こんにちは。愛知の視覚障がいピアニスト小島怜です。いつも読んでいただき、ありがとうございます。

 無事今年のフェリーチェ主催の夏のコンサート終了しました。ショパンのバラード1番。本当にいろいろありました。なかなか、表現力に苦悩の連続で、昨年・1昨年とは別の苦しみを味わって本番に望みました。

 演奏前は、珍しく手足が震え、とてつもない緊張(緊張はいつものことですが、手足が震えるぐらいの緊張は久々)でした。こういう時は絶対演奏が崩壊することがいつもの僕。お辞儀をし、ピアノの椅子に座ってからしばらく落ち着いてから演奏に望みました。

 曲が始まっても、手足の震えは収まらず、「いかんいかん。もっと冷静になって歌わせよう。」と言い聞かせ、何とか緊張の中でも持ちこたえて最後まで弾き切りました。いろいろと反省点はありますが、一番苦労した音の跳躍が意外に上手く決まったことは良かったなと思います。といいうより、昨年も一昨年もそうですが、僕のような視覚障がいのピアニストにとって、一番難しいことが音の大きな跳躍です。レッスンでもいつも外してばかりで再三注意されました。バラード1番は特に左手に素早く跳躍しなければいけないところも多いので、苦労しました。

 演奏後、来ていただいたお客様だけでなく、出演者からも「良かった。」と言ってもらえたことで苦労は実ったのかな?と感じました。実際弾いてみてショパンのバラード1番は、有名であるけど視覚障がいピアニストにとってはかなりの難易度の高さだと思います。昨年のアンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズの方が、技術的には難度が高いのですが、音の表現力やニュアンスはつかみにくい曲だなと僕は思います。別のむずかしさがあったということです。

 しかしながら、やっとバラード1番が好きになれたなと思います。佐藤先生に「どんなに嫌いになっても、絶対に曲はやっただけ答えてくれる。」となかなか仕上がらない7月中旬ぐらいのレッスンで言われましたが、ようやくその意味が分かりました。多分、練習で追い込めば、また嫌いになることも多いでしょう。しかし、本番で好きになれれば良しと考えてやれば一番理想的なのかもと思います。これからも、たとえやっている曲が嫌いになっても最後の本番で上手くいくための練習をしていきたいと思います。
 本日も読んでいただきありがとうございました。