3月21日付日経ビジネスオンラインにて竹中正治氏が危機感駆動型のニッポンの危機続編というタイトルで日本の社会が危機感があるのに、危機管理が甘いことを分析している。内容は非常に奥が深く、何度も読み返した。その中でとくに印象深かったのが、「失敗に遭遇し、軌道修正すること、失敗から学ぶことを難しくしている日本特有のカルチャーはなにか」と問題を提起し、それを私なりに解釈すると、日本人は、失敗などない完全な状態を前提あるいはそれが存在すると信じきっていることにある。
 竹中氏が文中にて触れているように、現在日本で大きな問題になっている食の問題も、100%安全であるべき、という安全神話を信じきっている。安全とは絶対的なものではなく、確率的なもので、ある確率で不良品なども当然出るものである。そう考えるならば、その確率的に起こる不良品をいかに人の口に入らないようにするか、という発想が出てくるわけだ。それがまさに危機管理である。