デイブ・サロ氏:水泳のテーパーについて抜粋 | 今井亮介でよかろうもん!!Ryosuke Imai's Blog

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昨日今日と、仕事の一環で、様々な水泳についての本や資料の翻訳をしてます。

水泳トレーニングはワンダーイヤーズ

翻訳は、作業しながら内容を読んで理解できるので、競技の現場の今やトレンドなどを掴むのに役に立つので好きな作業です。販売する商品を決める材料にもなりますね。

英語だけ理解していても翻訳すると分かりにくい文章になるので、ある意味僕の長所を存分に発揮できる分野かもしれません。

今週は、東京でジャパンオープンが開催されるので、翻訳した資料の1つでそれに合致するような内容の記述のものをほんの少しだけ抜粋します。地方のスイマーや大きな組織のバックアップがないチームにとって役に立つかも:

D・サロ「コンプリート・コンディショニング・フォー・スイミング」より

スイマーのテーパー
水泳のシーズンは、目標としている大会に向け、トレーニングのボリュームが落ちていくテーパー期に頂点に達しますが、テーパーの目的は目標のレースまでに肉体的、精神的、感情的なストレスを減らすことで、テクニックやレース戦略の向上へ調整していくにあたり必要な作業となっています。

しかしながら、多くのコーチとスイマーがテーパーを過度に重要視し、良いテーパーを組めれば1年の構造を欠いたトレーニング計画であったり、質の低いトレーニング内容を補えると考えることすらあります。

スイマーはしばしば、シーズンを締めくくるレースで悪いタイムが出た時、「テーパーを失敗した」と嘆き、シーズンを通したトレーニングの失敗であるはずの低調なパフォーマンスを、全てテーパーのせいにしてしまいます。

テーパーを重要視し過ぎることは、一般的なトレーニング哲学に反します。

テーパーの根底にあるのは、非常に高いストレスを肉体にかけてきたという前提の上で、回復期間を必要な期間設けること。

正しく設計されたトレーニング計画には必要とされる休息が構造的に予め組み込まれており、極端な疲労を起こさないはずです。年間を通し高いレベルでのパフォーマンスでレースをできるよう準備をし、テーパーは最高のパフォーマンスを引き出すための追加的な休息という位置付けです。

テーパーの一般的なガイドライン
テーパーを計画する際、研究から導き出された下記のポイントを考慮に入れて下さい:

・テーパーは水中パワーを約25%増大させ、結果として水中速度に5%の向上がある(導き出された5%はレース直前のシェービングも要因として含む)。

・典型的なテーパーは期間として1~3週間設けられる

・テーパーの期間は、これまでのトレーニングを含めて、いくつかの要素で決定するが、スプリンターのような高い強度でのトレーニングを積んでいる者は、ディスタンススイマーのような高強度未満のトレーニングを積んでいる者に比べ、長いテーパーを必要とする。

・テーパーの期間中、水中でのトレーニングのボリュームは減らす一方、強度は落とさないことで水中パワーと動作効率を維持させることができる。テーパーを通してトレーニングボリュームを90%落としつつ、強度を保つことで最良の結果を出すことが可能。

・テーパーを遂行する上で、トレーニングのボリュームを緩やかに減らすと、急激なトレーニング距離の減少を用いるテーパーに比べより良い結果を期待できる。

・いったんテーパーを開始したら、追加的な肉体の生理学上の向上を期待することはできない。パフォーマンスレベルの向上の全ては、強化期間に培ったベースから生まれる。

・一般的に、女性選手に必要なテーパー期間が男性選手より短い。

・年長選手は若い選手に比べ長いテーパー期間を要する。

・トレーニングボリュームの減少に伴い、エネルギー消費も減るため、摂取する栄養のバランスを考慮し、食事を調整する必要がある。

・水中での感覚はパフォーマンスの良し悪しを決定する要素にならないことを念頭に置くべき。多くのアスリートが経験する感覚が良い結果に直結すると考えるが、感覚に関係なく計画的にデザインされたトレーニングを積んでいれば、望む結果として表れる。テーパー中の体を自動車に例えれば、エンジン点火直後は激しくガタつくが、望む速度で走行してくれるということ。


現在USCのヘッドコーチを務めるD・サロ博士の著書のテーパーに関する記述で、全体のトレーニング計画からテーパー期を切り取った感じの内容です。

本や関連する資料全体を観れば、年間のトレーニングそのものの再考を必要とする部分も出てくる可能性がありますが、

前衛的なトレーニング理論のサロ博士の頭の中を覗いている気がして面白いですし、少なくとも上の記述はテーパーの基礎的な考え方で、様々な現場で生かせそう。

テーパーについて、いろんな著者の記述に目を通したけれど、共通したメッセージは

「感覚の良し悪しでテーパーの過程とレースの結果を考えちゃだめだよ。やるべきことをしっかりやって、冷静にレースを泳げば良い結果がでるはず」

です^^

ジャパンオープンに向け、今日出発したチームもあるはず。

選手とコーチの方々には良い結果を出せるよう頑張っていただきたいですね。




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