夫と共演することが多い。
舞台は勿論、映画やドラマでも。
札幌に来てからは、当然その頻度が増している。
舞台での共演は最近ようやく慣れて来た。
先日、初めてナレーションで共演する機会があった。
夫はナレーション、私は絵本の朗読。
リハーサルは通しで行われた。
夫と一緒に狭いブースに入る。
実にやりにくい。
百戦錬磨な夫と不慣れな私。
イヤホンを着けリハがスタート。
夫のナレーションが始まり、私の朗読。あれっ?イヤホンから自分の声が聞こえない。通常はイヤホンから自分の声が返ってくるはずだと思っていたが、イヤホンの外からしか聞こえない。あれっ、NHKはそう言うものなのだろうか?私の思い違いか?ちょっとやり難いが、頑張ろうとラストまで終了。
「自分の声は聞こえないものですかね?」とそっと聞いてみた。「えっ?聞こえないままやってたんですか⁉︎言ってくださいよ〜」と驚かれた。聞こえてくる音楽の音が大きくて、自分でボリュームを下げすぎたため声の返しが聞こえなくなったようだ。
声の返しが無いと、自分の声の大きさなどよく分からなく実に読み難いと言うことがわかった。
私は自分の記憶力に自信が無いので、このようなことが度々ある。
以前、ドラマの撮影で着物を着付けて頂いたことがあった。
若い衣装さんが着付けてくれた。着物の合わせ方が右が上になった。あれっ?着物って左が上じゃないか?と思ったが、まさか衣装さんが間違う訳ないし、そういう場合もあるのかなと何も言わなかった。着付け途中で先輩の衣装さんが来て、若い衣装さんの間違いに気付き怒られた。やっぱり違ったのだ、私も一緒に謝った。
あれっ?と思った時は言葉にしなければ。
しかしあれっ?と思って言葉にして、自分が間違えていることも多々ある。
難しい選択である。
本番は一緒にブースに入らず、別々に録音することになりホッとする。夫のナレーションが先だ。
夫がナレーションをしているとディレクターさんから、良いなぁ!ぴったりだ!素晴らしい!と数々の賛辞の声。
プレッシャーを感じながらブースに入った。
どのように仕上がっているだろうか。
手島さんの版画はとても素晴らしい。自然の厳しさと手島さんの大きな優しさが淡々と表現されているように思う。
最後の絵本作りに密着したドキュメンタリー作品。
6月11日金曜 19時半 NHK (北海道)
6月30日水曜 深夜0時10分 NHKBS1(全国)