クリスマスイヴのある男と女の物語 | 瑠璃☆の世界

瑠璃☆の世界

少しだけ心の中を表現したいのです。
ここだから言えること、書いてみます。

 

 

 

クリスマスイヴだというのに多忙な男に女は淋しい思いをしていた。

街中カップルだらけで一人でいるのが惨めな気分になって、早々に家路についた。

玄関を開けてため息交じりに明かりを点けると、同時に男からラインが届いた。

 

 

 

 

メリークリスマス!

ごめん。

今日も体が空きそうにない。

 

 

 

 

たった3行のライン。

忙しいのがよくわかった。

 

 

 

 

 

メリークリスマス!

お疲れ様。

忙しいのはわかってるから大丈夫。

でも独りでシャンパン飲んじゃおうかな~w

お仕事頑張って。

今度いつかあなたの体が空いたらどこかへ行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう返すと女はほんとにシャンパンを開けて、そこにはいない男に向かって声高らかに「メリークリスマス」と叫んだ。

いつしか外は小雪。

夜は更けて女はテーブルに伏せてうたた寝をしてしまった。

頬に何かが当たるのに気が付いて目を覚ますと、すぐ目の前に男の顔があった。

もうクリスマスイヴから25日に日付は変わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

こんなとこでうたた寝をしたら風邪をひくよ

僕が待たせてしまったからだね

遅くなってごめん

やっと体が空いた

今からじゃどこにも行けないかな

 

 

 

 

 

おかえり!

今からでも行けるところあるよ

 

 

 

 

 

 

 

女は悪戯っぽく微笑んで男の手を引っ張りベッドルームに行った。

普通のカップルみたいにデートできなくたっていい。

クリスマスイヴだからってどこかでお祝いしなくたっていい。

貴重なこの時間を二人で肌を寄せ合えれば。

女はそう心で呟いて男の胸に顔を埋めながら囁いた。

 

 

 

 

 

空いたあなたの体、今日は私が埋める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メリークリスマス♡