri.inte.co.jp/research/newsletter.html  

人材系シンクタンク研究員 本日の雑感-機関誌「HITO」Vol.2表紙


「データで語る雇用」というコラムのなかで
日本の起業をテーマに取り上げさせて頂きました。


日本の起業は世界的にみても低調で、
起業活動の活発さを示す起業活動率は59ヵ国中58位
起業への態度のうち
「起業家の経営能力・スキル」、「社会的評価」などは最下位となっています。
一方、
1分間に2.8社もの企業が誕生しているアメリカでは
小・中学校から国をあげて起業家の育成に注力している、、、

そんな背景の違いをお伝えしています。



さて、
では起業した後はどういった要素が必要になるのでしょうか?


近畿経済産業局の調査によると、

事業発展に貢献すると創業者が思っている項目について、
創業前後で最もギャップの大きい項目は「
右腕人材の存在」。



「創造力」が創業前73.3%→創業後53.3%と20ポイント低下したのとは対照的に、
「右腕人材」は、
創業前13.3%→創業後40.0%と27.7ポイント増加
www.kansai.meti.go.jp/3-3shinki/NBK/sangyohoukoku.pdf  



なぜ右腕の存在が必要になってくるのでしょうか?



学習院大学 脇坂明教授の研究
「右腕が中小企業の経営業績に与える影響」をみると、
http://www.cin.or.jp/needs/kenkyu/pdf/05_wakisaka.pdf  


資金調達から日常業務、経験・知識の吸収などについて
とくに事業拡大期において、
力になってほしいと感じるようで、


右腕の存在が競争力や事業拡大方針に対して、
有意な正の影響を与える
ことが実証されています。



…しかしながら、
どんな右腕でも良いかというと、そんなことはありません。


サルコビッチによると
リーダーを堕落させる"右腕"も存在するようで、
・トップを孤立させる
・影の実力者になる
・面従腹背をよそおいトップの転覆を狙う
など3タイプの"悪の腹心"がいるとのこと。



優秀さだけではなく
人材の見極めや相性も重要になってきます。


起業家の育成については、
文化、社会、教育も含め様々な要素が含まれていますが、

そんな「起業家」と「右腕人材」とのマッチングについては、
われわれ人材サービス業の仕事なのかもしれません。