「なんでこんなに混んでんだよ!間にあわないよ!」

入院するT大病院の駐車場にはいる渋滞の中で僕は騒いでいた。

「大病院なんだからさ、こういう所を考えて欲しいよな。」

「しょうがないですよ。」後輩があきれるように、目線を前に向けたまま言った。

結局、AM10:00までに受付を済ませてくれと言われたのに1時間以上も待たされたお陰で受付に着いたのは30分遅れ、そこからまた30分くらい待たされてやっと病室に案内された。
ここの病院は、新しい病棟と古い病棟との差がはっきりしている。

受付を済ますまでは最先端の近代的な病院に見えるが、一つ角を曲がるとまるで一昔前の実験室か廃校になった学校を想像させられる。
僕の病室は古い方の6人部屋だった。
バックパックカーで海外を周って来た僕には、新しかろうが古かろうがどうでも良かった。
逆に、何か懐かしい感じがした。

その部屋の一番廊下側の角のスペースがこれからの僕の当面の住処となる所だった。
看護士から、一通りの説明を受けパジャマに着替えた。
携帯の電源を切るのを忘れていて、電源を切ろうとした時にメールが入っていた。

ゆみえからだった。


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