ほろ酔い気分になっていた僕は今まで気付かなかった位、
ストレスが溜まっていたのがわかった。
・退院後に父に良くなったと思わせるために、動きづらくなった体を無理して動かしていた事。
・「わからない」という病名との不安と恐怖
・二つの会社に迷惑をかけた分の取り返し
・困難になってきた日常生活
・他の人に迷惑をかけたくないと思う気持ち
・次の日に控えた父の癌手術の事
病気の辛さも誰にも言えなかったし、病気になった事での仕事に対する自分の責任、全てを独りで抱え込んでいた。
だから、退院してから今まで、全然余裕がなかった
それに、その間にT大病院に通院した際に、「夜、眠れない」と訴えた所、同病院の精神科に行くことを勧められた。
神経内科でだせる睡眠薬が限られているので、専門医のところで処方してもらう為にという事でした。
僕も心理学の勉強をしていたので、その際に少しのカウンセリングを受けるのもいいかなと思い了承した。
しかし、研修医らしき若い医師がどう考えてもそれだけで判断できるとは思えないような問診を1時間もした後、年配の医師が来て僕の話をさえぎりカルテも見ずに、いきなりこう言った
「君は鬱でもなんでもない。何しに来たんだい?」
どんなにこの人が優秀な医師であるかはわからないが、あの問診書だけで患者の言葉も聞かずに、そんな言葉を発したら、本当に心の病に困っている人を地獄に追いやるだけだと痛感した。
「眠れないんで、睡眠薬をもらってくるように神経内科のS先生から言われたのですが」
ちょっと不貞腐れて、カルテ代わりに言ってやった
そして処方された薬は神経内科でだされた薬と同じ物だった。
あきれ果てて文句も出ませんでした
それこそ、時間とお金の無駄でした。
それと、個人のプライバシーにはあまり触れたくないので書きませんでしたが、当時ゆみえは10年前に母親を病気で亡くしており、それから一人で家事と父親の看病と仕事の手伝いだけで心身共に疲れ果てていました。
それでも僕に気丈に振舞ってくれる彼女に、これ以上の負担はかけたくないと思ってましたし、それ以上に僕の事で負担をかける事はできなかった。
それに何人かの人には今の僕の病気の状態を話したが、その内心にあった辛さまでは話してない。
僕の友人は「バカ」が付くほどお人好しが多い。
そんな事、言おうものなら自分のことのように心配して騒ぎまくる。
僕の友人のほとんどが家庭を持っている。
悪ガキどもだが、みんな仕事はできる。だから、それぞれの重要な仕事を任されている奴等が多い。
家庭も仕事もかえりみずに一生懸命になりすぎる。
僕もその一員として、何度も同じ事をやってきたから、もし僕の病気の事を言ったら大変な事になるのは容易に想像できた。
だから、黙っていた。
そして、そのストレスがその飲み屋で一気に爆発した
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「忘れてしまいたい事や どうしようもない 寂しさに
包まれた時に男は 酒を飲むのでしょう
飲んで飲んで 飲まれて飲んで
飲んで飲みつぶれて 寝むるまで飲んで
やがて男は 静かに寝むるのでしょう」
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