わが社の日本支社の部長レベルの人たちがよく、担当者たちに「ボールをトスしたのか?」とか、「ボールはどっちにあるんだ?」としばしば聞いていた。初めは何を言っているのかよくわからなかった。そのうち、その意味は受け取ったメールに対して、返事をしたのか?という意味であることが分かってきた。その上司たちはメールが自分たちの方で止っていることが許せないようだ。
 極端な話をすると、彼らはとにかくメールに対して内容を差し置いて、返答する事に一生懸命になっているようだ。
 彼らの表現を借りて言えば、ボールを投げ返すときに、とんでもない方向にボールを投げ返したり、受け取る側のことを考えずに、力いっぱい投げ返したり、ということをしているようだ。つまり、せっかくメールというツールを使っているにもかかわらず、双方向のコミュニケーションができていない事から、便利なツールも全く有効ではなく、ただメールを書く、という行為に時間を使い、実際には仕事の成果が上がっていないのである。しかしながら、その本人はその認識がないため、よりたちが悪い。
 皆さんの仕事でのメールもきちんとキャッチボールが相手とできていて、しかも本来目的であるべくタスクを達成するためのツールとして機能していますか?