以下のような文書を読みました。

(1)「攻撃性Aggression」 英語版Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Aggression

「たいていの生態学者は、動物は攻撃により有利さを獲得すると考えている」

「攻撃も、他の多くの行動と同じように、その動物の生存や生殖を助ける機能の観点から評価することができる」

「視床下部を電気的に刺激すると攻撃行動が引き起こされる。(中略)。ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)は、攻撃行動に、直接的あるいは間接的に影響を及ぼす。(中略)。攻撃行動は、テストステロンの増加と共に増える傾向がある」


(2)「衛生仮説Hygiene hypothesis」 英語版Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Hygiene_hypothesis

「慢性炎症性疾患のリスク要因として挙げることができるのは、栄養、汚染、運動、肥満、社会経済的要因、ストレス、遺伝などである」

「いろいろな免疫疾患や自己免疫疾患は、産業化された社会よりも発展途上の社会の方が、ずっと少ない」

「既開発国では、子どもの多くの病気が克服されたが、気管支喘息の頻度は、若者の約10%ほどである。枯草熱は容易に診断されるアレルギー疾患であるが、19世紀には、極めてまれな病気であった」

「子どもたちに屋外の清潔でない環境でもう少し多くの時間を過ごすように促すことが勧められる」


(3)「進化的な不適合Evolutionary mismatch」 英語版Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Evolutionary_mismatch

「ドパミンは、快楽の感覚を生み出す神経伝達物質である。脳は快楽を繰り返して味わうようにプログラムされているので、ドパミンを放出させるような行動は、繰り返して行われやすい。狩猟採集社会では、この報酬システムは、生存と生殖の成功に役立った。しかし、現代社会では生存と生殖をおびやかすものは少なくなり、現在の環境にあるいくつかの活動(賭け事、薬物利用、食事)は、このシステムを悪用し、ヒトを依存行動に導いている」


(4)「進化的な法則は、ヒトの健康と病気についての理解を、どのように改善させるか How evolutionary principles improve the understanding of human health and disease」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3352556/

「病気の分布と頻度に影響を及ぼす『創設者効果』や『人口効果』の例は多くある。例えば、アメリカ-インディアンの血液型にO型の人が多いのは、人々がベーリング海峡を渡った時の創設者効果の影響であると考えられる。現代のフィンランド人は、昔フィンランド湾を横切って北上したときにボトルネック(ビン首)となる少数の創設者の子孫である。現代のフィンランド人は、高度に均一な集団であり、他のヨーロッパ地域と比較して、独特の病気分布パターンを示している。フィンランド人は、いくつかのまれな遺伝病にかかりやすく、のう胞性繊維症のような病気にかかりにくい」


(5)「進化と公衆衛生Evolution and public health」 (Gilbert Omenn)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2868289/

「我々の古代からの遺伝子群と、最近生産された食品の栄養的な質との衝突は、西洋文明の多くの慢性疾患を産みだすことに大きく貢献した。その疾患は、肥満、糖尿病、心血管疾患、高血圧、脂質異常症、骨粗鬆症、腸機能異常、炎症性疾患、自己免疫疾患、いくつかのがんである」


(6)「追い越し車線の石器時代人:慢性変性疾患を進化的な観点から把握するStone Agers in the Fast Lane: Chronic Degenerative Diseases in Evolutionary Perspective」
http://www.naturaleater.com/science-articles/Stone-agers%20-fast-lane.pdf

「1940年以前に、アメリカン・インディアンにおいて糖尿病はまれであった。しかし現在では、ピマ族において世界で最も高い糖尿病の有病率を示している。1930年以前では、高血圧は東アフリカでは知られていなかったが、現在ではありふれている。1912年には、肺の原発性悪性新生物は、もっともまれな疾患であると考えられていた」

下の表のように、各栄養素の摂取状況が比較されています。

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