R×Lの靴下が出来るまで⑩
早いもので、R×Lの靴下が出来るまでも今回で10回目。
今回からは、R×Lの超立体5本指靴下について話を進めていきたいと思います。
2000年にR×L(当時はBigtoeというブランド名でした)のブランドを立ち上げ最初に販売を始めた売場は、コンフォートシューズと言われる革靴の売り場でした。
R×Lの靴下は足の形状に合わせて作っているため、当時これを理解してもらえる売場は靴下売り場でもなく、スポーツ売り場でもなく、コンフォートシューズ売り場でした。
それもシューフィッターと言われる靴のフィッティングを見極めてくれる特別な技術や知識を持つ方に、シューズに合わせて靴下を販売して頂くという方法しかありませんでした。(これは今でも続く大事な売場になりました)
そんな中、お取引先様の靴店を周っていると5本指の靴下が最近良いらしいからR×Lさんでも「作ったら良いじゃない」。と言われる事が時々出てきたのを思い出します。
五本指靴下を作るのは簡単な事でしたが、部長は一般的に市販されている5本指靴下に不満だらけでした。
履きにくい、指先がきつい、ズレる。
でも月日が経つと、5本指靴下の要望はどんどん大きくなってくるのを感じ
どうしたもんかと、自分でも5本指靴下を買ってみて試行錯誤が始まりました。
部長が従来の5本指靴下で中でも気に入らなかったのは指先でした。
まずは、こいつを何とかしたい。
人の指は立体的に膨らんでいるのに従来の靴下の指は、下の方の写真のようにペラッペラです。
これが履き心地が良いはずがありません。しかも従来の5本指靴下は指一本一本手で履かせる必要がありました。昔から5本指靴下を履いている人なら良くご存知だと思います。
履いて履いて、見て見て、3ヶ月くらいが経った頃、5本指の靴下を見てて「はっ!」と気付いた事がありました。
みなさんもこの写真を見て気付く事がありませんか?
実は答えはこの写真の中にあったのです。
その答えはここ!
はい、5本指靴下の踵の部分です。踵が無い5本指靴下を作業用靴下としてまとめて束にして売っている事を見かける事もありますが、普段履く5本指靴下のほとんどは踵があるタイプです。
なぜ作業用の束になった5本指靴下に踵なしが多いのかというと、踵の部分は膨らまして立体になっているんです。この事が生産性を下げて編みの時間が余計に掛かってしまいます。
意外に知られていませんが、踵を立体にすると生産コストが上がって束で売れる値段にならないのです。
で、この踵が答えになった理由は、踵が立体になっているなら、指も立体にできるのでは???という、とても簡単な発想からでした。
どういう意味かというと・・
下の写真を見てください。
足指の裏側は、青丸を入れてある部分が犬や猫で例えると「肉球」的なにプクプクっと立体的な形状になってますよね。
甲側の指は
足裏側ほど凸凹してないですよね
※汚い部長の足で失礼しました。
という事で、この踵の作りを指先の下側に調整をしながら入れてみました
よく見ないと分かりにくいですかね?
これではどうですか?
プクプクっとした指の下側の形状にあわせ、指の下側がきれいに膨らんで出来ているのがわかるでしょうか。
並べてみると、さらに分かりやすく。
これらR×Lの特許には様々な工夫があります。そして毎回書きますが、形状をただこの形にしてもR×Lメリノ履き心地にはなりせん。素材、目的などによって作りは変化します。この最後の味付けで靴下の味が決まります。
では、この形状が何に良いのか?
さらに詳しくは、続きをお待ちくださいね。
つづく・・・
アールエル部長