共同親権について、Wikipedia 英語版の「 Joint custody (United States) 」を以下のように抄訳しました。
根拠となる文献をリンクさせて、日本語版 Wikipedia の「共同親権」に加筆予定です。
共同親権の内容
共同親権では、以下に述べる法的親権と身体的親権の両方を共有する場合もあるが、片方だけを共有する場合もある。
(1)法的共同親権 legal joint custody (狭義の共同親権)
学校に関すること、宗教に関すること、医療に関することなどを決定する権利を共有する。教育記録や健康記録などの情報は、両方の親が共有する。次のような特徴がある。
・両親は法的に同等となり、両親共に、子どもの発育に重要な役割を果たす。
・子どもが必要とすることに基づいて、両方の親が判断するので、親子共にうまく行っている満足感が得られる。
・長期的に、子どもの精神的な予後が良好となる。
・両親相互にオープンなコミュニケーションを行うので、離婚の打撃からの回復が可能となり、子どもが安心して発育できる環境作りが可能となる。
・両親の接触が増えるので、両親間の争いが激しくなるケースがある。
(2)身体的共同親権 physical joint custody (共同監護)
タイム・スケジュール(育児プラン)に従って、養育を分担する。子どもの時間を完全に半分ずつに分ける場合もあるが、不均等に分ける場合も多い。
一週間ごとや一か月ごとに、子どもが父の家と母の家を行き来する方法や、週日は片親の所に住んで、週末は他方の親の所に住む方法が用いられる。子どもが元の家に住んで、父親と母親が入れ替わる方法もある。
・子どものために費やす時間が減るので、他のこと(例えば勉学)のために時間を使うことができる。
・子どもはそれぞれの親と多くの時間を過ごすことができるので、離婚前の状況と比較して、変化が少なくて済む。
・子どもは、男性の性役割モデルと女性の性役割モデルの両方を見ながら発育することができる。
・受け渡しにより親同士の接触が増えるので、争いが激しくなるケースがある。
共同親権が子どもと親に及ぼす影響
・共同親権により育てられた子どもは、両親がそろっている家庭の子どもと比較して、遜色ない発達を示す。これに対して単独親権では、ずっと悪い発達を示す。
・離婚後の子どもの状態に大きい影響を及ぼすのは、育児の質と経済的安定性である。共同親権では、その両者が良好となり、子どもの行動、精神、学業の面で、全体と比較して遜色ない発達を示す。
・単独親権と比較して、子どもの満足感が強い。
・共同親権では、子どもを奪い合わないので、親同士の争いが減る。
・もともと、親がしばしば争って、敵意のあるようなケースでは、子どもの精神的機能は不良となり、共同親権はうまくいかない。
・離婚後の子どもの状態に大きい影響を及ぼすのは、育児の質と経済的安定性である。共同親権では、その両者が良好となり、子どもの行動、精神、学業の面で、全体と比較して遜色ない発達を示す。
・単独親権と比較して、子どもの満足感が強い。
・共同親権では、子どもを奪い合わないので、親同士の争いが減る。
・もともと、親がしばしば争って、敵意のあるようなケースでは、子どもの精神的機能は不良となり、共同親権はうまくいかない。