以前の児童養護施設の子どもたちは、高校3年生で卒業した退所後は公的支援(特に経済的支援)をほぼ受けられず自分で生活費を稼ぐしかありませんでした。ここ数年で経済的支援(社協の貸付など)や自立支援事業が始まり、退所後も一定の支援を受けられるようになってきましたが、まだまだ課題は多く行き渡らないのが現実です。となると、元生活していた施設で関係性のある職員がキーマンとなります。この職員と退所した子どもたち(大人になっても)が繋がり、何かあるときに生活の課題について相談に乗ったりしてサポートをしております。

そして、るんびにーでは周りの方々のご寄附や職員からの毎月の積立で自立支援基金(ののの会)を作り運用しています。

 

これまでたくさんの方に会の趣旨をご理解いただき、お陰様で大学等の進学や就職の際の支援金給付、失業して困っている時の経済的支援、また物価高騰の生活費の補助など、基金の運用をすることが出来ています。

課題としてあったのは、18歳になった後に多くの子どもが取得する運転免許の取得費用をどのように捻出するかということです。車社会の茨城では誰もが持っていた方がよいのですが、30万円以上かかる取得代のうち県等からは平均半分くらいの補助しかなく、あとは自分で用立てることが必要となっています。多くの一般家庭では保護者がその費用を支出するのではないでしょうか。

そのような中、昨年夏ごろに、鹿嶋市にある大栄システム株式会社様(取締役会長:大森様)から大きな寄附をいただきました。子どもたちのためになるならば施設の考えて使用してくださいとのことでした。どのように運用するか職員とも検討しておりましたが、この運転免許取得の費用を、アルバイトや貯金などで自分で用立てる部分を少しだけにして、ののの会からの支援金を出すと子どもたちの負担は大きく軽減して自立により繋がるのではと考え、その支援金を創設することとしました。その他の支援金についても対象の範囲や金額の拡充をしていこうとなりました。

これからも子どもたちのニーズに合わせた運用ができるよう、進めていきたいと考えております。