こんばんは。愛知の資格障がいピアニスト小島怜です。いつも読んでいただきありがとうございます。

 先週の土曜日、僕が通っていた母校の筑波大学附属視覚特別支援学校専攻科音楽科がこの年度をもって閉科するということで行ってきました。久々の先生方・久々の仲間。いろいろな意味で懐かしかったです。

 僕が専攻科音楽科に入った当初、まだ楽譜も読めずピアノ科でありながら副科以上に弾けない生徒でした。ほんとまだ基本も出来上がっていない未完成な生徒でした。そんななか、音楽の基本も何も知らない僕を先生方から熱心にご指導していただき、名古屋芸術大学へと導いていただきました。正直入学当時には音楽家になるつもりもピアニストになるつもりもありませんでした。専攻科音楽科の進学が僕にとって最も大きなターニングポイントになったことは間違いありません。とても寂しい気持ちです。でも同時に、ここまでの礎を作ってくれた専攻科音楽科にありがとうの気持ちでいっぱいです。

 今回、何年振りかにとある後輩と再開しました。その後輩には実は在籍時代、とても申し訳ないことをしてしまったという思いがあります。

 彼は僕が専攻科音楽科に入学した翌年、高等部音楽科に入学してきました。私もその後輩も寄宿舎で生活をしていたのですが、平日の夕食後、僕たち音楽科生は約3時間弱、先生の送迎のもと学校での練習時間が与えられていました。一時期後輩が来ないということで、僕は当時の生徒の責任者として後輩に注意した覚えがあります。というのも言葉には出さなくとも、夜の練習こそ上達の近道となんとなく生徒も先生方もそのような雰囲気がありました。しかし、彼はちゃんと来れないなりに時間を作って練習していました。僕はそれを知りながら、事情を分かってあげられませんでした。彼は高2になり、コンクールで入選・さらに高3では全国の舞台にまで進んでいます。それも晴眼者と同じ舞台でです。専攻科音楽科を卒業後もめきめきと成長を重ね、今では演奏会に引っ張りだこです。

 僕も音大に進み、いろいろなご縁で演奏活動を続けられていますが、それはやはり後輩の成長が刺激になったことは確かです。と同時に、来なかったときに事情も聴かずに注意してしまったこと・分かってあげられなかったことを今になって本当に申し訳なく思っています。

 ここのところ、演奏においては思うように仕上がらず、もやもやした気持ちでした。今回のことで先生方や先輩・後輩との再開で気持ちがすごく刺激となり吹っ切れた気持ちになりました。5月26日のリサイタルに向けて、また気持ちを新たに頑張ろうと強く決めたのでした。また、リサイタルの詳細についてはどこかの時にお知らせしたいと思います。

本日も読んでいただきありがとうございました。