銀魂夢小説 手放す覚悟 | もっちの銀恋∴銀魂夢小説
2014-04-12 16:43:15

銀魂夢小説 手放す覚悟

テーマ:夢小説 沖田
※3Z設定です。





教え子の総悟と恋人の関係になってから数か月。

無事に高校を卒業した総悟はワンルームの私の部屋に転がり込んでいた。

大学やバイト先が近いと言って、今ではこの部屋の主のような顔をしている。

「今夜は餃子にしてくださせえ。にらとニンニクしっかり入れて、ラー油を忘れたら承知しやせんぜ?」

「あのね…いまテストの採点で忙しいんだけど」

後ろから私を抱きしめる総悟を、肩越しに睨む。

「せっかくの日曜に、仕事してるアンタが悪いんでさぁ」

大学生になった総悟は相変わらずの性格だった。

いや、さらに拍車がかかったドSっぷりに振り回されている。

「そんな俺が好きなんだろぃ」

「う……」

蔑むような眼差しで私を見つめる総悟に、何も言えなくなる。

悔しさや腹ただしさをわずかに感じながらも、それより鼓動が高鳴ってしまう私はすっかり調教されてしまっているのかもしれない。

いや、たぶん調教されてる。

「それじゃ、そろそろ俺はバイトに行ってきまさぁ」

不意に立ち上がった総悟は、ジャケットに袖を通す。

「そのジャケット、いいね。総悟によく似合ってる」

シンプルな形で落ち着いた色のジャケットは総悟のお気に入りのようで、私と出かける時もよく着ていた。

なんでも着こなせる総悟だけど、大人びたその姿に思わず見入ってしまう。

「ジャケットより餃子。夜までには戻るんで、しっかり用意しときなせぇ」

「はーい」

高校の時より少し短くなった髪を軽く整えて、総悟は部屋を出ていった。

数秒後、その後ろ姿に見とれていることに気付いて、顔が熱くなる。

5歳下のしかも自分の教え子。

年齢よりもずっと落ち着いた眼差しをした総悟だったけれど、付き合ってやってもいいと言われたときは耳を疑った。

すぐにそんなつもりはないと断ったのに、だんだんと罠にはめられるごとく総悟に惹かれていった。

そして気づいた時には後戻りできないほど好きになって……。

「っと、テストの採点の途中だった」

散々思い悩んだ頃の記憶に蓋をして、私はテスト用紙に向かい合う。

それでもあの頃とは違う悩みが頭の中を占領してしまい、私は赤ペンをテーブルに置いた。

総悟はこれから大学、社会人と新しい世界へと進んでいく。

大勢の人と新しい出会いを繰り返す総悟と、いつまで付き合るかわからない。

いつまでも私を想ってくれるなんて、そこまで図々しく考えるには年齢を重ねすぎた。

けれど、今だけでもそばにいたいと私は小さく息を吐きだすしかなかった。


***


バイトが長引きそうなんで遅くなる。

そんなショートメールが総悟から届いたのは餃子の中身をすべて包み終えた頃だった。

「えー」

ケータイの画面に映し出された文面に、がっくりと肩を落とす。

あんな細い身体なのに総悟はよく食べる。

細いというのは語弊かも知れない。

無駄な肉がなく引き締まってる身体をしているのに、とにかくよく食べていたから、私はかなりの量の餃子を用意してへとへとになっていた。

「とりあえず、冷凍しておこう」

一緒にホットプレートで焼きながら、肉汁たっぷりの餃子を頬張る総悟を見たかったと思いつつ、仕方くタッパーを取り出した。


***


その夜、総悟はなかなか帰ってこなかった。

起きて待っていようかと思ったけれど、明日は月曜で私も仕事がある。

教師の仕事はハードで激務。寝不足だからと言って同僚の坂田先生のように保健室で惰眠をむさぼれるほど自由人になる勇気もない。

総悟はいつの間にかスペアキーも作っていたし、あきらめて目覚まし時計をセットした。

けれど……。

「眠れない……」

寝返りを何度も繰り返し、気がつくと布団に入って一時間は立っていた。

部屋を掃除してクリーニングを取りに行き、一週間分の食材を買ってきたりしているので、それなりに身体は疲れている。

それなのに眠気が訪れない。

その理由は悔しいけれどわかっていて、私は隣りのスペースに手を伸ばす。

シーツは洗い立てで総悟がいつもいる場所もパリッとしている。

だけどそこに総悟の体温はない。

「総悟がいないから眠れないなんて……」

いつも私を包むように抱きしめて総悟は眠る。

触れ合う肌から総悟の鼓動を聴きながら眠るのが当然のようになっていた。

私は暗くした部屋の中で目を凝らし、自分の両手を見つめる。

「いつか手放さなきゃいけないのに……」

総悟に別れたいと言われたときは、みっともなく取り乱さしたりしないようにと決めていた。

それでもこんなふうに一人にされると、そんな決心は簡単に崩れてしまう。

総悟を離したくない。

いつまでもそばにいて欲しい。

私以外の人を好きにならないで。

自分は大人なのだから、願ってはいけない……そう思っても気持ちがついていかない。

「総悟……どこにも行かないで……」

鼻声になった自分の声に驚いて、慌てて鼻をすすった。

「俺がいないとダメなアンタを捨てるほど、俺がドSだと?」

「え……」

不意に落ちてきた声に目を開ける。

するとそこには総悟があきれた表情で立っていた。

「総悟!?」

「勝手にひとりで寝ようだなんて、いい度胸してまさぁ」

「え、なんで、全然音しなかった……」

「気配を感じさせずに部屋に入るくらい、誰だってできまさぁ」

いや、できないよね。と心の中で呟いて、シーツでこっそりにじんだ涙をぬぐう。

「もう。せっかく餃子を作ったのに、遅いよ」

「どうりでニンニク臭い女が寝てると思いやした」

わざと拗ねた口調でいうと、総悟は口の端をつり上げて笑った。

「誰のせいだと……」

「俺は餃子が食いたいとは言いやしたが、それを自分の意志で実行したのはアンタじゃないんですかい?」

「仰る通りです」

絶対口では勝てないとわかっているから、早々に白旗を上げて肩をすくめる。

「バイトお疲れ様、シャワー浴びて来たら?」

「いや、マジで疲れたんで今日は寝る」

総悟はジャケットを脱ぐと私の隣りに横たわった。

さらりと流れた柔らかな髪の毛が私の頬をくすぐる。

ああ、総悟のぬくもりだと思ったら、急に安心感が胸の中にひろがった。

「餃子絶対明日食べるんで、アンタ早く帰って来なせえ」

「そう言われても私も仕事が……」

「アンタはすぐにそうやって社会人面して、距離を感じさせる」

「え……」

「大人っぽい服装を選んで背伸びしてる俺の気持ちを少しは考えてくださせぇ」

いつもだったら絶対口にしないような言葉を呟いて、総悟は私の髪を撫でた。

その眼差しはまっすぐで、目を逸らせない。

「背伸び……してるの?」

「さあねぇ」

すぐにいつもの口調に戻ったけれど、今だ私の鼓動は早鐘を打っていた。

総悟も……私との年齢を気にしていたりするんだろうか。

日頃はそんなことを微塵も感じさせない総悟の顔をまじまじと見つめると、

「うざいでんさぁ」

指先でピンと鼻を弾かれた。


「い、痛いよ」

「人の顔に穴を開けようとした罰ってやつだろ」

「ふふ……」

よく意味がわからなかったけれど、つい笑い声がこぼれた。

鉄壁な防御で他人には自分の気持ちを悟らせない総悟だから、たまに本心を垣間見せてくれるのは、少しは特別に感じてくれているのかもしれない。

いつか離れていくかもしれないと、握る総悟の手を離す準備はしているつもりだった。

でもそれは逃げなのかもしれないと、私は気付き始めている。

「総悟を手放さない覚悟を持ちたい」

そうつぶやくと、総悟がにやりと笑う。

「アンタ、遅いんでさぁ。罰として明日の餃子にはたっぷりラー油を入れてやるんで覚悟しなせぃ」

「ふふ、辛いのは嫌だな」

「子供かよ」

他愛もない会話にまぶたが重くなってくる。

あれほど頑張っても眠れなかったのに、総悟が側にいるだけでと、自分の単純さに自嘲する。

それでも総悟の腕のなかは幸せすぎて、私はゆっくりと眠りに落ちていった。

***

規則正しい寝息をたてる彼女の寝顔を総悟はじっと見つめる。

「アンタの手を離すつもりはありやせんぜぃ? たとえ手錠でつないででも」

幸せそうに小さく笑みを浮かべた総悟は、そっと彼女の唇に口づけを落とした。


おわり


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皆さんお元気でしょうか。
ここを覗いてくださってありとうございます。
急に夢が書きたくなって帰ってきました。

今回は「教え子と禁☆断のその後」がテーマだったんですが、なんかすべて餃子のニンニク臭にやられた気がします。
でもいいの、書いてて楽しかったからw
いや~~~、やっぱ夢は楽しいです。

それではまた~!

































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