スイマーがランニングを始めるにあたって | 今井亮介でよかろうもん!

今井亮介でよかろうもん!

日々思いついたことを徒然なるままに



暇だから好きに走っているだけで、水泳競技経験者を代表してランニングをしているつもりはないのだが、リクエストをもらったので、ランニングについて、現時点での個人的な感想をシェアしたいと思う。DMのスクリーンショットについては、送り主の許可を得た。


普段のエクササイズが水泳だった方が、ランニングにチャレンジする時、最初は物足りないくらいの短い距離を走ったり、ウォーキングを混ぜて、最低限の負荷で始めると良いのではないか。


また、スイミングとランニングの双方に良さがあるので、走るから水泳を一切しなくなるのではなく、今までプールに通っていた日々の1日か2日をランニングにスイッチしてみたり。


私も走り始めた時は上限を5kmに定めて、ゆっくり走ることを数カ月継続するぐらいだった。水泳の世界マスターズに出場する関係もあって、泳ぐことを優先していたし。好みやその時の心境で、どちらのボリュームを増やすかを決めて、人生を豊かにすれば良いと考える。


馴染みのあまりない運動を始める時は、自己の限界や、特定の動作における可動域に対する認識が薄い。水泳初心者を観察してきたり、ランでの個人的な経験からすると、私を含む初心者は能力を過大評価する傾向が高い。「このぐらいはできるはず」と思ってるものが、客観的に見れば全くできてないし、自身のキャパシティを勘違いして、適当以上の量と強度でやりがちなので、「もっとやりたい、明日もやりたい」という思いが湧いている時点で、その日の運動を止めることがケガなく、そしてモチベーション高く継続するコツかと。


次に、スイマーがどう走るかを水泳を念頭に置きながら考えてみる。ランニング素人の私が、テクニカルな側面について意見を述べるのは恐縮ではあるが、これまでの経験でスイマー達とシェアできそうなことは、


走っている時の歩幅を小さくして、前に進もうと地面を後ろに蹴り上げないように意識すること


だろう。


歩幅を小さくする理由としては、人間の動作において、自身の体幹部で動きをコントロールできる幅(モビリティ)と範囲に止めやすいことがある。モビリティの限界近くまで四肢を動かそうとすると、動作の制御が難しくなり、動作における負荷が高くなる可能性がある。マラソンとは言わないまでも、少し長い距離を走ってみよう、また泳いでみようという方は、動作に対するイメージの半分くらいの幅で楽に動いてみることをお勧めする。


蹴りについては、蹴り上げようと膝下の動作を強調することで、遠位筋(体幹より遠い部位の筋肉)を優位に体を動かすことになり、動作の連動が生まれにくく、特定の部位に負荷が集中してケガに繋がりやすいと想像する。


私が現在ランニングを好んで行う理由の一つは、水泳との共通点を感じられるから。胸椎、腰椎、股関節を捻転させながら、前に進むことはクロールの動作に良く似ていると感じながら走っている。また、足が着地した時に重心が下がらないよう股関節と膝関節を伸展する作業は、平泳ぎのキックを終えた瞬間に下半身を水面近くに保ち、抵抗を最低限にする動作に共通する気もする。


最後に、スイマーがこれまで陸上でのトレーニングの経験が少ない状態でランニングに挑戦する場合、ランニングやスイミングに並行して、


スクワット

片足でのボックススクワット

相撲の四股または、ラテラルランジ

アンテリアリーチ


などの自重での簡単なエクササイズを少ない回数で良いので始めてほしい。


重力を感じない水中で運動をしてきた私たちスイマーは、足の指の力が弱く、足首が柔らかく、臀筋群やハムストリングを稼動させて運動することが苦手な状態でランニングをスタートする。ランニングは小さな跳躍の連続で、着地の際に足が受けるダメージはかなり大きい。ケガのリスクを抑えるためにも、できる範囲で陸上でのエクササイズを行うべきだ。


まぁ、こんなところかな。