※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
「チェリーの巻」のような意。話の位置は前回の「コーラの巻」の続きです。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

 

 

チェリー達がクビドとリオールを連れて来るまで、コーラも目覚め、話が出来るまでに回復した。

「これから、コーラのちぎられた翼の痕を確認する。
服の上からでも痕を確認するには、天使の力が必要だ。クビド、リオール用意はいいな」
後ろ向きに立ったコーラの背中にトンニャンが両手をかざすと、そこに、対の天使クビドとリオールの手が重ねられた。



「大丈夫、思うままに力を解放していいよ。」
不安そうなリオールにクビドがささやく。
「チェリー、何か起きた時の為に待機していてくれ。もしもの時は、コーラを頼む」
「了解。任せて」
トンニャンに言われて、チェリーがコーラの前に立った。



「行くぞ」
トンニャンの声と同時に、重ねられた手が光を放ちコーラの頭から足まで、背中全体を照らした。
「カハッ!」
コーラの身体が逃げるように前に倒れた。それをチェリーが受け止める。

「封印の強さが尋常ではない。体が耐えられるか・・・」
「見えたぞ!」
クビドが叫んだ。コーラの身体には、頭から背中、足にかけて、八つのえぐられたような痕があった。



「翼は四つ。だから、ちぎられた痕は八つだ。・・・よし、封印を元に戻す。」
トンニャンの指示で、今度はまた翼の痕を封印する為、続けて光が放たれた。
全てが終わった時、コーラはまた気を失って倒れ、光を放った天使達も疲れきっていた。

「なんで、また封印したんだ?」
見ていたアシュラには理解出来ない。



「あの翼の痕は、封印を解くと、翼が復活する可能性がある。
いずれ必要な時が来るかもしれないが、今は無い方がいい。
パワーズ(能天使)に見つからない、とも限らないからな」
トンニャンはひと通り説明すると、座り込んでいるクビドとリオールに声をかけた。



「コーラの提案なんだが、この球体を二つともそのままにしておき、隣の球体をクビドとリオールが自由に会える場所として、そして、この球体は、我々の誰かが何かで必要な時に使う、というのはどうだろう。」
「え・・・隣の球体を自由に使っていいのか?」
クビドはリオールと顔を見合わせた。



「あぁ、コーラが、せっかく対の天使が出会ったのに、天上界と魔界じゃ会えないだろうからって。
さっき、チェリーとアシュラに、二人を迎えに行ってもらってる間に言われたんだ。
それに、この先を考えると、もしかしたら、この誰にも見えない球体が頻繁に必要になるかもしれない」

ソファーに寝かされていたコーラが、突然目を覚ました。
「トンニャン、クリスタル持ってる?」
「え?持ってるけど。」
「ちょっと出して見て。」
「何か見えたのか?」



トンニャンはコーラに言われるままに、円いクリスタルを大理石のテーブルに置いた。コーラは、ソファーから起き上がり、クリスタルを両手で包んだ。
「見えたの。この子が。」

「コーラ、この子は・・・。」
クリスタルにはまだ小さな男の子が映っていた。

 

続く
ありがとうございましたm(__)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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