昨日、依頼されて禁煙の話をして来ました。関連する病院の職員の方が聞きに来てくれました。約1時間でした。スライドを120枚作り、動画を3つ用意しました。
話の内容は、決まりきった話題を省略すると、以下のようです。
(1)私は、一般の診療の中で、禁煙外来を数年間担当していました。いろいろな条件を満たすと保険が効きます。今は担当していませんが、タバコを吸う人には禁煙をお勧めしています。
(2)植物のタバコが猛毒のニコチンを葉に含んでいるのは、草食動物に食べられないためです。多くの植物は毒物を含むので、野や山の多くの植物を私たちは食べることができません。私たちが食べている米や野菜は、毒を含まない種類のものを特別に増やしたものです。
(3)ニコチン依存症は、薬物依存症の一つです。だから、薬物依存症一般の性質が当てはまります。①薬物は、脳内報酬系を作動させて、快の感覚を与えること、②タバコ会社や悪友など、悪の協力者がいること、③本人は薬物依存状態であることを否認すること、④底つき体験により離脱すること、⑤減らすのはうまく行かず、断煙するしかないこと、⑥禁煙すると離脱症状が現れること、⑦治療の成功率は低いこと、⑧グループ治療が有効であること、⑨予防教育が重要であるが、あまり行われていないこと、などです。
(4)健康診断のレントゲン検査で引っかかった人が私の所を受診した場合、まず肺のCTを撮影して、それを放射線科の医師にみてもらい、異常ありの場合は、私は県のがんセンターに紹介しています。精密検査により、肺癌の診断になった場合もありました。結核であったこともありました。
話の内容は、決まりきった話題を省略すると、以下のようです。
(1)私は、一般の診療の中で、禁煙外来を数年間担当していました。いろいろな条件を満たすと保険が効きます。今は担当していませんが、タバコを吸う人には禁煙をお勧めしています。
(2)植物のタバコが猛毒のニコチンを葉に含んでいるのは、草食動物に食べられないためです。多くの植物は毒物を含むので、野や山の多くの植物を私たちは食べることができません。私たちが食べている米や野菜は、毒を含まない種類のものを特別に増やしたものです。
(3)ニコチン依存症は、薬物依存症の一つです。だから、薬物依存症一般の性質が当てはまります。①薬物は、脳内報酬系を作動させて、快の感覚を与えること、②タバコ会社や悪友など、悪の協力者がいること、③本人は薬物依存状態であることを否認すること、④底つき体験により離脱すること、⑤減らすのはうまく行かず、断煙するしかないこと、⑥禁煙すると離脱症状が現れること、⑦治療の成功率は低いこと、⑧グループ治療が有効であること、⑨予防教育が重要であるが、あまり行われていないこと、などです。
(4)健康診断のレントゲン検査で引っかかった人が私の所を受診した場合、まず肺のCTを撮影して、それを放射線科の医師にみてもらい、異常ありの場合は、私は県のがんセンターに紹介しています。精密検査により、肺癌の診断になった場合もありました。結核であったこともありました。
今は病気のうち癌で死ぬ人が最も多く、男性では癌の中では肺癌で死ぬ人が最も多いです。
(5)癌の原因の3分の1は食事で、3分の1はタバコです。残りの3分の1は、いろいろです。
(6)タバコの発がん物質により体細胞のDNAに傷が付いて修復されなければ、癌になるなどして、自分一人が苦しみます。しかし、生殖細胞のDNAに傷が付いて修復されなければ、その傷はコピーされて未来永劫に自分の子孫に伝えられて行きます。
(7)私が「子どもにおいて、癌の予防をしよう」と発言したら、育児雑誌の編集長が、わざわざ東京から当地まで、私の話を聞きに来てくれました。私の話は育児雑誌の記事になりました(下の図)。癌予防において、タバコ対策は第一に必要なことです。
(8)日本で1年間にタバコで死亡した人は、男性で9万人、女性で2万4千人もいます(2000年)。信じられないくらい多くの人がタバコで亡くなっています。
(9)「タバコのように有害なものがなぜ売られているのですか」と、禁煙外来で私に聞いた人がいました。それに答えるのは、簡単です。木の葉っぱの2~3枚を400円で買ってくれる人がいるということです。当市だけでも25万人のうちの4割の10万人がそういう人です。来る日も来る日も、葉っぱを毎日400円で買ってくれます。決まった銘柄を義理堅く買ってくれます。葉っぱは、いくらでもあります。梱包代金は売値の1%ほどです。当市だけでも毎日4000万円の収入になります。このお金の分け前にあずかれる人は、その幸福な日々が一日でも長く続くように願わずにはいられないでしょう。お金の一部を使って、この体制を維持する仲間を増やすでしょう。また、この体制を支えてくれる議員さんたちにも心から感謝することでしょう。
(10)Wikipedia の「タバコ」に、タバコの害を書き込んでも、1~2週以内に書き換えられてしまいます。タバコ会社のホームページにある「タバコ百科」のような内容にされています。タバコの害を書くことができるのは唯一「喫煙」の項目ですが、それは後半に押し込められています。最初の部分には「大言壮語」とか「根拠がない」とか書かれています。それはタバコ産業側の書き込みです。
青少年が「タバコとはいったい何だろう」と不思議に思ったら、今なら Wikipedia で調べるでしょう。だから、タバコ産業としては、青少年にタバコを吸わせるためには Wikipedia は、活動の重点項目なのです。逆に言えば、青少年に正しい知識を与えることが重要であり、それにより青少年がタバコを吸い始めることを予防できるのです。
(11)ヨーロッパは、人口の3分の1が死亡するようなペストの流行を何度も経験しています。都市の城壁の中に、ペストの患者さんを一人でも入れてしまうと、大流行が始まるのです。それで健康問題の対策は、強権をもって徹底して行うようになっています。1964年に米国は、タバコと健康障害の関係を認めて、タバコ会社の社長を議会に呼んで証言させました。また裁判でも巨額の賠償金を支払わせました。
(12)日本のタバコ対策は、他の政策と同様に「浮動」しています。各方面からの圧力により揺れ動いています。日本では、タバコ会社側が負けた判決は、まだ一つもありません。
(13)タバコにはヘロインと同じ強さの依存性があり、それを背景にしてタバコ産業は、喫煙者の「否認」を巧みに利用して禁煙を困難にしています。巨額のお金を稼いでおり、関係機関をコントロールしています。社会心理学を利用し、マーケット・リサーチを通じて、有効な販売策を実行しています。
(5)癌の原因の3分の1は食事で、3分の1はタバコです。残りの3分の1は、いろいろです。
(6)タバコの発がん物質により体細胞のDNAに傷が付いて修復されなければ、癌になるなどして、自分一人が苦しみます。しかし、生殖細胞のDNAに傷が付いて修復されなければ、その傷はコピーされて未来永劫に自分の子孫に伝えられて行きます。
(7)私が「子どもにおいて、癌の予防をしよう」と発言したら、育児雑誌の編集長が、わざわざ東京から当地まで、私の話を聞きに来てくれました。私の話は育児雑誌の記事になりました(下の図)。癌予防において、タバコ対策は第一に必要なことです。
(8)日本で1年間にタバコで死亡した人は、男性で9万人、女性で2万4千人もいます(2000年)。信じられないくらい多くの人がタバコで亡くなっています。
(9)「タバコのように有害なものがなぜ売られているのですか」と、禁煙外来で私に聞いた人がいました。それに答えるのは、簡単です。木の葉っぱの2~3枚を400円で買ってくれる人がいるということです。当市だけでも25万人のうちの4割の10万人がそういう人です。来る日も来る日も、葉っぱを毎日400円で買ってくれます。決まった銘柄を義理堅く買ってくれます。葉っぱは、いくらでもあります。梱包代金は売値の1%ほどです。当市だけでも毎日4000万円の収入になります。このお金の分け前にあずかれる人は、その幸福な日々が一日でも長く続くように願わずにはいられないでしょう。お金の一部を使って、この体制を維持する仲間を増やすでしょう。また、この体制を支えてくれる議員さんたちにも心から感謝することでしょう。
(10)Wikipedia の「タバコ」に、タバコの害を書き込んでも、1~2週以内に書き換えられてしまいます。タバコ会社のホームページにある「タバコ百科」のような内容にされています。タバコの害を書くことができるのは唯一「喫煙」の項目ですが、それは後半に押し込められています。最初の部分には「大言壮語」とか「根拠がない」とか書かれています。それはタバコ産業側の書き込みです。
青少年が「タバコとはいったい何だろう」と不思議に思ったら、今なら Wikipedia で調べるでしょう。だから、タバコ産業としては、青少年にタバコを吸わせるためには Wikipedia は、活動の重点項目なのです。逆に言えば、青少年に正しい知識を与えることが重要であり、それにより青少年がタバコを吸い始めることを予防できるのです。
(11)ヨーロッパは、人口の3分の1が死亡するようなペストの流行を何度も経験しています。都市の城壁の中に、ペストの患者さんを一人でも入れてしまうと、大流行が始まるのです。それで健康問題の対策は、強権をもって徹底して行うようになっています。1964年に米国は、タバコと健康障害の関係を認めて、タバコ会社の社長を議会に呼んで証言させました。また裁判でも巨額の賠償金を支払わせました。
(12)日本のタバコ対策は、他の政策と同様に「浮動」しています。各方面からの圧力により揺れ動いています。日本では、タバコ会社側が負けた判決は、まだ一つもありません。
(13)タバコにはヘロインと同じ強さの依存性があり、それを背景にしてタバコ産業は、喫煙者の「否認」を巧みに利用して禁煙を困難にしています。巨額のお金を稼いでおり、関係機関をコントロールしています。社会心理学を利用し、マーケット・リサーチを通じて、有効な販売策を実行しています。
こうした中で、素人の思いつきで禁煙しようとしても、なかなかうまくいきません。専門家の助力が必要です。力になるのは、国際機関やアメリカの政府機関のアドバイスです。
(14)私は、中小企業向けの健診会社にいたことがあります。ある建築業の会社では、喫煙率は95%くらいでした。別のある公的銀行では喫煙率は5%くらいでした。その銀行の人になぜそんなに低いのかと聞いたら、「禁煙が奨励されており禁煙活動が行われているから」とのことでした。やればできるということです。グループ治療は有効です。
(15)アメリカ国立がん研究所のホームページに、Clearing the Air 「空気をきれいに」という小冊子があります。禁煙のガイドの小冊子です。私は、同研究所に手紙を書いて、①この小冊子を日本語に訳してよいかどうか、②その訳を私のホームページ上に掲載してもよいか、を尋ねました。返事があって、同研究所のホームページ上の文章を訳するのに許可は要らないとのことでした。ただし訳と同研究所は無関係であることを明記するように求められました。それで私の訳を掲載してあります。
(16)たいていの禁煙プログラムの成功率(禁煙達成率)は、たかだか数パーセント程度です。私の話もそのくらいでしょう。ニコチンガムやパッチを使うと、その率が2倍になり、飲み薬を使うと3倍になるそうです。その程度です。薬を使うと簡単に禁煙が達成できるわけではありません。
(14)私は、中小企業向けの健診会社にいたことがあります。ある建築業の会社では、喫煙率は95%くらいでした。別のある公的銀行では喫煙率は5%くらいでした。その銀行の人になぜそんなに低いのかと聞いたら、「禁煙が奨励されており禁煙活動が行われているから」とのことでした。やればできるということです。グループ治療は有効です。
(15)アメリカ国立がん研究所のホームページに、Clearing the Air 「空気をきれいに」という小冊子があります。禁煙のガイドの小冊子です。私は、同研究所に手紙を書いて、①この小冊子を日本語に訳してよいかどうか、②その訳を私のホームページ上に掲載してもよいか、を尋ねました。返事があって、同研究所のホームページ上の文章を訳するのに許可は要らないとのことでした。ただし訳と同研究所は無関係であることを明記するように求められました。それで私の訳を掲載してあります。
(16)たいていの禁煙プログラムの成功率(禁煙達成率)は、たかだか数パーセント程度です。私の話もそのくらいでしょう。ニコチンガムやパッチを使うと、その率が2倍になり、飲み薬を使うと3倍になるそうです。その程度です。薬を使うと簡単に禁煙が達成できるわけではありません。
しかし、高橋先生の禁煙マラソンは、成功率が50%~60%であるそうです。グループ治療により、 craving (吸いたくてたまらない気持ち)を、コントロールしています。禁煙マラソンでは、薬を使わない人の方が多いそうです。禁煙希望の人は、高橋先生の本を読むのもお勧めです(下記)。
(17)予防教育が重要です。家に中学生や高校生がいる方は、「わずかでも吸ってはいけない」と子どもに言って下さい。
(17)予防教育が重要です。家に中学生や高校生がいる方は、「わずかでも吸ってはいけない」と子どもに言って下さい。
「オーストラリアのCM」
オーストラリアで放送されているCMです。
「ルーシーのCM」
夫の Desi は肺癌で死亡しました。妻のルーシーは解離性大動脈瘤で死亡しました。
「My Beautiful Cigarette」
吸いたくてたまらない気持ちが表現されています。
お勧めサイト
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