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福岡の内科外科院長のブログ

福岡の内科外科院長のブログです。医療の事はもちろん、日々のクリニックでの出来事など投稿します。

皆様、こんにちは。消化器内科外科の院長です。

胃カメラ・大腸カメラをはじめ、おなかの痛みや痔などの消化器系疾患を専門としていますが、アレルギーや子供の病気、生活習慣病なども診察していますので、全身の不調が少しでも和らぐ情報をお届けしていきます。

 

秋は、大人以上にデリケートな子供の体にとって、様々な病原体が牙を剥く危険な季節なでのす。この記事では、秋に流行しやすい子供の病気とその特徴、そして家庭でできる予防法を、解説します。大切な我が子を病気から守り、笑顔あふれる秋を過ごすために。正しい知識という武器を身につけましょう。

 

 

 

 

 1. 秋の子供の不調は「未熟な体」と「気候変動」が原因

 

 

結論からお伝えします。秋に子供の体調不良が多発する最大の理由は、体温調節機能などが未熟な子供の体が、夏の疲れを引きずったまま、秋の急激な「気候変動」にさらされることで、免疫力が著しく低下してしまうためです。この防御機能が弱まった隙を狙って、様々なウイルスや細菌が襲いかかってくるのです。

 

子供の体は、大人と比べて体温を調節する機能や、体内の水分を保つ機能がまだ十分に発達していません。そのため、夏の間に受けた暑さによる疲労や、冷房による体の冷えといったダメージが、大人以上に深刻な「負債」として蓄積されています。

 

その弱った状態で、朝晩と日中の激しい寒暖差や、乾燥した空気にさらされる秋を迎えます。体は必死に環境の変化に適応しようとしますが、その過程で多くのエネルギーを消耗し、自律神経のバランスも崩れがちになります。その結果、免疫力が低下し、保育園や幼稚園、学校などで流行する感染症に簡単にかかってしまうのです。ある調査では、小学生以下の子供の約6割が、夏から秋の季節の変わり目に体調を崩したというデータもあります。

 

 

 

 2. 見逃さないで!秋に流行る子供の代表的な病気と見分け方

 

 

「ただの風邪」と自己判断してしまうのは大変危険です。ここでは、秋に特に注意したい代表的な病気の特徴と、見分けるためのポイントをご紹介します。

 

*RSウイルス感染症

激しい咳、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)、鼻水、発熱が主な症状です。風邪と似ていますが、特に2歳以下の乳幼児は重症化しやすく、呼吸が苦しそうな場合は注意が必要です。初めての感染では、細気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。

 

*インフルエンザ

38℃以上の急な高熱に加え、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身の倦怠感といった症状が現れます。普通の風邪よりも全身症状が強く、ぐったりしてしまうのが特徴です。高熱とともに体の節々の痛みを訴えることが多くあります。

 

*溶連菌感染症

のどの強い痛み、発熱、体や手足の発疹が主な症状です。のどの痛みが非常に強いため、食べ物や飲み物を飲み込むのを嫌がる傾向があります。また、舌がブツブツと赤くなる「いちご舌」も特徴的な症状の一つです。

 

*気管支喘息

夜間や明け方に多い咳、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)、息苦しさが特徴です。気温差、ハウスダスト、ウイルス感染などが引き金となって症状が出ます。走ったり笑ったりした後に咳き込むのも、よく見られるサインです。

 

*アレルギー性鼻炎・結膜炎

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが主な症状です。風邪とは異なり熱はなく、目のかゆみを伴うことが多いのが特徴です。秋の場合は、ブタクサやヨモギなどの花粉が原因となっている可能性があります。

 

 

 

 

3. 我が子を病気から守る!家庭でできる「秋の健康防衛術」

 

 

大切な子供を秋の病気から守るために、家庭でできることはたくさんあります。日々の小さな積み重ねが、子供の健康な未来を築きます。

 

*基本の徹底!「手洗い・うがい」

 感染症予防の基本は、なんといっても手洗いとうがいです。外から帰った後、食事の前には、石鹸を使って指の間や手首まで丁寧に洗うことを習慣づけましょう。まだうがいが上手にできない小さなお子さんには、お茶を飲ませるだけでも効果があります。[3]

 

*「こまめな着脱」で体温調節をサポート

 寒暖差の激しい秋は、服装の工夫が鍵となります。厚着をさせすぎると、日中に汗をかいて体が冷え、かえって風邪をひく原因になります。脱ぎ着しやすいカーディガンやベストなどを活用し、子供が自分で「暑い」「寒い」を伝えられるように促しながら、こまめに調節してあげましょう。[2]

 

* 体を温め、免疫力を育む「食生活」

夏の間に冷えた内臓を温め、免疫力を高める食事を心がけましょう。体を温める作用のある根菜類(にんじん、ごぼう、大根など)や、きのこ類をたっぷり使った温かいスープやお味噌汁はおすすめです。また、腸内環境を整えるヨーグルトや納豆などの発酵食品も、免疫力アップにつながります。

 

*質の良い睡眠で、体をリセット

 「秋の夜長」は、子供にとっても夜更かしの誘惑が多い季節です。しかし、睡眠中に体はダメージを修復し、免疫力を高めます。早寝早起きを基本とし、寝る前はスマートフォンやテレビなどの強い光を避けて、リラックスできる環境を整えてあげましょう。

 

 

診察において、具体的な症状と同じくらい重要なのが、保護者の方からいただく「普段と違う」という情報です。

 

例えば、「なんとなく元気がない」「食欲が落ちた」「いつもより不機嫌でぐずる」といった変化は、お子様自身がまだ言葉で的確に不調を訴えられない場合に、体調異変を示す初期のサインとなり得ます。これらの観察情報は、熱や咳といった客観的な所見だけでは捉えきれない、病気の全体像を把握するための貴重な手がかりです。

 

日頃からお子様の活動レベル、表情、食欲、睡眠パターンなどを注意深く観察し、平常時の状態を把握しておくことが、病気の早期発見には不可欠です。少しでも「いつもと違う」と感じる点があれば、それが客観的な診断につながる重要な情報となる可能性がありますので、些細なことと思わずに医療機関を受診する際の参考にしてください。