ナムジュンがナムジュンであるために

ソクジンがソクジンであるために

ユンギがユンギであるために

ホソクがホソクであるために

ジミンがジミンであるために

テヒョンがテヒョンであるために

ジョングクがジョングクであるために

 

 

バンタンがバンタンであるために。

 

 

ってことに尽きると思う。

 

たくさんの言葉を聞いてみたし、もちろん理由はひとつじゃなくて、それぞれ思うところはあるだろうけれど、結局はここなんだなぁ、って、私は思う。


 

バンタンがどうありたいか。


 

ナムジュンの言葉で1番心に響いたのは

 

「僕らがこうやって幸せに話せること」

 

それが僕の望む全てだと言ったこと。

 

 

7人は今までずっと苦しいことを共にしてきた。

バンタンは苦しいことが当たり前だった。

それは夢があって目標があったから。
 

手に入れたからこそ言えることだと思うけれど、今彼らにとってのバンタンは有名になるためのものではなく、名声を受けるためのものではなく、夢でもなく、現実であり、生きることそのものになったのだろうと思う。

 

きっと全員が同じ気持ちなわけじゃない。

 

でも彼らにとっての「防弾少年団」の意味がこの数年で変わったのだと思う。


普通は夢が叶った時、または夢を諦めた時、解散するのだと思う。

 

そしてバンタンとしての夢は叶ったんじゃないでしょうか。

それはたぶん、もうとっくに。

 

それでも解散しないのは、彼らにとってバンタンが荒波を越えて「夢に向かう船」ではなく「帰る家」になったからだと思う。

 

だから、一緒にいるのに苦しくなってはいけない。

 

助け合ってここまで来たことは確かだけれど、それはチームとして、であって個人的に苦しいことは我慢してきたと思う。

 

それぞれが持つ苦しみや辛さをお互いがわかっていても、それは全員同じことで、だからそこに触れず、全員が見て見ぬふりをしていたのではないでしょうか。

知ってしまえば背負うことになるから。

だからお互い個人的な気持ちを押し殺して、チームとしてどうあるべきか、を優先してここまできた。

 

だってそれが当たり前だから。

それがプロ意識だと思うから。

そうじゃないと、夢は叶えられないから。

 


今までも彼らはお互いを家族のようなもの、と繰り返し言ってきたが、実際はそうじゃない。

どちらかといえば共に戦う同志であり、でも、これからは本当に穏やかに笑って過ごす家族になるのだなぁと思った。

 

そのためには一人一人が幸せでいなければいけない。

自分自身と向き合って、チームではなく自分を1番に幸せにしてあげられないと、他の人のことなど幸せにできるわけがない。

 

自分のことを素直に話せる人は幸せな人なんだと私は思う。

究極に追い詰められている人は誰かに話すことなんて出来ない。

そしてまた聞く方も幸せでいないと、他人の話など聞くことが出来ない。

 

この10年以上、自分だけの幸せについて考える時間すらなかったはずで。

バンタンとしての幸せだけを考えていたはずで。

 

だから、一旦離れて、それぞれが幸せになって、またここに戻って来よう、ってことなのだと、私は思う。

 

 

会食の中で彼らは「ON」で区切りをつけるつもりだった、と言っていた。

 

もしあの時、計画通りことが進んでいたとしたら、彼らは解散を選んでいたかもしれない。

 

思わぬパンデミックでカタがつけられず、何か出来る事を、と思って作った曲が大ヒットしてしまった。

 

それが良かったのか悪かったのかの判断は私には到底出来ない。

そのおかげで見たこともない景色を見ただろうし、そのせいで自分を見失ってしまったかもしれない。

 

でも今日の言葉を聞いて思うのは、あの恐ろしいパンデミックがあったから、彼らはチームでいることのありがたみを痛いほど感じたのではないか、ということ。

 

真っ暗闇に落とされたあの状況を1人では乗り越えられなかっただろうと思うから。

 

だから、船を降りても繋がっておきたい存在になったのだと思う。

 

パンデミックで苦しんだ人はたくさんいたと思うけれど、そのおかげで彼らと出会えた人もたくさんいる。

 

そしてそのおかげで彼らの意識が変化し、関係性が深まったことも間違いのないことだと思う。

 

だから彼らは解散はしない、という決断をしたのだと思う。

 

スッキリ解散した方がもっと楽になるかもしれないのに。

 

楽にはなるかもしれないけれど、幸せでいられる方を取ったのだと私は思う。

 

 

それはすなわち「防弾少年団」を「苦しいもの」ではなくこれからは「幸せなもの」にしようという彼らの気持ちの表れなのだと思う。

 

 

僕が僕であるために。

僕が幸せであるために。

 

その幸せな7人が集まった防弾少年団でいるために。