「永遠」を望む世界のために

一人の生け贄が差し出された

僅か10歳の少年の命

 

少年の双子の妹は

ただ膝を震わせていた

仕方のない事なのだと

必死で自分に言い聞かせながら

少女に男がそっと寄り添った

少年と少女の実の父だった

何のために少年は死んで

何のために少女は生き残ったのか

ただ家族で幸せになりたかっただけなのに

少年が欠けた歪な家族は
ひたすらに哀しみを抱いていた 

少年はさよならさえ言えなかった
精一杯生きて死んでいったけど

ただ一言も残すことはなかった

少年は自分に正直だった

少年は骨さえ残さずに消えた

骨の髄まで生け贄として捧げたのだ

生け贄を捧げられた世界は

これから変わっていくのだろうか

それとも下らないままなのだろうか

少年がただ1つ少女に残した花弁は

風に揺れて呆気なく消えた

全てが夢だったならと

何度も少女は考えた 
少年を死の国まで

追いかけて逝けたなら 

変わり果てた少年の屍
こんなの兄じゃないと泣く少女
 

だがその少女の涙には

これまでになかった強さが宿っていた 
それは命という灯の強さ

少年は死してなお

少女に強さを与えた
父は生きて生き残って

少女に優しさを与えた

 

 

 

 

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