でした。

あなたの書く詩が好きでした。

綺麗に書こうなんて器用にはできなくて

ただ愛を籠めて綴っていました。

それなのに言葉の一つ一つはあまりに研ぎ澄まされていて

私はいつも本当は痛かったのです。

あなたの描く絵が好きでした。

いつかモデルにしてくれるって言ったのに叶いませんでした。

でも私の体の線はあなたの瞼に焼き付いているから

私がいないところでこっそり描いていたのだと後から知りました。

あなたの歌う歌が好きでした。

その声と私に向けた眼差しはどんなにか溶けそうになったでしょうか。

できればギターをつま弾くあなたを見たかったのですが

今では耳の奥で響いているだけです。

私はいつまでも私で誰にも染まることはないのです。

そんなキミが好きだよと言ってくれるあなたが好きでした。

あの時は言えなかったけれど…

ほんとは端っこだけあなた色に染まっていた私が好きでした。