2009-04-16 10:13:21

銀魂 二次小説 戸惑いの恋

テーマ:夢小説 近藤

「あれ、お妙さんどうかしたんですか?」


「何がです?」


氷をグラスに運び店でも高級な部類のボトルを開けながら、こちらを覗き込んで来るゴリラの質問に冷たく返す


「何かつらいことでもあったんですか?」


隊服とは違うプライベートの着物を着て、目の前に腰掛けるゴリラはなおもしつこく聞いてきた


「お妙さんって結構思いつめるほうだから、つらいときはつらいって言葉にしなきゃだめですよ。うちのトシを見てやってください年がら年中腹に溜め込んじまって目つきが悪くなるばかり!少しは俺を頼ってくれりゃあいいってのに」


ほっておくとオーバーアクションでしゃべり続けそうなゴリラへ雑にグラスを突き出した


「近藤さん?おしゃべりなんですね」


「あ?いや ははっ すんませんお妙さんを元気付けようと思って・・・・」
 

「はぁ・・・・ ゴリラに気付かれるほど落ち込んだ顔してますか?私」


ゴリラっ・・・といいながら、酒を一口飲む近藤さんをジッと見つめ、いっそ誰かに聞いてもらえば楽になれるかもしれないと口を開いた


「実は・・・同僚のおりょうちゃんに彼氏が出来たんです」


「ほぉ そいつはうらやましいなぁ」


「だけど・・・」


二人とも黙り込み、店内の騒がしくにぎやかな声がまるで遠くに聞こえる


「何かが変わってしまって」


そう今までと何かが違う


お店に入ったのも同じくらいの私たち、他の子たちのように売り上げを競うライバルじゃなくただの友達のように接する事が出来ていた


だけど彼女に彼氏が出来てなんだか歯車が狂ったように上手くいかないと手元のグラスを一気にあおった


「お妙さん先ほどから飲みすぎですよ」


「彼女とランチを食べに行く事もなくなったし、一緒に旅行するはずだった温泉もキャンセルされちゃって、なんだか・・・」


惨めだと感じたけどさすがにそれは口に出来なかった。


「じゃ、じゃあ俺と一緒に温泉に・・・」


「あぁ!?なんれ私がゴリラと温泉に行かなきゃなんらいんれすか」


もつれる舌で文句を言えば、店長が「また酔っ払って!」と汗を拭きながら飛んできた


「すみません!!真選組局長様の前でうちの子が・・・」


「うっさいわね!ゴリの相手してやってんのは私よ!?」


店長の胸倉を掴んで投げ飛ばすと目の前がグルグルと周り、視界がかすむ


最近おりょうのことで眠れなかったからといって、少し飲みすぎてしまったようで気持ちわるく意識がプツリととんだ




気がつけば大きな背中が目の前にある


昔、父親に背負われた時の広い背中のようだとうれしくなって顔をもう一度沈めた


「大丈夫ですか?」


「え?近藤さん!?」


ふいに掛けられた声に、自分を取り戻し姿勢を正せば夜の街を近藤さんに背負われていることに気がついた


「なかなかタクシーがつかまらなくて。あ、でももうじきお宅ですから」


店からの距離を私を背負って歩いてきたのかと驚くがともかく一刻も彼から離れたかった


「お・・降ろしてください!」


「無理はされないほうがいいですよ、だいぶん飲まれてらっしゃったから」


「いいから降ろしてください!!」


ヒステリー気味に叫んだ口を押さえると近藤さんは苦笑しながら腰をかがめてそっと降ろしてくれる


「大丈夫ですか?ご気分は悪くないですか?」


「これでもプロですから」


「プロでも飲みすぎですよ」


カチンときて後ろも振り返らずに歩き出したけど、本当は赤く染まった頬を見られたくなかったからだ


「お妙さん」


「ついてこないで下さい」


「いや、忘れ物です」


悔しさと恥ずかしさで振り向きもせず差し出されたカバンを受け取ると、また足早に歩き出すが後ろの近藤さんの気配が離れない


「もう!ついてこないでってば」


「すみません、俺もこっちの方角なんで」


申し訳なさそうに笑い声を漏らす近藤さんに肩の力が抜け、外灯の明かりの下歩みを止めた


「・・・・すみません こちらこそご迷惑をかけているのに」


気持ち程度頭を下げれば近藤さんはひどく照れたように数歩下がって声を上ずらせた


「いやぁ ムシャクシャするときだってありますよ、俺なんか一心不乱に剣を振るえば忘れちまうが女性はそうもいかんでしょう」


「それくらいで忘れちゃうなんてたいした悩みじゃないんですね きっと」


「たしかに」


自分がひどい事を言ってるって自覚はある。両親を亡くし、自分の力だけで幼い弟を食べさせるためにひたすら我慢を重ねてここまできた


気がつけばいつのまにか私はこんなにも


「可愛くないあなぁ・・・」


・・・強がりで甘えベタでお礼さえまともにいえない自分にほとほと疲れてしまう


「は?充分可愛いですよ」


外灯に照らされて首をかしげる近藤さんに頭を左右に振った


「父上がご健在だったら・・・そうしたらもっと甘えて・・・可愛らしい性格になれてたと思うんですよ」


「そうですか?」


「それどういう意味ですか?」


ギロリと睨むと近藤さんは挙動不審気味な動きの後大声で叫んだ


「じゃあ俺をお父上だと思って甘えてください!」


「近藤さんを?」


「あ、お妙さんちょうど公園がある。親子ってのは公園でいっぱい遊ぶもんです来て下さい!」


手を無理やりつかまれ、足をもつれさせながら彼について公園に入ると、そこは小さいながら昔よく遊んだブランコや滑り台が設置されていた


「まずはブランコです、さぁ」


「えぇ?もう何年も乗ったことなんか・・・」


抵抗をよそに無理やり座らされると、これでもかと思い切り背中を押され危うく落ちそうになる


「ちょ・・近藤さん危な・・・」


「危ないくらいが子供は喜ぶもんです、お妙さんは今俺の子供なんだからもっと喜んで!」


鎖が派手な音をたて前後に振られるうちに顔が青ざめてくる


「とめ・・・とめて・・・」


「お妙さん?!」


吐きそうになるのをなんとか押しとどめて座り込めば近藤さんは何度も謝ってきたけど、酔っ払った時は二度とブランコには乗らないと心に決めた


「もういいですから・・・帰りましょう」


「いえ!まだまだこれからですよ!」


「えぇ!?」


さっきの反省はどこへやら、今度は滑り台の階段を昇らせられるが、辺りは暗い上にまだ足がふらつくのを見た近藤さんに抱き上げられた


「近藤さん!!」


「近藤じゃなく今はお妙さんの父親!にしても軽いなぁ!ちゃんと飯食ってるんですか?」


「食べてます!下ろしてください」


「ダメですよ」


ビュンと風を頬や髪、体で感じ抱きかかえられたまま、一気に長い滑り台を滑り降りていく


「きゃーきゃーっ」


必死に近藤さんにしがみつき恥ずかしさも忘れ叫んでしまう


「ははは!こりゃあなかなか楽しいもんだな」


さらに「もう一回」と私を抱きかかえ近藤さんは何度も滑り降りる


その度に大きな口を顔いっぱいに広げ笑う彼にこちらもおかしくなってきて次第に笑みがこぼれた


時間は日付変更線を越え、いい大人の彼と思い切りはしゃいで笑う


親子というよりまるで恋人のような感覚の時間に、ささくれだった心が穏やかになっていくのを感じていた




「いてて・・・滑りすぎたかな、尻がいてぇ」


「もう 子供みたい」


「確かに!」


恒道館の門を前にして結局送って来てくれた近藤さんがニコニコと笑う


まだこの笑顔を見て見たいという気持ち・・・そんな事を思う自分にかなり戸惑ってしまう


「でも・・・あんな風に遊んだの何年ぶりかしら。けっこう楽しめました」


「そうですか?じゃぁまた今度ご一緒に」


「もう結構です!」


これ以上頭にのられてストーカー行為がエスカレートしても困ると、慌ててさえぎった


「すみません」


額を大きな手で覆い、しまったと表情を隠せない近藤さんにチリリと胸が痛んだ


「じゃあ失礼します」


大柄な体に似使わないしょんぼりした背中。考えるより先に手を伸ばし彼の手をつなぎ止めてしまった


「お妙さん?」


自分でつないでおきながら、どうしていいか分からずにそっぽを向き口を突き出す


「こうやって 父上と手をつなぐのも好きだったんです・・・」


「お妙さん、俺」


つないだ手に彼の力が強く加わり思わず振りほどこうとしたけれど、それは許されなかった


「やっぱりアナタの父親役はムリだ・・・アナタを今すぐにでも抱きしめたいし、キスだってしたい」


彼の鼓動が汗ばんだ手から伝わってくる


「あ、あの」


彼の顔を見つめれば無骨だけど男らしい真剣な瞳がこちらを見つめていた


「お妙さん・・・」


「~~~やめてください!!」


恥ずかしさのあまり、いつもの調子で彼のわき腹に拳を決めてしまうと近藤さんはその場に崩れ落ちる


「お妙さん~~すみません~~~~ ついこの手がこの手が~~~~~っ」


むせながら謝ってくる近藤さんを捨て置いてさっさと門をくぐりなかへと逃げ込む


胸が苦しいほど早鐘を打ってどうしていいか分からず灯篭の傍に座り込んだ


近藤さんはしばらく咳き込んでいた後「じゃあ、おやすみなさい」と、足音が遠のいていく


「近藤さんっ 温泉・・・!」


「は?」


急いで立ち上がり塀越しに声を張り上げると、間の抜けた声が返ってきた


「温泉まだ宿にキャンセルしてないんです、よかったらご一緒に・・・考えておいてください」


これ以上ここにいれば心臓がもたないと、駆け出せば後ろからゴリラの喜びの叫び声が聞こえてきた


「お妙さん~~~~愛してます~~~!!!」


「もう・・・バカな人」


明日はご近所から苦情が来るじゃないのと頬を膨らませても、なぜだかその後に笑みがこぼれてしまった



戸惑ってばかりの恋は、はじまったばかり。



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ブログをお休み中の姫を引っ張り出すエサ・・・・違った捧げものです

お妙さんくらい強気に出てみたいなぁと思いますが、そんなことしたらうちでは夫にPC取り上げられて「モールス信号でやれ」って言われちゃう!!

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2009-03-19 10:45:26

銀魂 夢小説 出会いの春

テーマ:夢小説 近藤

saon姫に近藤さんを贈らせて頂きます

このお話は守る未来 のパパシリーズになります

いつもよりさらに妄想がきついので苦手の方はスルーお願いします



『出会いの春』


「やはり羽織のほうがよくないか?」


クローゼットの前で何度目かの問いかけをしてくる彼からは、武装警察を率いる威厳のかけらを感じることは出来ない


「華は隊服姿がいいみたいですよ」


「そ、そうか?」


世間ではチンピラ警察などと言われてる分、下手な格好をして娘の卒業式で肩身の狭い思いをさせたくないのだろう


背の高い彼のストールを巻いてあげようと手を伸ばすと、おどけたように腰をかがめ頬にキスをされた


「もう」


そんな言葉とは裏腹に頬が緩んでしまうのは、結婚して何年もたつのに彼が未だに私を愛してくれているからか


「タケルは?」


「もう用意できてますよ お姉ちゃんが明日から学校行かないなら僕も保育園行かないってごねてましたけど」


華より10歳下のタケルも口が達者になり子供の成長はホントに早いと思う


今朝、華を送り出す際、姿が見えなくなるまで見送った


六年前、大きなランドセルを背負った小さな華を心配でたまらず見送った朝を思い出しながら・・・・。



最初のころ学校に馴染めなくて体調を壊した華を何度か迎えにいったりした


教室で一人座っている姿に胸を締め付けられ、変わってやれたらと何度も思った


「大丈夫 子供はすぐに慣れるものさ」


彼がいつもの調子で笑っていたのが、私の心の支えだった


そのうち仲のいい友だちが出来てクラスに馴染んでホッとした


その話を彼にすると「よかった・・・」と何度もつぶやき涙ぐんでいた


本当は心配だったのに、私の事を思ってそんなそぶりも見せなかったんだと気がついた


世間ではしっかり女房なんて言われてるけれどそんなことは全然無い


わたしも子供たちもいつも彼に護られている



「にしてもオレなんかが挨拶して大丈夫かな」


彼は卒業生の保護者代表の挨拶を頼まれいた


最初辞退しようとしたのに送辞を伊東ジュニアがすると聞いて俄然対抗意識を燃やして引き受けてしまったらしい


「あなた子供たちにリクエストされたからって保護者の方の前でゴリラの真似なんかしちゃダメですからね!?」


「ははっ・・・つい断わりきれなくてな 分かってるさすがに今日はしやしないさ」


どうだか?


妙なところでサービス精神が旺盛な人だからと、自分も出かけるために黒い羽織を着込んだところで携帯が着信の音を告げる


しかも緊急コール音だ


「オレだ」


言葉すくなに会話を交わした彼が携帯を折りたたみ真剣な顔ですまないと頭をかく


「分かってます お気をつけて」


刀を渡すと腰に携えながら彼は大きくため息を吐き出す


「妙・・・俺は・・・」


「あなた 近藤勲は私の誇りです それは華にとってもタケルにとってもです だから・・・」


自分から彼と唇同士を合わせる


「だからお気をつけて お帰りをお待ちしております」


「ああ 行ってくるよ」


柔らかな笑顔を向けながら彼はその場を後にした



案外泣かないものなんだなと子供たちを見ながら思う


皆、余裕で証書を受け取り笑顔で壇上をおりていく


だから自分も胸を詰まらせる事なく暴れるタケルを抱っこしながら保護者席で見つめていた


なのに、いきなり卒業生の子たちが思い出を語り出した時には胸がいっぱいで鼻がツンと痛んだ


「姉上」


突然空けておいた隣の席に新ちゃんが座ってきて慌てて涙を手の甲でぬぐう


この年になっても弟に涙を見られるのは苦手だ


「近藤さんは?」


「仕事よ まぁ仕方がないことだけど華がいじけちゃってね」


指差す先の華はじっとうつむいたまま動かない


「しんしん」と言ってタケルが新ちゃんのひざに移動してくれてずいぶん楽になってカメラをカバンから取り出す


せめて式をみれない彼のためにとシャッターを押した


「お?なんだ辛気臭ぇ式やってんな~?」


新ちゃんの頭に片腕を置いて体重をかけてくる銀さんが式の途中だというのに大声を張り上げる


「華!!おめっとさんよーーー!!」


「ちょ・・・銀さん!?なにやってるんですか!」


「なにって祝辞?」


会場中の注目が集まり慌てて、銀さんの抜いた片袖を引っ張る


「華に寂しい思いさせたくないんだろ?」


銀さんの半眼が優しく、そして悪戯っぽく笑いかけてくる


少しずれてるけどやはりこの人も私たちの事を気に掛けてくれているんだとうれしくなる


「だけどさすがに・・・」


そう言いかけていた時いきなり校庭が騒がしくなりパトカーが何台も乗り込んできた


ざわめく式場に見慣れた姿がズカズカと乱入してくる


「式はここですかぃ!? オラどいたどいた!!」


「総悟よせ!いいかげん大人になりやがれ!」


いくつになっても少年のような雰囲気をまとった沖田さんと相変わらず保護者顔で制する土方さんが会場に姿を現す


「おい、お前ら公用車を使ってこんなこと・・・」


彼の声が聞こえ振りむくと体中墨のように黒く汚れている


「局長!ほら娘さんが待ってますよ!保護者代表挨拶どうぞお気の済むまで!」


山崎さんに押されて壇上に押しやられた彼は戸惑いながら校長先生からマイクを受け取った


「あ~~~皆さんご卒業おめでとうございます」


彼の緊張が伝わってきて写真を撮ることも忘れ自分まで手に力が入る


「皆さんはいよいよ今日この学び舎を旅立つ事になりましたが、どうかここで得た事をいつまでも忘れないでもらいたいと思います」


「ゴリラがまともなこと言ってらぁ」


子供が叫ぶと一斉に皆が笑う


「おじちゃん いつものやって~~~!!」


「ゴリラの物まねやって~~~!!」


ゴ・リ・ラ・ゴ・リ・ラ と掛け声の中、彼は「よしっ!」と上着を脱ぎ去って突き出した胸に両手の拳を叩きつけた


「も~~~~あの人ったら!!」


恥ずかしくてうつむくと新ちゃんに「ほら」と指差された


見ればどの子も本当に楽しそうに笑って一緒になって胸を叩いている


「ここを巣立ってもその笑顔をいつまでも忘れないでくれ!! 皆おめでとう!」


彼の言葉が終わると同時に女子たちがいっせいに泣き出した


華はと見れば唇をかみ締めて耐えている


それは恥ずかしさとは違う、旅立ちへの心もとなさと親である彼の愛情をいたいほど感じたからだろう


もう素直に泣けないそんなところばかり私に似て可愛くないんだからとハンカチで目頭を押さえた


肩を叩かれ顔を上げると彼が眉尻を下げてゴメンと頭をかいている


新ちゃんがタケルを抱いて席をはずしてくれ、彼が横に腰掛けてきた


「調子に乗りすぎちまったな」


「いいえ とっても・・・とっても素敵でした」


そこまで言うともうたまらず彼の胸に顔を埋めた


「汚れるぞ」と体を離そうとする彼にしがみつく




子供たちはこれからどんな出会いが待っているのか


別れと出会いを繰り返し成長していくなかで、あの笑顔ができれば曇る事のないよう願いたい




春は新しい出会に満ちている



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お子さまが昨日ご卒業という事で、「お母さん」のsaon姫にこのお話を贈らせて頂きます

ブログにつづられた姫の心情を多々使わせていただきましたが、了解を得てUPしました

おめでとう~~~~ひめ~~~~~~!!

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2009-01-30 08:55:37

銀魂 夢小説 守る未来

テーマ:夢小説 近藤

今回のパパシリーズは近藤×お妙さん

娘は10歳くらい?名前は華(はな)ちゃんです(saonさん命名)
子供ネタでかなり妄想きついですがOKというつわものの方のみお付き合いくださいませ~!
 

『守る未来』


「トシ うちの華を見なかったか?!」


「はぁ?」


日曜の早朝に非常回線でかけてきた近藤さんに何事かと握り締めた携帯を危うく落としそうになった


「華ちゃんの姿がねぇのか?」


まさか誘拐じゃといやな考えが脳裏をよぎる


「それが・・・・どうやら家出らしくてな」


弱りきったように近藤さんが呻いた




「どうやらトシのところにも姿を出してないらしい」


電話を切り、今度は総悟の番号を検索していると呼び鈴が鳴った


妙より先に駆け出して玄関を力任せに開けるとどこかで見たことのある男の子が立っている


袴姿でしっかりとこちらを見据えて立つ姿は品はよさそうだが誰だか分からない


「えっと・・・君は・・・」


なんと言っていいのか分からずに困っていると後ろから妙が声をかけてきた


「あら、伊東くん」


「あ・・・ああ!!伊東先生のところの坊ちゃんか!!」


妙の言葉に手を打った


確かに目の色形といい表情といい伊東先生を髣髴させるには充分だ


たしか華より2~3歳下で同じ小学校に通ってるとは聞いた事がある。神童と呼ばれていたような?


それにしても伊東ジュニアが何の用事かと首をひねる


「お父さん初めまして!!僕、伊東といいます 学校では同じ委員会で華さんにいつもお世話になっています」


「お・・・お父さん?」


行儀よく頭を下げる彼の姿にポカンとしていると塀の向こうに手招きをしている


まさかと凝視すればチラリと袖の裾が見えた


「華!?」


はだしのまま駆け寄ればいつものポニーテールをおろして、下を向いたまま唇をかんだ華が立っている


妙に似た横顔からは悲しい表情しか伺えない


「お前どこに行ってたんだ!!心配しただろうが?」


ひざを突いて華を覗き込もうとしたがなぜだか華と間に伊東ジュニアが入り込んできた


「お父さん華さんも反省はされてます だけど今はまだ事情を話したくないそうなのでもう少し落ち着いてからにしてあげてください」


「・・・・はあ・・・」


「それでは僕は失礼します」


一礼して去っていく背中に華が「伊東くんありがとう」と声をかけていた


ど・・・・どうなってるんだ~~~~?!




朝早くに妙に起こされたが、昨夜松平公と飲んでいたため重い頭のまま起き上がれば一枚の紙を見せられた


「父上なんか大嫌い」


二日酔いも吹き飛ぶほどにベットから立ち上がると天井で頭をイヤというほど打ち付けた


やっと帰ってきた娘は黙ったままで目もあわせてくれない


同じソファに座っていても距離を感じざるえない


重い空気に耐えかねて無意味に笑ってみたところに妙が携帯を持って現れた


「あなた非常時連絡よ!!」


「わかった 華を頼む!」


チラリと華を見たが顔を上げる事はなかった


小さい頃はあれだけ置いていかないでと泣きながら追いかけてきたというのに


「空しい・・・・」


すっかり片付いた現場で深いため息をつけば横でトシがやめてくれと嘆いた


「ふふ・・・あと数年でお前のところのさくらちゃんも同じ事を言い出すんだぞぉぉぉ」


パトカーに寄りかかり隣で紫煙をあげるトシに悲しみの目を向ける


「ありえねぇ!」と本気で怒り出すが、俺だってその頃はそう思ってたよ「うちの華は違うって」


妙が意味深に笑っていたが男親は本当に分かっちゃいねぇとつくづく思う



翌日の昼過ぎようやく家路に着くと雨が降り始めた


「あら、お帰りなさい」


どこかに出かけようとする妙に行き先を聞くと傘を忘れた華を迎えに行くという


日ごろ厳しいわりに変なところで甘い


「だってあの子風邪気味なんですもの」


「じゃあ俺が行って来よう」


疲れていないわけじゃないが、日ごろ会話がない分いいところを見せたい下心もある


久しぶりの小学校前で傘をさして待っていると下校が早い低学年の子たちが集まってきた


「ゴリラだ~!!」


「ゴリラだ~~~~!!ウホッていってみろ~~~」


すっかり取り囲まれどうしたものかと思ったが、子供たちの澄んだ瞳がキラキラと輝き断りづらい


傘を首に挟み込んで両手で胸板を何度も叩いてゴリラらしく奇声を上げて見せた


「ウホォォォォォォ!!!ウホホ!!」


「うわ~~~すごい~~~!!」


抱きついてきたりよじ登ってきたり、隊服がすっかり汚れてすごい事になっている


妙にしかられるなぁと思いつつゴリラの熱演を続けていると目の前に呆然とした華が立っていた


しまったやりすぎたなと頭をかきながら近寄ろうとしたがその隣に伊東ジュニアの姿がある


しかも華と相合傘でぇぇぇぇ!?


「お、おい華・・・いくらなんでも早いぞお前らにはっ」


「こないでおじさん!!!」


「え?お・・おじ・・おじさん~~~!?」


全身で拒絶するように華が叫んだ


その声に金縛りにあったように俺は動けなくなる


「行こう!!伊東くん」


華はこちらを振り向こうともしない


「おじさん もっとゴリラやって~~~」


無邪気な子供たちをかきわけ華の傍に行くとキツイ視線を送られる


「な、なにか用!?おじさん!!」


「ほら華、大きな傘を使いなさい 濡れない様に」


自分用の傘を無理やり手渡した


「いらない!」


「じゃあ捨てても良いから」


そして返事を聞かないまま振り向かず家へと向かって走り出す


すっかり恥をかかせてしまった。華の気持ちを思うとやりきれなかった


華の傘をさしてみるとカラフルな色が散りばめられ可愛いウサギがついている


いつかねだられて俺が買ってやった傘だと思い出した



「あなた・・・・」


びしょぬれの姿を見て妙は優しく笑った


「バカな人ね 男って本当に不器用でどうしようのない人たちばかり」


タオルで拭いた後用意された着物に着替えボンヤリとソファに身を沈めた


そこからは壁にかけられている華が描いた「父上、母上」のイラストがみえる


はちきれんばかりの笑顔に描かれた自分は本物よりずっといい男に描かれている


「トシみたいな父親がよかったんだろうなぁ」


美形とは程遠い自分の容姿をこれほど気にした事はなかったなと思っていると玄関が開く音がする


「帰ってきたみたいよ」とすっかり叱りモードに入った妙が廊下に出て行く姿を目で追った


今は俺は出て行かないほうが良いなとため息をつくと妙に呼ばれた


「どうした?」と廊下に顔を出すとなぜか華の傍には伊東ジュニアの姿がある


遊びに来たのかと思ったがそうではなさそうで、「華ちゃん」とせかしている


つうか年下の癖に華の事を「ちゃん」で呼ぶなと内心歯ぎしりする


「あのね・・・父上」


華のうつむき震える姿が今にも泣きそうな妙の姿と重なってみえドキリとした


「華いいから、なっ もう家に入りなさい 俺が悪いんだからっ」


華を引き上げようとすると妙に制止された


「ちゃんと聞いてあげて この子なりに伝えたい事があるんだから」


「はい!」


背筋を伸ばして返事をすると横でクスリと伊東ジュニアに笑われる・・・なんかこういうとこもろに父親似だな


それにしても華はいったい何が言いたいんだろうか?


広いとは決して言えない玄関で四人が押し黙る


「あの父上ごめんなさい 私やきもち焼いてたの」


「は?」


華の必死な言葉と裏腹に口をだらしなく開けたまま聞き返す


「だって弟が生まれたらパパの一番じゃなくなっちゃうかもって思ってたの!だから構ってほしくて悪い事いっぱいして・・・!」


「華・・・お前・・・」


なおも涙を我慢しながらごめんなさいと謝る華を抱きしめた


来月生まれる弟の事を楽しみだといっていたのは建前で、しっかりしてると思っていた娘の必死の演技だったのかと思うと切なくなる


そうだな、ずっと一人っ子として育ってきたんだ、不安のほうが大きいかもしれないとなぜ気がついてやれなかったのか。


抱きしめた体を高く抱き上げた


「世界一のお姫様 泣くより笑ってくれ じゃなきゃ俺まで泣いちまいそうだ」


ニカリと笑って見せると何度もうなづいて見せてくれる


「それに弟が生まれたからって・・・」


大丈夫だと言おうとした時


「うん伊東くんがきっと大丈夫だって!


「え?伊・・・」


自分でも顔が引きつるのが分かった


「伊東くんの所も妹が生まれた時お父さんちゃんと伊東くんのこと大切にしてくれたって!それに父上みたいに毛深い人は情が深いから心配しなくても良いって!!」


「毛深い・・・・」


華が伊東くんをみてにっこりと笑う


伊東ジュニアも満足げに笑う・・・・その姿はまるで・・・・


いやいやここで「うちの娘と付き合うことまかりならん」などと叫べばまさに「ふりだしに戻る」だと必死に我慢した


「はは・・・毛深いね・・・確かに」


もうムリ!!とばかりに横で震えていた妙が景気よく噴出した




「寝る間際まで父上にごめんなさいって言ってたわよ」


可笑しそうに大きなお腹を抱えて妙がベットに入ってくる


「はぁ 俺は今日だけでひどく年を取った気分だ」


枕に顔をうずめたまま深くため息を吐き出す


思春期の入り口でこんなに疲れ果てて俺のガラスのハートはこれからもつのだろうかと不安になる


その様子を妙は笑って俺の頭を優しく撫でてくれた


「昔出勤前だって言うのに華のシャボン玉に付き合ってるあなたを見て、私はなんて素敵な人と結婚できたんだろうって思ったんですよ」


そういえばそんなこともあったな、華にねだられて横では妙が洗濯物を干していて・・・・幸せだと俺も思ったものだ


「はは・・・たかだか数年前の話なのにひどく遠く感じるな」


あの頃は毎日毎日「パパがしゅき」と舌足らずに愛の台詞を囁いてくれていたものだが


「はぁ 女同士ってダメね どうしてもライバル視しちゃう 華がうらやましいったらありゃしない」


「華を?どうして」


「鈍い人には教えてあげません」


むくれて布団にもぐりこむ妙の背中を横目に最近帰りが遅かったかなと頭をかいた


そっと抱き寄せれば抗う様子もない


「妙と結婚してよく分かった」


「何がですか?」


「愛情に際限なんてもんはねえってことが 妙も華も生まれてくるこの子も俺が守りぬく だから少々鈍いところも片目をつぶったくらいで許してくれないか?」


薄暗い部屋では表情は見えないが甘えた声が返ってくる


「うまい台詞一ついえないくせに そんなまっすぐなところに惚れてるんですから今さらですよ」


「ははっ そうかよかった」


頬にキスを落とし布団にもぐる


明日の朝も早い


きっと俺が出るときも華はまだ眠っているだろうがほっぺにキスをしてやろうと企む



トシの奴にもよく教えといてやろう、そんな事を笑って許してくれるのもあと少しだと


だけどそれまでは・・・・俺だけのお姫様でいてほしい



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反省会~!!(いきなりか)

まず~伊東ジュニアwwこれはね、かぐちゃんの案を了承を得て頂いちゃいました

近藤さんの娘と鴨の息子~?しかもかなりの年下wwでもそれ萌えるかも~っという事でこんな結果ですw

鴨パパの話より4年後くらいかな~?

それにしても近藤さんがパパって異常に違和感がないんですけどおぉぉぉぉぉww

あと今度生まれてくる息子の名前までsaon姫考えてくれたのに出せずじまいが心残りですがいずれまた!!


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