(1)「進化医学からわかる肥満・糖尿病・寿命」(井村裕夫先生、2008年)を読みました。

「この耐久走力と体毛の喪失、肉食、脳の発達、集団行動と社会性が、相伴って進化し、それがいっそう進んで今日の現生人へとつながったものと考えられる」(p222)

ヒトは森からサバンナ(草原地帯)に出て行って、完全な直立二足歩行を行い、集団で協力して長時間かけて走って、中型の動物を捕らえ、肉を食べるようになりました。狩りを行うためには記憶力も重要であり、大脳を発達させました(運動により神経発達因子が分泌されます)。

井村先生の文を読んで、「脳を鍛えるには運動しかない」という本を思い出しました。また、「走るために生まれた」という本の次の文を思い出しました。「愛がなかったら、われわれは生きていない。走らなければ生存できなかった。一方が向上すればもう一方も上達する」(p140)


(2)「病気はどこで生まれるのか」(井ノ上逸朗先生、2012年)を読みました。

「りんごの産地として知られる青森県浪岡町では住民が1日に2、3個のリンゴを食べていたそうで、県内でも例外的に脳卒中が少なく、血圧も全国平均と同じであった」(p69)

「ヒトゲノムは、石器時代の環境に適応するように形成された」(p76)

「生物の意思が働くため、性選択は自然淘汰より早く進化する」(p161)


(3)「寿命はなぜ決まっているのか」(小林武彦先生、2016年)を読みました。

「修復を逃れたDNAの傷が、ある程度蓄積すると細胞の老化が誘導されます」(p110)

「日本人の場合、70歳以上の二人に一人は、なんらかのガンに一度はかかり、そのうちおよそ半分の方がガンが原因で亡くなっています」(p175)


(4)「健康長寿のための医学」(井村裕夫先生、2016年)を読みました。

「遺伝子そのものには変化がないが表現型が変わり、環境が元に戻っても持続する」(p78)

そう言えば、昆虫にも「春型」とか「夏型」があります。例えばクワガタムシの春型はやや小型で、夏型はやや大型です。植物のタンポポにも「春型」と「夏型」があるそうです。

「男性の10.9%は90歳まで自立して生活できる。(中略)。(女性は)男性のように長く自立を保てる人がほとんど見られない。」(p130)

女性の高齢者のうちで、積極的に体を動かす人は少ないかもしれません。

「仕事を続けることが一つの健康法と言える」(p132)