下の文の日本語部分を再び読みました。


(1)砂糖税についての英国政府文書(2016年8月18日)
https://www.gov.uk/government/news/soft-drinks-industry-levy-12-things-you-should-know

・英国では2018年の4月からソフトドリンクへの課税がスタートする
・加えられた砂糖の濃度が5%、8%を超える場合には、そのソフトドリンクを出荷する業者に課税する

(2)「なぜ砂糖には依存性があるのかWhy is sugar so addictive?」(英国BBC放送、2013.3.22)
http://www.bbc.co.uk/science/0/21835302

「砂糖は気分を高揚させる。なぜなら、砂糖は体に作用して快感ホルモンのセロトニンを血液中に放出させるからである。砂糖を摂れば簡単に気分を高揚させることができるので、お祝いの時や安楽や精神的報酬が欲しい時に、砂糖を摂取するのである」

(3)1日に食べるべき野菜と果物の分量について

このように、英国政府のNHS(国民健康サービス)は、野菜と果物で、中ぐらいのもの(80g)を1日に最低5個、できれば10個食べることを勧めています。米国政府のDASHダイエットでも、各5個ですから同じです。いずれも、すごい量の野菜と果物です。

(4)「加工食品ドキュメンタリーProcessed Food Documentary」
https://www.youtube.com/watch?v=guxledYcXcE&t=132s

砂糖消費のうち、お菓子によるものは、わずかに6分の1ほどであり、砂糖消費の2分の1は、加工食品によるとのことです。

(5)「フードトラップ」(モス、本間訳、2014年)第三部「塩分」

「1日に小さじ半分の食塩を減らすだけでも、米国人の心臓発作9万2000件、脳卒中5万9000件、死亡8万1000件を予防でき、医療費その他で200億ドルの節約になると推定された」(p393)

「(フィンランドでは)2007年には、一人当たりの塩分摂取量が3割以上低下し、それに伴って脳卒中と心臓病による死者数も8割減ったのである」(p407)
http://www.worldactiononsalt.com/worldaction/europe/53774.html

(6)「単糖類と蛋白質との反応:進化的な意味についてReaction of monosaccharides with proteins: possible evolutionary significance」(Science、1981年)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12192669

「糖化反応では、糖と蛋白質が非酵素的に反応して有害な物質が産生される。単糖類では、開環構造より環構造の方が糖化反応を起こしにくい。15の単糖類を調べたところ、ブドウ糖は、環構造が非常に安定であり、糖化反応を起こしにくい。それでブドウ糖は、一次的エネルギー蓄積物質として使われている」

(7)「西洋料理の起源と進化:21世紀における健康のためにOrigins and evolution of the Western Diet: health implications for the 21st century」(Am J Clin Nutr February 2005 vol. 81  no. 2  341-354)
http://ajcn.nutrition.org/content/81/2/341.full.pdf

「(狩猟採集生活をする)北オーストラリアのAnbarra Aboriginesの人々は、1年あたり1人あたり、2kgのハチミツを摂取する。パラグアイのAcheインディアンの人々は、摂取カロリーの3%をハチミツから取る」

(両者とも、世界保健機構WHOやアメリカ心臓病協会AHAの1日25g以下の「加えられた糖」という基準と、ダッシュ・ダイエットの1日15g以下の「加えられた糖」という基準の両方を満たしています)

(8)「旧石器時代の食事と現代の食事との比較:選ばれた病態生理学的な推定 Paleolithic vs. modern diet - selected pathophysiological implications」(S. B. Eatonら、 Eur J Nutr 39:67-70(2000)
https://evolutionmedicine.files.wordpress.com/2009/11/eaton-2000.pdf

「人類は、遺伝的な意味では、石器時代のままであり、その結果として、我々は農業以前の栄養の状況に適応したままなのである」

「旧石器時代の平均的な栄養摂取状況
   動物性蛋白‥‥‥‥非常に多い
   植物性蛋白‥‥‥‥中等度
   総脂肪‥‥‥‥‥‥中等度~多い
   コレステロール‥‥多い
   穀物‥‥‥‥‥‥‥なし~最小限
   野菜と果物‥‥‥‥非常に多い
   牛乳‥‥‥‥‥‥‥母乳が終われば無し
   精製砂糖‥‥‥‥‥なし(ハチミツはある)
   食物繊維‥‥‥‥‥非常に多い
   ファイトケミカル‥‥おそらく多い」

(9)「メタボリック症候群:現代世界への不適応 Metabolic syndrome: maladaptation to a modern world」J R Soc Med. 2004 Nov; 97(11): 511-520.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1079643/

「BMIが25であれば、22以下の場合に比較して、2型糖尿病になるリスクは5倍に増加する。BMIが30であれば、リスクは28倍に増加する」

(10)「甘いもの好きの進化 Evolution's Sweet Tooth」
http://www.nytimes.com/2012/06/06/opinion/evolutions-sweet-tooth.html

「食品産業が財を築いた理由は、我々が石器時代のままの体を維持して甘い物を求めるが、砂糖が安くて豊富にある宇宙時代に住んでいるからである」

「我々は、甘い物を求める我々の体を利用して金を稼ごうとする側ではなく、我々の側に立つ政府を必要としている」

(11)「病の起源:がんと脳卒中」(NHK取材班、2013年)

「血中のビタミンDの濃度が20ng/ml以下の人は、乳がん、前立腺がん、結腸がん(大腸がんの一つ)のリスクが30~50%高くなる」(p120)

(12)「ビタミンD:平衡点を見つけること Vitamin D: Finding a balance」(Harvard Health Blog, Ruiz, July 21, 2017)
https://www.health.harvard.edu/blog/vitamin-d-finding-balance-2017072112070

「十分なビタミンDが無ければ、骨はもろくなり、容易に折れる。ビタミンDは、体の他の組織にも役に立つ。研究によればビタミンDは、高血圧、呼吸器疾患、がん、心臓病、うつ病を減らし、死亡全体の減少に貢献する」

(13)「進化の理論と摂食の心理学Evolutionary Theory and the Psychology of Eating」(A.W. Logue、1998)
http://faculty.baruch.cuny.edu/naturalscience/biology/darwin/faculty/loguea.html

「ヒトが進化した当時の環境では、比較的容易に手に入る砂糖すなわちカロリー源は熟した果物であり、それは甘い味で特徴づけられている。果物は、砂糖の他にも、体が機能したり発育したりするのに役立つ多くのビタミンやミネラルを提供している。甘い味のものを求める性質は、熟した果物の摂取を促し、それはおそらく、我々の早期の祖先の生存にとって有利な性質であったであろう」

「ヒトにおいて繰り返し証明されているのは、栄養不足の水準が深刻になればなるほど、食物に対するセルフ・コントロールが困難になることである」

(14)「ネズミにおけるファスト・フードとアルツハイマー病との関連についての研究 Research on mice links fast food to Alzheimer's」
http://www.reuters.com/article/us-alzheimers-junkfood-idUSTRE4AR48G20081128

「ネズミをファスト・フードで9か月間飼育したところ、そのネズミの脳には、アルツハイマー病と強く関連する病変が見られた」とのことです。

(15)「果糖は体に悪いか Is fructose bad for you?」ハーバード大学健康ブログ
http://www.health.harvard.edu/blog/is-fructose-bad-for-you-201104262425

「ほとんど全ての細胞は、ブドウ糖を分解できる。しかし果糖を分解できるのは、肝細胞だけである。肝臓の内部で果糖に起きる変化は複雑である。果糖の最終産物の一つは中性脂肪である。尿酸とフリー・ラジカルも生成される」

(16)「心血管病を起こすメカニズムとしての栄養と炎症についての進化的な見方 An Evolutionary perspective of Nutrition and Inflammation as Mechanisms of Cardiovascular Disease」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4677015/

「レプチンは、血液脳関門を超えて脳内に入り、体の栄養状態についての情報を脳に伝える。飢餓の際に起きる中性脂肪の血液中の高値は、レプチンの移動を止める。(中略)。脳における低血糖の危険を減らすために、進化を通じて、インスリン抵抗性が採用されたと考えられる」

「中性脂肪は、骨格筋や肝臓に軽度の炎症を引き起こす。それで(肥満や脂肪の多い食事による)中性脂肪は、骨格筋や肝臓におけるインスリン抵抗性を引き起こす」

(これで大体の輪郭がつかめました)

(17)菜食によりがんやアルツハイマー病の予防を勧める動画
https://www.youtube.com/watch?v=LpYwcTFVnv8&t=1373s

演者のキャサリン・リッチマン先生は、カリフォルニア大学医学部放射線科の教授です。リッチマン先生は、アルツハイマー病の予防のために、毎日運動しておられるそうです。

(18)「医者のための最新情報:植物を基盤とした食事 Nutritional Update for Physicians: Plant -Based Diet」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3662288/

「菜食主義の食事は、体重減少の目的では、非常に効果的である。(中略)。運動量にかかわらず、平均して週に1ポンド(約0.45㎏)ずつ体重が減少する」

「動物に由来する食品を摂らない人は、ビタミンB12のサプリメントを飲むか、ビタミンB12を強化した食品を摂るべきである」

(19)「昨日までの世界」(下)(ダイアモンド、倉骨訳、2013年)

「加工食品の製造業者はなぜ、これほど多くの食塩を食材に添加するのだろうか。ひとつの理由は、それが、安価でまずい素材を、ほとんどコストをかけずに食べられる食材にする方法だからである。また別の理由は、肉の塩分含有量を増やすと、肉の含有水分も増加し、食品の重量を安価に約20%も水増しすることができるからである」(p304)

(20)「社会生物学の勝利」(オルコック、長谷川訳、2004年)

「ビニール袋は、(ウミガメの)食道をつまらせ、死にいたらしめるにもかかわらず、ウミガメはそれを食べるのである。(中略)。(ビニール袋は)、食べても何の支障もないクラゲとよく似た刺激を発している」(p283)

(21)「追い越し車線の石器時代人:慢性変性疾患を進化的な観点から把握するStone Agers in the Fast Lane: Chronic Degenerative Diseases in Evolutionary Perspective」
http://www.naturaleater.com/science-articles/Stone-agers%20-fast-lane.pdf

「1940年以前に、アメリカン・インディアンにおいて糖尿病はまれであった。しかし現在では、ピマ族において世界で最も高い糖尿病の有病率を示している。1930年以前では、高血圧は東アフリカでは知られていなかったが、現在ではありふれている。1912年には、肺の原発性悪性新生物は、もっともまれな疾患であると考えられていた」