お年寄りの人が、体を動かすことには、大きな利点があります。

----------------------------------------------------------------------
(1)体の働きを維持する‥‥‥年齢と共に筋肉の力は低下するが、運動により筋肉の力を維持できる。
(2)心を守る‥‥‥‥‥‥‥‥常に運動をする人は、うつ状態になりにくい。また、認知機能の低下が少ない。
(3)病気のリスクを減らす‥‥‥運動をしない人の心血管系へのリスクは、タバコを吸う人に匹敵する。
                    常に体を動かす人の死亡率は低下する。    
                    常に体を動かす人では、肥満のリスクが低下する。

2008年に米国厚生省は、体の活動性についてのガイドラインを作成しました。お年寄りの方については、次のようです。
・健康を維持するために、お年寄りの人は、体の活動性を維持すべきである。
・穏やかな有酸素運動を、1日30分、週に5回、行う必要がある。
・それに加えて、体の主要な筋肉群を強化する運動を、週に2回以上、行う必要がある。
・慢性的な病気を持たず、おおむね健康な人では、運動を始めるに際して、医者を受診する必要は無い。
----------------------------------------------------------------------
「お年寄りの人の体の活動性についてのガイドライン」(Physical Activity Guidelines for Older Adults)、BASSEM ELSAWY, Am Fam Physician. 2010 Jan 1;81(1):55-59.


お年寄りの方の運動について、米国のガイドラインは、英国、カナダ、WHOのガイドラインと同じです。30分×週に5回(週に150分)です。


その他の参考文献


「心疾患における運動療法に関するガイドライン」、日本心臓病学会