(1)なぜ骨粗鬆症のお年寄りの方が多いのか(前回参照)
100人の老人施設では、1年間に約10人くらいが骨折を起こします(これは、脊椎の圧迫骨折を含んだ人数です)。
未開の人や化石人類や野生動物には、骨粗鬆症はありません。
未開の人と比較して、現代人では日光に当たる時間が極端に減少しています。ガラスは紫外線Bを通しません。それによりビタミンDの不足状態となり、その状態が数十年も続いて、骨がスカスカになります。食事からビタミンDを補うのはなかなか困難です。もし日光に当たる時間が増えないのなら、市販のビタミンD製剤(天然型)を利用するのも一つの方法です。
(2)現代人には、なぜ便秘の人が多いのか
100人の老人施設では、40人くらいの方が便秘の薬を飲んでおられます。
未開の人と比較して、繊維の量が不足しています。老人施設では1日に15g程度の摂取です。未開の人は40gほどの食物繊維を摂取しています。
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/01/blog-post_8.html
野菜や果物の多い良い食事が行われると、良い腸内細菌が増えます。便は酪酸や乳酸の効果により腸蠕動が円滑に行われます。良い便になります。
野菜や果物を多く摂取すると繊維が分解される時にガスが多く出ます。便の量も増えます(健康的な食生活を行うと、ガスや便が増えて困ることがあります)。
ガスが増えると豆鉄砲と同じ仕組みで、便は体の外に出やすくなります。
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ある時、医師会の勉強会に出席したら、講師の先生は、直腸性便秘(直腸にたまった便が排出されにくいタイプの便秘)に対して、レシカルボン座薬を勧めておられました。レシカルボン座薬は、炭酸ガスを発生させる座薬です。ガスが多いことは、便の排出には良いことです。
(3)「アメリカ人の心を乗っ取ること The Hacking of the Americans Mind」(Lustig、2017年)
(ラスティグ教授は、「果糖中毒」という本を書いておられます。依存症から立ち直るには、孤立しているより、他者との関係が密接である方が容易です。他者との関係のありかたの一つとして宗教が挙げられています)
・「マルクスは、『宗教はアヘンだ』と述べている」(p224)
・「フロイトは、宗教を死の不安から説明している」(p224)
・「宗教を信じる人と信じない人を比較すると、信じる人の方が、社会により適応している」(p224)
・「他者に対して善行を施すと、ミラーニューロンにより自分も幸福になる」(p229)
(4)「『時間割引率』を下げる3つのコツ」(勝間和代、Youtubeの動画)
https://www.youtube.com/watch?v=4gNYYnJbjXs
「依存症の人は、時間割引率が高い(現在の快感を最優先する)。時間割引率を下げるには、次のようにすれば良い。
① 誘惑物を目の前から取り除く
② 誘惑を乗り越えた実践体験を持つ
③ 誘惑からの余裕を持つ」
(「意思の強さ」よりも「環境整備」が重視されています)
(勝間さんの表現を以下のように置き換えることができるかもしれません)
① きっかけ(解発刺激)を取り除く
② 依存症が一つあると、二つ、三つと増えやすい(ゲートウェイ理論)。しかし逆向けの水路づけも可能。小さな成功を積み上げてゆくことが可能
③ 孤立ネズミは依存症になりやすいが、極楽ネズミは依存症になりにくい。心の快感を増やせば、依存性薬物の快感から逃れやすい
(5)「食の起源 第4集 『酒』」(NHKドキュメンタリー)
https://www.nhk.or.jp/special/shoku/
https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20200127/index.html
(ノンアルコールビールを飲んで酔ったような状態になる人もいるとのことです。パブロフのイヌは、ベルの音で唾液を出しますが、そのようなものでしょうか。また、食事をせずにビールだけ飲む人々がいるとのことです。横山大観のような人々ですね。白米でなく玄米のような全粒穀物を原料にしてビールを作るのでしょう。しかし、ビタミンB12はどうするのでしょう。ちょっと信じられません。「食事の時間」以外の時間に、何かを摂取しているのかもしれません。アルコールの依存性や発がん性や催奇形性をどうしているのでしょうか)