私は、勝間氏の本をほぼ全て読みました。また勝間氏が推薦する日本語の本も10冊以上読みました。(同氏が推薦していない)英語の本を5冊購入し、英語CDブックを1つ購入しました。

勝間氏の聡明さと多産さに驚き、敬服しています。

勝間氏は、以前は経営コンサルタントをしておられました。最近では、本を執筆することにより、読者個人のコンサルタントをしておられます。

提供される情報に信憑性があるかどうかを判断する基準が2つあります。
(1)その問題についてその人は高等教育を受けているかどうか。
勝間氏は、慶応大学で高等教育を受けておられます。また公認会計士試験にも合格しておられます。さらに外資系企業で必要な教育を受けておられます。
(2)引用は適切か
勝間氏の本を、参考文献が挙げられており、適切な良書が下敷きになっていることが分かります。引用は適切です。

この2つの基準を満たしており、勝間氏の提供する情報には信憑性があると判断され、内容の検討に価すると判断されます。

ところで勝間氏は、健康法を実践しておられます。勝間氏の本によれば、次のようです。勝間氏は、禁酒、禁煙、禁カフェインをしておられます。睡眠時間は6時間以上確保しておられます。また、「白いもの」を食べないそうです。白米と精白パンのことだろうと思います。代わりに玄米と穀物パンを食べておられるのでしょう。そしておかずは「迷ったら魚」にしているそうです。また、車の代わりに自転車に乗って運動をしているそうです。

いずれも正しい生活習慣であると思います。広汎な読書により、正しい生活習慣について学んで、それを実践しておられるのだろうと思います。

しかし、最近、勝間氏は、肥満について語っておられます。これには、問題があります。上記の基準について言えば、次のようです。(1)勝間氏は、肥満に関する高等教育を受けていない。(2)肥満に関する引用も適切でない。参考文献は、評論、独自研究、生活習慣病の概説などです。肥満対策の食事の技術書がありません。

栄養学に関する基本的な概念も習得されていないと思います。例えば、必須栄養素、栄養所要量アミノ酸桶ドベネックの桶、欠乏症、糖尿病の食品交換表などの知識です。

勝間氏は、11月の初めに風邪をひいて、スケジュールに変更を余儀なくされたそうです。これは、同氏の最近のダイエット法が誤ったものであることを示唆しています。本当に健康な人は、風邪も引かないものです。

ところで、野口教授、勝間氏、神田氏に共通するのは、英語ができるということです。世界の共通言語は英語であって、英語により情報は伝達されます。神田氏が言うように日本は情報鎖国の状態になっており、英語ができる人だけが、正しい情報を受け取ることができます。

私は、予防医学を30年以上勉強しましたが、日本とアメリカで事情が異なっている場合には、たいていは日本が誤っており、アメリカが正しいことが後になって分かるのです。しかし、肥満だけは別です。次のグラフを見てください。日本と韓国だけが、まともなのです。原因として考えられるのは次のようなことです。(1)日本では欧米に比べて肉の消費が少なく魚の消費が多いこと。(2)パンの消費が少なく、(完全な穀物食である)ご飯の消費が多いこと。(3)学校給食を通じて正しい食事についての概略を知っていること。(4)食品産業のロビー活動に日米で差があるかもしれないこと。

ダイエットとは、全ての栄養学的要請を満たした上で、取り過ぎている栄養素だけを減らすという特殊技術です。例えば、糖尿病の食品交換表を参考にすべきです。

正しい食事法を、勉強家の勝間氏が知らなかったとしても、同氏の責任ではありません。健康に関する基本的知識を充分に分かりやすく広報していない日本政府の責任です。