わたしが母親になる、あなたをお腹に宿したときからのお話です。
なんだか眠たい日が続くな、寝落ちする日が増えたなと思っていた頃、
徐々につわりの症状も出てきて検査すると、陽性。
21歳の冬でした。
嬉しさと不思議な感覚だったことを覚えています。
とはいえ、まだお腹はぺったんこ。
なにに気を付けて、どう守って行けばいいのだろうと漠然とした不安を抱えました。
病院に行き、自分の目でたしかにあなたがお腹にいることを確認しました。
本当に小さく、米粒のようなサイズだったけど、愛おしく思えました。
たった数週間で、人間の形になってきたあなた。
心臓が、小刻みに、力強く動く音が聞こえました。
感動して、泣きました。
初めての妊娠。
不安だらけでいろんなことを検索しました。
あなたを大切にし、生かすことに必死でした。
つわりはいつ終わるのか、先が見えずに泣いた日もありました。
だいすきなお寿司やお酒、胎児によくないと言われているものすべてを
きっぱりと辞めました。
元々子どもが好きで、早くお母さんになりたいなと思っていたけど
子どもをお腹の中で育てるということが、こんなにも大変だなんて想像もしていませんでした。
あなたがお腹に来てくれてとても幸せで、毎日毎日生まれてくるのが楽しみで、
予定日までの日数を一日何回も確認したよ。
健診が一カ月に一回になって、不安が増し、あなたに会いたい気持ちも増しました。
ちゃんと生きているかな、窮屈ではないかな、とずっとあなたのことばかり。
胎動を感じ、あなたの力強いパンチとキックに、痛みと同時に幸せを感じていました。
もちろん、こうした幸せの中にもたくさんのマイナートラブルがあってね。
つわり、わたしは4カ月くらいで終わったけれど、産む直前までつわりの人もいるんだって。
妊娠線、ぽっこりお腹になってきて、妊娠線ができないように頑張ったけど、できました。
これは勲章ということにしています。
体重管理、これが本当にしんどかった。
食べなきゃあなたは育たないけど、食べすぎるとあなたに危険が及ぶ。
体が重くなって、足が上がらないのに、躓いてコケてしまったら、あなたが危ない。
わたしの体がわたしだけのものではなくなることに、少しだけ恐怖を感じました。
これもあなたを守りたい一心だったから。
あとは、オシャレが制限されたり、わたしにとってはプチ我慢で済むことだったけど
プチ我慢がたくさんで、妊婦イヤ~と思ってました。
後期は寝返りができないし、頻尿だし、眠れなくて、、
この眠れないという現象は、母になる準備をしているからだと知って、寝不足も平気でした。
でも、あなたの子どもが奥様のお腹に宿った時は、わたしとは全然違った形のつわりかもしれないので、
全力でサポートしてあげてね。
お腹が大きくなってきてからはたくさんの人にお腹を撫でてもらって、
みんなであなたの誕生を待ちわびていたんだよ。
里帰り出産をしたから、あなたのだいすきなばあばとじいじにたくさんお世話になった。
子どもを産む娘を、ばあばは誰よりも大切にしてくれた。
わたしもこんな風に愛おしいと思われ、待ちわびてもらっていたのかと思うと、感謝が溢れた。
身近な人に愛されるという経験をさせてくれてありがとう。
11月生まれのあなた、大きいお腹で夏を超すのは、とっても大変だった。
暑くて暑くて、ちょっと外にいるだけでしんどかった。
でも薄着で健診に行けるから、ちょっとだけ体重が誤魔化せたのはいい思い出。
性別がわかった日、念願の男の子でとっても嬉しかった。
まだ生まれてもいないのに、いつか手を繋いでくれなくなる日のことを考えて、寂しくなった。
名前は何にしよう、どんな服を着せよう、夢が膨らんだ。
ショッピングモールに出かけると、男の子のものばかりが目に入った。
あなたを宿し、世界が変わり、あなたの性別がわかり、もっと世界が豊かになったよ。
ちなみに、胎児ネーム?はジョージでした。おさるのジョージが好きだったので。
人間というより、宇宙人のような、そんな感覚だったからかな。いや、ノリかな、忘れた。
いつ生まれてもいいですよ~でももうちょっとお腹にいてくれたほうが安心ですよ~の時期
わたしは切迫早産になりました。
動くな!!と言われ、ずーっとだらだらごろごろ。
ほんとは適度に歩いたり、生まれてくるように散歩したりするみたいだけど、
早く会いたいという気持ちが、強すぎたのかな。
でも生まれたらゆっくりできないよ、と言われていたから、思う存分ゆっくりしました。
せっかくだから、と胎教をやってみたりもした。
ベートーベンがいいみたいで聴かせてみたけど、わたしが眠くなってしまい、話しかけられなかった。
胎動を動画に収めておきたいのに、録画ボタンを押すと静かになるあなた。
そうか、今この瞬間を噛みしめてねということか?と思い、動画が撮れたのは結局1度だけでした。
名前が決まった。
わたしがだいすきな、星に纏わる名前にした。
どこにいても無条件に母はあなたが一番輝いて見えるよ、
どこにいても自分なりに精一杯輝けますように
という思いを込めて。
世界一しあわせな洗濯もした。
小さな小さな洋服、落とさないよう慎重にハンガーに袖を通したことを今でもしっかり覚えているよ。
ガーゼ、何枚いるのかわからなくて、山ほど買った。
肌着、11月はちょっと寒いかなと長袖を多めに買った。
掃除は苦手だったけど、あなたのためにたくさん掃除して、習慣をつけた。
この世界で健やかに育っていけるよう、一生懸命頑張った。
半年も先なのに、離乳食の本を買った。
多分、使わないと思うけど。
お宮参りはどこでしようかと調べるうちに、神社に詳しくなった。
後にも先にも、わたしがこんなにもワクワクしていたのは
あなたがお腹にいた時が一番だったかなと。
楽しい、愛しい10月10日をありがとう。
さあ、生まれておいで。