12 Hours to a Great Marriage (2003)という本を読んでいます。英語は平易であり、比較的短時間で読めます。筆頭著者のHowarrd J. Markman は、デンバー大学心理学教授です。この本の Introduction は、無料で読めます。
この本は、この分野における科学的知見を踏まえた本です。また、著者らが行っている実践プログラムにおける経験を踏まえています。
1章(1時間目)では、避けるべき4つの破壊的パターンについて述べています(p22)。
①エスカレートさせること
②相手を馬鹿にすること
③相手について、否定的な説明をすること
④置かれている状況から撤退すること
②相手を馬鹿にすること
③相手について、否定的な説明をすること
④置かれている状況から撤退すること
これらの関係悪化要因について、私は次のように考えました。
①エスカレートさせること
人間は、不愉快なことをされると、不愉快なことを仕返すようにできています。人間には、こうした「仕返し戦略」が身についています。しかし、一たび嫌なことをされると、仕返しが永久に続いてしまうことにもなります。
人間は、不愉快なことをされると、不愉快なことを仕返すようにできています。人間には、こうした「仕返し戦略」が身についています。しかし、一たび嫌なことをされると、仕返しが永久に続いてしまうことにもなります。
②相手を馬鹿にすること
相手の立場、考え、習慣を理解していないことを意味します。相手が全人格をもって行った判断を、尊重していないということです。コミュニケーションに問題があるということです。
相手の立場、考え、習慣を理解していないことを意味します。相手が全人格をもって行った判断を、尊重していないということです。コミュニケーションに問題があるということです。
③相手に対して、否定的な説明をすること
人間は、知らないことに対して、最悪の場合を想定する場合があります。相手がなぜそのような行動をするかの理由を知らないと、それは最低の行動のように見える場合があります。こうした傾向は、社会心理学の帰属研究によっても明らかです。コミュニケーションに問題があると、行為者-観察者のバイアスが大きくなります。それは夫婦の人間関係に悪影響を与えます(小河)。
人間は、知らないことに対して、最悪の場合を想定する場合があります。相手がなぜそのような行動をするかの理由を知らないと、それは最低の行動のように見える場合があります。こうした傾向は、社会心理学の帰属研究によっても明らかです。コミュニケーションに問題があると、行為者-観察者のバイアスが大きくなります。それは夫婦の人間関係に悪影響を与えます(小河)。
④置かれている状況から撤退すること
相手に直面しないことになります。撤退(立ち去り)は、ある意味では、相手に対する最大の批判、攻撃になります。著者は「争いの解決法として撤退を行うことは、不幸と離婚をもたらす主要な要因となる」と述べています(p37)。
相手に直面しないことになります。撤退(立ち去り)は、ある意味では、相手に対する最大の批判、攻撃になります。著者は「争いの解決法として撤退を行うことは、不幸と離婚をもたらす主要な要因となる」と述べています(p37)。
2章(2時間目)では、上記の対策について述べています。
(1)小休止すること
いずれの側からでも小休止を提案して、仕返しの悪循環を停止させます。また適当な時に話すように、時間を決めます。その時までには、雰囲気が改善しています。
いずれの側からでも小休止を提案して、仕返しの悪循環を停止させます。また適当な時に話すように、時間を決めます。その時までには、雰囲気が改善しています。
(2)話し手-聞き手の技法を使うこと
この技法では、相手の話を聞いて、批判を交えずにそれを復唱します。話す人は「私は‥‥」のように、自分についてだけ話します。聞く人は、「あなたは‥‥」のように述べて、聞いた内容を確認します。議論をしません。そして、2~3の文を述べたら、話し手と聞き手を交代します。
この技法では、相手の話を聞いて、批判を交えずにそれを復唱します。話す人は「私は‥‥」のように、自分についてだけ話します。聞く人は、「あなたは‥‥」のように述べて、聞いた内容を確認します。議論をしません。そして、2~3の文を述べたら、話し手と聞き手を交代します。
著者らのプログラムを受けた人々は、最も役に立ったこととして、この技法を挙げるそうです。そして、その後の成績も良いそうです。この技法がうまく行くということは、コミュニケーションの失敗は、相手の話をしっかり聞かないことが原因だということです。論争をしていても、相手の話の内容を、あまりよく理解していないのです。
著者は「相互の立場が充分に理解されれば、目の前の問題を実際に解決する必要はあまり無い」と述べています。(本当に何かを決めなければならない場合については、後の章で述べられています)。
要するに、衝突すること無く、トラブル無く、うまくコミュニケーションを行えば、関係の悪化は避けられるということです。