佐和子の父は父親辞めるし、母は家出するし、兄は晴耕雨読の自由気ままぶり。
そんな家族と、彼氏彼女、学校生活風景から描かれる人間関係の機微と支え合うことの強さが伝わる作品。

瀬尾まいこさんの作品は以前、「そして、バトンは渡された」を読んだが、人間関係は言うまでもなく、家族の描き方が素敵だと思う。

家族って、全員が同じ性格でもないし同じ生き方をしてる訳じゃないから、普段はバラバラな行動だったり考え方だったりしてて、でも何かが起きた時に一番強いのって家族の関係性だと思う。

幸福な食卓でも、佐和子の彼氏である大浦湾が亡くなった時にその強さが窺える。
佐和子の家族や兄の彼女が落ち込んだ佐和子を支えようとしてくれるが、普段から意識して真正面から上手く支えているわけじゃないからギクシャクしてしまう。そんな描写がよりリアルな家族に映った。

家族の誰かに悲しいことがあったり落ち込んだ時に、不器用でも支え合う。そんな関係性は、みんなで囲む食卓みたいに優しく安心できる場所と同じじゃないだろうか。


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