子どもが健全に発育するためには、母親の関与と共に父親の関与が必要です。
(1)子どもの発達における父親の関与
アメリカ合衆国厚生省の「情報と技術を提供するための子どもケアセンター」は次のように述べています。
http://nccic.acf.hhs.gov/poptopics/fatherinvolvement.html
「研究により明らかなことは、二人の親が、子どもの生活に積極的にしっかりと関与すれば、子どもは、平均してより健康でより生産的な人生を歩むことができることである。この数年で、父親が自分の子どもにしっかり関与するように促し支援するような、いろいろな新しい取り組みが多数始められている」。
http://nccic.acf.hhs.gov/poptopics/fatherinvolvement.html
「研究により明らかなことは、二人の親が、子どもの生活に積極的にしっかりと関与すれば、子どもは、平均してより健康でより生産的な人生を歩むことができることである。この数年で、父親が自分の子どもにしっかり関与するように促し支援するような、いろいろな新しい取り組みが多数始められている」。
そして、連邦政府が資金を提供している各種団体が列挙され、それぞれについて簡単な解説の文が書かれています。
(2)子どもの心理学的発達における親の役割
アメリカの医学雑誌 Pediatrics(小児科)の Jerome Kagan は、次のように述べています。
Pediatrics Vol.104 No.1 July 1999
http://pediatrics.aappublications.org/cgi/reprint/104/1/S1/164.pdf
Pediatrics Vol.104 No.1 July 1999
http://pediatrics.aappublications.org/cgi/reprint/104/1/S1/164.pdf
「親が子どもに影響を及ぼすには、3つの経路がある。1つ目は直接的な経路である。親が子どもと直接に関わることで、知的発達や性格特性に影響を及ぼす。特に攻撃性のコントロールや、達成への動機付けに影響を及ぼす。2つ目は親が所属する集団からの影響である。子どもは、親が言ったことよりも、親が行ったことに多く影響される。親の学歴や職業や仕事の仕方により、子どもは影響を受ける。3つ目は身内の業績による影響である。祖父母や叔父叔母の職業や人柄から影響を受ける。2つ目と3つ目の間接的な経路により、自分の能力への自信に影響を及ぼし、それはさらに、将来の成功への期待に影響を及ぼす」。
(3)子どもの福祉に及ぼす父親の影響
アメリカ合衆国厚生省の「子どもの福祉、情報窓口」は次のように述べています。
http://www.childwelfare.gov/pubs/usermanuals/fatherhood/chaptertwo.cfm
http://www.childwelfare.gov/pubs/usermanuals/fatherhood/chaptertwo.cfm
「父親が子どもにしっかり関与すれば、子どもの認識能力、教育達成度、心理的安定度、社会的行動が向上する。
①父親と母親との関係が重要である。
②父親が子どもにしっかり関与すれば、子どもの知能指数、言語的能力が向上する。
このことは、子どもが思春期や青年期に達しても続く。
③父親が関与しながら生育した子どもは、自分の世界が広がることを歓迎し、セルフ・コント
ロールをうまく行い、社会のための行動を行う割合が高い。」
①父親と母親との関係が重要である。
②父親が子どもにしっかり関与すれば、子どもの知能指数、言語的能力が向上する。
このことは、子どもが思春期や青年期に達しても続く。
③父親が関与しながら生育した子どもは、自分の世界が広がることを歓迎し、セルフ・コント
ロールをうまく行い、社会のための行動を行う割合が高い。」
(4)子どもと家庭に対する父親の重要性
著者のJacinta Bronte-Tinkew 氏は、アメリカ国立衛生研究所NIH の地域健康促進組織の科学調査官です。
同氏が作成された原稿によれば、以下のようです。
①父親は、母親とは異なった活動を、子どもと行う。例えば学童以上では、スポーツやゲームを行う場合、
母親と比較して、より競争的で、独立的で、リスクを冒すような競技を選ぶ。
②父親が子どもに関与すると、子どもの福祉に良い影響を及ぼす (以下に列挙する)。
・ 良好な認知的発達、学業成績、高等教育
・ 性役割の発達
・ 同僚との良好な関係 (自己認識、協調性)
・ 危険な行動の減少 (薬物使用、アルコール消費、犯罪、早期の妊娠)
・ 行動のトラブルの減少
・ 心理的安定 (抑うつの減少、良好な自己評価)
・ 成年早期における経済的な満足感
・ 成年早期において親の役割に肯定的態度を示す
③父親が子どもに関与すれば、養育費の支払いが良好になる。
④子どもの性別により、父親からの影響は異なる。
・ 幼児期には、女の子よりも男の子の方が、父親からの影響をより強く受ける。
・ 思春期の少年は、非同居の父親と、質の高い関係を結ぶことがある。(学校からの離脱が減り、
学業成績が向上する)。
・ 子どもが18歳から25歳ごろには、父親は娘よりも息子に、より保護的に接する。
(高校教育の成就、一気飲みの予防、学校や仕事との関係、健全な人間関係の形成など
(高校教育の成就、一気飲みの予防、学校や仕事との関係、健全な人間関係の形成など
において、子どもを保護するように接する)