震災から1週間。
東日本大震災は18日午後で、丸1週間を迎えます。
大津波に見舞われた東北の太平洋沿岸部の被害は甚大で、
死者・行方不明者は1万5000人を超えたとのこと・・・。
震災被害は日を追うごとに増え、全容は依然分かっていない。
燃料などの物資不足は解消されず、被災地の市民生活や経
済活動に重大な影響が出ています。
それに、福島第1原発事故が周辺地域に深刻な影響を与えて
います。
丸1週間がたち、街を見て思うのが静かすぎる・・・。
このままだと経済までが沈んでしまうんじゃないかと思います。
そんな風に思っていた時に、為末大選手のメッセージを読んで
その通りだと思いました。
考え方はいろいろありますが、転記しましたので読んで下さい。
アスリートへ
今日本が未曾有の危機に面しています。
自分は何ができるんだろう。
そう自問しているアスリートも多いでしょう。
現場はすぐそこにある。
そこに行けば何か役に立てるのではないか。
そういう思いに駆られているかもしれません。
ピッチャーをいくら集めてもチームは成り立ちません。
適材適所、それぞれが自分の役割をこなしてはじめてチーム
は最大限の能力を発揮します。
確かに今現場が苦しいかもしれない。
ですがどんなにもどかしくても自分たちにできる事は限られて
います。
この日の為に準備してきたプロの仕事で私たちがとって変わ
れる事はほとんどありません。
アスリートの代わりがいないようにプロの代わりはいないのです。
だから今は必死で彼らを後方支援するしかありません。
被災地には今後莫大なお金がいるでしょう。
危機はこの一瞬だけではなくこれからの10年続いていきます。
寄付も経済支援もこの一ヶ月のものではなく10年単位で必要
なものです。
経済は循環です。
とにかくぐるぐるまわす必要がある。
循環が遅くなれば自分の手元に入るお金は少なくなる。
日本中みんなの手元にお金がなくなれば、一体誰が被災地に
寄付をし支援し続けるのでしょうか。
日本は非被災地をこれから10年支え続ける収入源を確保しな
いといけないのです。
血が止まれば人は死にます。
経済が止まれば国家は死にます。
今もし不謹慎という言葉で経済を止めれば、結果一番苦しむの
は被災者の人々です。
今止めた経済はこの一年の支援に響く。
もっと止めれば被災地の人々の苦しみがもっと長くなる。
だから今とにかく経済をまわし彼らを長く支援する体制が必要です。
どんな思いがあったとしてもアスリートは自分の胸にとどめて現
実を進めないといけません。
今の日本に負担をかけず経済をまわすやり方は必ずあります。
東が苦しいなら西で支える。
スポーツに関わる仕事は多い。
スポーツ経済をまわす必要があるんです。
災害にあって必死で生き抜こうとしている人がいます。
家族が亡くなり悲しみで動けない人も、大きな支えを失って立ち
すくんでいる人もいます。
だけどその中でも動ける人は動かないといけない。
徹底的に被災者の分もカバーして動かないといけない。
その活力を生み出す可能性をアスリートは持っています。
世の中が混沌としているときは不安もあるでしょう、怒りも悲しみ
も、いろんな感情がわき上がってくる。
今人の前に立ち発言する人や、プレーをする人には感情がぶつ
かってくるかもしれません。
罵声を浴びるかもしれない、批判を浴びるかもしれない、嫌われ
者の役割をするかもしれない。
それでも私たちは自分の職業を全うすべきだと思います。
人前に立ち堂々と傷つきながら私たちのプレーをすべきだと思い
ます。
いつも通りのプレーなんてしなくてもいい、平常心でプレーをしな
くてもいい。
悲しいなら喪章をつけて、泣きたいなら泣きながら、責めたいなら
自分を責めながら。
それでも一生懸命な姿を見せる事が大事だと思うのです。
アスリートの人生は人々に支えられてきました。
審判がいて、ボランティアがいて、スポンサーがいて、親がいて、
コーチがいて、ファンがいて、リーグがあって、そして国民がいて、
日本に支えられてきました。
我々は常に応援される側でありました。
人生のほとんどを応援されながら生きてきました。
そして今日本が応援を必要としています。
今こそ私たちが日本を応援する時です。
私たちはアスリートです。
アスリートとは逆境に屈せず、希望を捨てず、チームメイトを励ま
しねぎらい、そして決してあきらめぬ存在です。
だからこそ人々はアスリートに希望を見るのです。
be an athlete
今こそ私たちだけにできる私たちの仕事をしようではありませんか。
TEAMJAPAN 為末