今週の進化医学

(1)「父親が行う子へのケアPaternal Care」Rashmi Jejurikar(カリフォルニア大学)を読みました。
https://carta.anthropogeny.org/moca/topics/paternal-care

(一部分の抄訳)
「現代でも狩猟採集生活を行っているハッザの人々は、一夫一婦制を基本にした集団生活を行っています。父親は、夜には母親と子どものすぐ近くで寝ます。父親は子どもと直接に交流し、愛着関係を育てます。父親は、子どもの社会性や道徳性の発達を促します。父親は、子どもが良い狩猟者になれるように練習させるなどして、子どもの繁殖活動を助けます」

(2)「雄親が行う子へのケアPaternal Care」(イギリスBBC放送の動画)を見ました。
http://www.bbc.co.uk/nature/adaptations/Allomothering

動物の父親が子の世話をする動画がいくつかあります。
 ・砂漠に住む雄の鳥が、胸に水を溜めてヒナに水を飲ませる
 ・雄のライオンが、自分の子に肉を食べさせる
 ・雄のダチョウが、複数の雌が産んだ卵を温め、ヒナを育てる
 ・雄のカエルが卵を背中に載せて運んで、オタマジャクシになれば水中に放す

(3)「利己的な遺伝子」(ドーキンス、増補新装版、2006年)を読みました。

ドーキンスは、シェイクスピアの一文を次のように紹介しています。そして以下のように続けています。

「まず最初に我々がなすべきは、すべての法律家を殺すこと」(ヘンリー六世、第二幕)

「民事『紛争』と呼ばれているものに、実際には大いなる努力の余地が残されていることがよくある。ゼロサム的な対立のごとくみえるものを、ほんのちょっとした善意によって、双方に利益をもたらすノ・ゼロサムゲームに変えてしまうことができるのだ。離婚について考えてみよう。いい結婚は明らかにノン・ゼロサムゲームであり、相互協力に満ちあふれている。しかし、それが破綻したときでさえ、二人が協力を継続して離婚をもノン・ゼロサムゲームとして処理すれば、利益を得られることを示す理由が山ほどある。二人の弁護士に料金を払ってしまえば、まるで子どもの幸福など取るに足らない理由であるかのごとく、家族の財政に痛撃を与えるだろう」(p342)

(4)「超・利己的な遺伝子を生み出したゲノム科学」(1~6)を見ました。