「海外で働きたいんですけど…」という質問を良く受ける。いつも決まってアドバイスするのは、日本でそれなりの経験を積んでから海外に出ることだ。それは、日本のプロ野球選手が日本でプレーをした後に、大リーグに挑戦するの似ている。
 仕事をしてしばらくして、「あなたの強みはなんですか?」、「この会社に入ってどういう貢献ができますか?」といった面接の仮想質問を自分にしてみて、それなりに回答ができるようになった頃、海外で仕事をすることを考えることを勧める。 
 しかしながら、それぐらいの回答ができるには仕事をして5年ぐらいはたっているわけで、年齢にすると30歳ちょっと前で、結婚だとか、早い人では子供だ、なんてプライベートも非常に忙しい時期でもある。そんな時に、結局は家族を犠牲にして、あるいは今ある生活を投げ捨てて、海外に挑戦するなんていうことはできない、というのが現実だ。
 とはいっても、厳しいようだがそれまでして海外に来る覚悟と信念がなければ正直成功するとは思えない。仮に運よく海外で仕事をすることができたとしても、それはあくまでも第一歩にしかすぎず、はじめに勤めた会社に一生働く人というのは、ほとんどいないであろう。海外では、常に自分のプロとしての将来設計をすること、将来のイメージを強く持つことが要求される。そうでなければ、海外の競争の荒波に飲み込まれてしまうのだ。
 また、大リーグの選手は、その挑戦に対して十二分に満足するほどの金銭的見返りがあるが、われわれ一般人のレベルではそこまでは期待できない。また、マスコミに取り上げられるようなこともない。
 僕は、そんな海外で仕事をして、体を張って生きている同士に対してこのブログを通じてエールを贈りたい。