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2011-06-08 10:30:46

銀魂夢小説 護る想い +近況

テーマ:夢小説 土方

*女の子は真選組隊士の設定です。




くすぶる白煙が立ち上るなか、焼け落ちた屋敷を眺める副長の後に続く。


昨夜、急遽はいった攘夷浪士という名のテロリストたちが企てる、ターミナル爆破の情報。


集まった浪士たちを一網打尽にと、密会の場所となった屋敷へ一番隊が押し入ったのが深夜過ぎ。


激しいせめぎあいが繰り広げられ、もはやこれまでと浪士が屋敷へ火を放った。


敵味方と共に多くの負傷者を出し、おそらく無駄にしか思えない手当てを施しているうちに、気がつけば夜が明けようとしていた。


「副長……負傷者の搬送が終わりました」


「そうか」


煙草の細い煙をあげる副長の表情は、背後からうかがい知れない。


だけど見なくたって、意志の強さを感じさせる薄い唇が引き結ばれていることは、容易に想像できる。


きっと怪我人を多数出したことへ、責任を感じているんだろう。


「ご苦労だったな。総悟に一番隊を引き上げるよう伝えろ」


「あ……その、沖田隊長は……」


言葉を濁すと、鋭い舌打ちが落とされた。


めんどくさがりの沖田隊長が、すでに現場からバックレたことへ、副長は気がついたはずだ。


「ならお前が、一番隊を引き上げさせろ」


「はい」


そう返事をしても、足が動かない。


戸惑い立つ私へ、副長がゆっくり振り返った。


「どうした」


薄闇の中でもまぎれることのない、鋭利な刃物を髣髴させる、切れ込んだ瞳を肩越しにむけられる。


人斬りの目だと江戸の人たちが噂する、副長の眼差し。


たしかに日ごろは相手を射すくめるには充分な眼光だけど、いまはただ物憂げに見えるだけだった。


「……あの、副長」


聞いていいですかと、問う前に副長は「ん?」と、先をうながし、咥えていた煙草を携帯の灰皿で押しつぶす。


まっすぐに副長を見つめることができなくて視線を落とすと、腰の刀の柄には血痕がどす黒く変色し着色していた。


柄だけではなく、隊服のいたるところに返り血が滲みんでいる。


小さくため息をこぼし……


「私達は……誰と戦っているんでしょうか」


入隊して以来、心に巣くっていた疑問をつぶやいてハッと我に変えった。


「も、申し訳ありませんっ!」


両手で口元を覆い数歩後ずさると、足元の小石がジャリジャリ跳ねる。


なんてことを言ったんだろうと、悔やんでも悔やみきれない。


上司に。しかも真選組という警視庁長官直属の隊をあずかる副長に、愚痴では済まされない言葉を吐いてしまったと青ざめる。


女だてらに入隊した私の心意気を買ってくれた副長は、剣の相手をしてくれたりと、なにかと力になってくれた。


そのことを面白く思わない古参の隊員に嫌な思いをさせられたりしたけど、そんなことより副長に期待してもらえるよう、必死にここまできた。


そして次第に副長以外の顔を……近藤局長や沖田隊長へむけるような、普段の土方さんの素顔を、見せてくれるようにさえなっていた。


そんな副長へ、いつのまにか甘えが出てしまっていたようだ。


たとえ天人の言いなりの政府とはいえ、たとえ攘夷浪士が自分と同じ人間だとはいえ……隊士は斬ることに疑問を持ってはいけないのに。


謹慎命令、もしくは除隊さえ覚悟する私へ向かって、副長は新しい煙草へ火をともした。


「誰と戦ってるかって? そんなもん自分以外の誰がいるって言うんだ」


「え?」


思わぬ返答へ目をしばたかせる。


「自分の大切なもん護るために、弱ぇ自分と戦ってんだろうがよ」


副長と犬猿の仲といわれている銀髪頭の人が、死んだ魚と例えていた瞳が、紫煙の向こうで細められた。


「お前にもあるんだろ。護りてぇもんが」


「私の護りたいもの……」


最初、真選組に入隊したのは、江戸の治安を向上させたい思いだった。


物騒な町では女子供の弱者がいつも泣かされる。


だけど次第に護りたいものの輪郭が、変化していったことは否めない。


息を止めて、向かい合う副長を見つめた。


私が護りたいのは……この人。


副長がいれば、江戸を護ることができる。女子供でも安心して暮らせる街をつくれる。


そんな正当したい道理とは別に、抱く淡い思いへ体が熱くなる。


「あります……」


副長が近藤局長を護る剣になるなら、私は副長の盾になりたい。


江戸を護るなんて大それたことより、よほど自分の役割が分かった気がした。


「そのためになら……いくらでも戦える、護りたいものが……私にも」


「なら、くだらねぇこと吐いてねぇで、さっさと屯所へ帰りやがれ」


「は、はい。すみません!」


大きく頭を下げると、伸びてきた手に髪をなでられる。


「副長?」


お前は俺が護る――。


それは一瞬の……幻聴?


副長の表情は、のぼりはじめた朝日が逆光となってうかがいしれない。


ただ煙草の辛い香りが、鼻腔をくすぐるだけだった。




「惚れた女護るためなら、何度だろうが戦ってやるさ」


煙草の煙と共に流れ消えた言葉。





終わり

☆*゚:・.*.:。.o。.○:☆*゚・゚*☆・:゚。*::....・。゚o:○☆*゚



お久しぶりぶりでございます。
少々近況。
元気です♪
お仕事も楽しくさせてもらってます。
今週ちょっと一息ついたので、浮上してみました≧(´▽`)≦
一ヶ月以上ぶりに夢を書いたのですが、やっぱりたのし~い!
銀魂サイコー!
アニ銀もドキドキしてみてます。
コミックで読んでるのに、ハラハラ感たっぷりに正座で視聴w
このお話は本当秀逸だなって思います。
いろんな思いが複雑に交じり合ってて、正解がなくて、一筋縄じゃない感じがたまりません。
個人的には若い頃のお登勢さんたち三人の恋愛が、かなり気になるのですがw
だってだってEDの次郎長の艶感といったら(´0ノ`*)キュン
その幼馴染の次郎長より、亡くなった旦那さんを選んだんだから、そりゃひと波乱ふた波乱あったんだろうなと。
これからも目が離せな~い!

というわけで、近況になっていない近況でした。
コメント返しは申し訳ないのですが、多分できないと思います( ̄Д ̄;;
それでもOKって方のみおねがいいたします~!


ではでは、またしばらくサヨ~ナラ~☆

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2011-04-12 11:09:24

銀魂夢小説 仇(あだ)

テーマ:夢小説 土方

少し前に書いたお話なので、季節がずれてます。


   ***




「十四郎、十四郎ってば」


「んぁ? ああ悪ぃ」


うつろな視線を瞼で閉ざし、肩をすくめる彼へ苦笑した。


「そんなに呆けてて、真選組副長が務まるの?」


家へもう一ヶ月帰ってこない彼へ、チクリいやみを落とす。


「ようやく連絡があったと思えば、屯所へ着替えをもってこいだなんてさ」


副長室としてあてがわれた居室の縁側で腰を下ろした十四郎の横へ、荷物を抱えたまま私も腰をすばやく下ろした。


少し痩せたと、彼の横顔を眺め思う。


十四郎が副長の激務を担っていると分っていても、これくらいの嫌味は許してほしい。


だってそれほどに彼が大好きなのだから。


だけど十四郎は読めない表情で私の前髪をクシャリ撫でただけで、それ以上の動きを見せない。


久々に会えて、屯所ということを考慮してキスまではしてもらえないだろうけど、せめて抱きしめてくれるんじゃ……


なんて期待していた乙女心が砕かれる。


「あ~あ」


いつまでも一方的な片想いのようで、なんだか心が苦しいと、ちいさくため息をこぼす私を、日差しがあたたかく照らした。


さすが幹部室は日当たりがよく、整えられた中庭の景色が堪能できる。


その一箇所へ私の視線は引き寄せられた。


「わぁ……みごとな椿ね」


池横に植わった一本の椿に目を留めたのは、朱をちらせる花弁の鮮やかさに惹かれたからだ。


思わず感嘆の声を上げれば、一瞬、十四郎の表情が強張った。


「……そうだな」


上着の内ポケットから煙草の箱を取り出し、なれた手つきで咥える十四郎の様子に首をかしげる。


「どうかしたの?」


「ん?」


「あの椿がどうかしたの?」


なにが、と無言で眉を寄せる彼の無意識に凄んだ目つきは、ハンパなく怖かった。


さすが鬼の副長の名は伊達じゃない。


それでも負けじと椿を指差した。


「だって……さっき十四郎ってば、あの椿を見て呆けてたんでしょ」


「んなんじゃねぇよ」


口を突き出しすねる態度が私の言葉を固定しているのだけれど、それでも十四郎は認めないだろう。


聡く自分の非を認める度量を持ち合わせていても、時々彼はひどく子供じみたりする。


そんな十四郎も可愛いんだけどと、紫煙をあげる彼を目の端で眺めた。


「でもいいの? 椿って首から花を落とすから、縁起が悪いって言われてるのに屯所へ植えて」


「ああ、うちの大将がな。植木屋が間違って植えちまったもんを、縁起のよしあしなんて関係ねぇ、綺麗なもんはみんなで愛でればいいってそのままにしてるんだ」


「ふふ、近藤局長らしいね。度量があって懐が深いっていうか……」


どんなものでも受け入れてしまう彼が、独身なのがいまだに謎だけれど。


「じゃあ、私行くから。たまには家にも帰ってきてよ?」


「ああ。来週……いや、再来週には帰るつもりだ」


「本当、真選組は素敵な幹部に恵まれていてよろしいですこと」


たっぷりの嫌味で返しつつ、ひざに手をあて立ち上がる。


山崎さんたちへ土産の饅頭を私に行こうとしたとき、不意に声をかけられた。


「その度量がたまに仇になる」


「え?」


彼の視線は前へ固定され、私へ向けられることはない。


だけど私へ発せられた言葉に違いなかったから、緊張に呼吸を止め、十四郎の背を見つめる。


すると長さのある煙草を灰皿へ押しつぶし、十四郎は背を向けたままつぶやいた。


「以前。あの紅の花弁を髪へ絡ませて、さも自分は賢いんだと思い込み歩く狐がいたな」


それは低く抑えられ、背筋が冷えるには充分な声だ。


狐。といっても本物の狐のことじゃないんだろう。


「それで……その狐はどうしたの?」


「死んだ」


「そう……」


「あの椿は戒めだ。近藤さんへふりかかる災いは俺が斬り捨ててやるってな」


十四郎の周辺に、死は特別なことではなく、ありふれて横たわっている。


いや、ありふれていると思いこもうと彼はしていた。


だからいま十四郎が誰かを思い、悲しみを感じているなんて本人は認めない。


本当に子供より意地っ張りだ。


「どうした」


再び横へ腰を下ろした私を、不思議そうに十四郎は眺める。


「押し倒されてぇのか?」


「ひゃぁぁ!」


言葉より先に、肩をつかまれその場へ二人倒れこんだ。


打った頭部が少し痛かったけど、かまわず切れ長の鋭い瞳をまっすぐに見つめる。


「十四郎……キスしてほしいな」


「甘えんな」


「ケチ」


額を小突かれると、涙と笑みがこぼれてしまった。


「なに……泣いてやがんだ」


答えない私へ、十四郎の唇が重ねられる。


先ほどまで咥えていた煙草の味が苦かったけれど、十四郎を充分感じることができた。


「キスしてもらえねぇだけで、泣くか? 普通」


私の乱れた髪を、頬から払ってくれる十四郎が甘い声でささやいた。


涙の意味を分ってるクセにと、鼻をすすりつつ十四郎を見つめる。


「もう少し……私も椿を見てていいかな」


「……フン」


伏せられた視線が同意を示す。


すばやく起き上がった彼の肩へもたれると、十四郎は新たな煙草を咥え、煙が私へかからないよう横を向いて吐き出した。


彼の精悍な顔に、ふっくらとした笑顔が浮かんですぐに消える。


うれしいくせに隠したがる十四郎へ頬が緩んだ。


十四郎、誰かを想ってひとりで泣かないで。


悔やんでひとり苦しまないで。


そのために私はそばにいる。なんて伝えても、彼はうなずくことはしないだろう。


だから私も喉の奥へ言葉を押し込むしかない。


それでもどちらからともなく握り締めた手。


大きく硬い手のひらが、彼の苦労を静かに語っていた。


狐と呼ばれた人も、似たような手をしていたんだろうか。


紅い花がますます涙でにじむ。


どうか……十四郎の刀で流れた血が、仇になりませんように。


どうか……十四郎をうらまないで。




人を殺し生きる重みを知り尽くしている、彼の手へ私のこぼした涙がぽとり落ちた。







終わり。


  ****



狐と書いていますが、鴨じゃないですから!←く、くるしい……。

ラブ少なくってすんません( ̄Д ̄;;


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2011-03-22 21:20:54

銀魂夢ドラマCD風(土方3Z)

テーマ:夢小説 土方

気晴らしにしてもらえるとうれしいです。


今日は3Zの土方。


  ***


(薄闇のバス停)





「あ? なんだこんな時間にベンチ座って」


「バス待ってるって……見りゃ分る。そうじゃねぇ、どうしてこんな真っ暗な中で」


「ああ、委員会か」


「俺? 俺は剣道」


「まぁな。顧問の銀八はやる気ねぇし、近藤さんは細かい作業が苦手だしな」


「総悟のヤローは三年になるっつうのに、サボリ癖は相変わらずで、自然俺が引き受ける形になっちまって」


「気苦労が多そうだ? ほっとけ」


「よいしょっと」


「あ? なんで電車通の俺が隣に座るかって……そりゃこんな時間、おまえひとりにしとけねぇだろ」


「かまわねぇって。まだ最終まで時間あるし」


「ふー。春だって言うのに、夜は結構冷えるな。おまえ大丈夫か?」


「あー俺はちょっと……手が寒ぃな」


「カイロくれる? 用意がいいじゃねぇか」


「……ち」


「別になんでもねぇよ。ああ、カイロ悪いな、やっぱあったけぇ」


「……そうやっていつも回りに気を配ってるよな、おまえって」


「委員だって、他のヤツがごねたのをおまえが引き受けてたし」


「俺達が似てる?」


「俺はおまえほど、お人よしじゃねぇよ」


「いや……総悟にいいように使われてるあたり、そうとも言い切れねぇか」


「……お互いそんな性分だな」


「ああ。でも好きでやってるってのは、いなめねぇな」


「みんなが喜ぶ姿見たら、うれしいしな」


「って、これ総悟に言うなよ。また図に乗るのはまちがいねぇ」


「ち。なに、笑ってんだよ」


「……バスこねぇな」


「ああ、電車は大丈夫だって」


「それにしてもいつもこんなに遅いのか? あぶねぇな女がひとりこの時間なんざ」


「……」


「……なら」


「……明日から俺が、自転車でおまえを家まで送ってやる」


「別に。自転車でも通える距離だから、気にすんなって」


「悪いからいいって……遠慮すんな。いや、だから、俺がいいつってんだろ」


「強情なヤツだな!」


「俺のほうが強情?」


「どっちが」


「ふ。……っとに俺達似てるかもな。甘えベタっつうか」


「とにかく、自転車で送る。分ったか」


「なんでって……おまえに惚れてるからって言えば満足か?」


「――おい、なに泣いて……」


「冗談で言って良いことと悪いことがあるって……てめぇ、俺が冗談言うタイプに見えるかよ!」


「……」


「……」


「……バスきたみたいだな」


「乗れよ。じゃあな」


「……なんで乗らねぇんだ?」


「おい、行っちまうぞ?」


「次の便に乗るって……この時間じゃ30分は待つだろ」


「俺のそばを離れたくない? ……ばっばか! そんなこと軽はずみで言うな!」


「いや、軽はずみとか思ってるわけじゃっ。ただその驚いたっつうか――」


「な、泣くんじゃねぇ!」


「怒鳴るなって……地声だろうが!」


「ああ……悪かった」


「クソ! 女相手は苦手だ。うまく言葉が出てこねぇし」


「まだ泣きやまねぇのかよ」


「う、うれしいから泣いてるって……本当、女って意味わかんねぇな」


「……」


チュ!


「……んだよ」


「なに目ぇ見開いてやがんだよ。頬にキスしたくらいで」


「イヤだったか?」


「なら……別にいいだろ」


「ずっとおまえのこと……好きだったんだしよ」


「ちっ」


「と、とにかく、明日からは自転車で送るぞ、わかったか!」






終わり


   ****


3Z土方くんは……青い(≧▽≦)


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