10月28日(土)、南アフリカ対ニュージーランドの決勝で幕を下ろした「ラグビーワールドカップフランス大会2023・フランス大会」。なんだかワールドカップが凄く前に感じられるのは.....気のせいでしょうか。
そこから、約1ヶ月と10日前後で幕開けした「リーグワン2023-24」。今シーズンは、2022年1月から始まった「リーグワン」3年目のシーズンでもあります。
熊谷での開幕戦は、横浜キャノンイーグルス対埼玉パナソニックワイルドナイツ。
会場には、駅からスタジアムまで距離が熊谷という立地ではあるものの12,582人が駆け付けました。横浜キャノンイーグルスで、最も知名度が高い選手と言えば、南アフリカ代表としても活躍したファフ・デクラーク選手。ピッチで早々に、パス練習を披露し、パフォーマンスをするなど、観客を沸かせていました。試合前には、昨シーズン同様にDJKOOさんのパフォーマンスや専属チアリーダーが力強いパフォーマンス披露もあり、スタジアムのボルテージが上がった中で、キックオフを迎えました。
以下、試合結果です。
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)
第1節 カンファレンスB
2023年12月10日(日)15:05 @熊谷スポーツ文化公園ラグビー場
埼玉パナソニックワイルドナイツ 53-12 横浜キヤノンイーグルス
堀江翔太、ラストシーズンへ。王者奪還へ向け、好発進
▶シーズン前、今シーズン限りで引退を表明した、埼玉ワイルドナイツの最年長・堀江翔太。開幕前には、「昨シーズンに優勝できなかったのが悔しいと話す」プロモーションビデオもスタジアム内で流れた。前半5分、日本代表でもキッカーを務めたことが記憶に新しい、埼玉ワイルドナイツ15番SO松田力也がPG(ペナルティゴール)で、3点を先取。更に前半7分、モールからボールを持ち出し、埼玉ワイルドナイツ9番SO小山大輝がトライを決め、5点を追加。松田がCG(コンバージョンゴール)も決め2点を加え、早くも10点を先制。前半9分、またもや埼玉ワイルドナイツ7番FLラクラン・ボーシェーがトライし、CGモ決まり17-0。更に前半14分、埼玉ワイルドナイツLO6番ベン・ガンターがトライ。5点を追加し、22-0。しかし前半27分、横浜イーグルスも始動。横浜イーグルス11番WTB松井 千士がトライし、CGを10番SO田村優が決め、7点を返す。更に、前半39分、横浜イーグルス14番WTBイノケ・ブルアがトライ。横浜イーグルスが12点を返して、前半を折り返した。▶後半の先制は、埼玉ワイルドナイツ13番CTBディラン・ライリーがトライ。CGを決め、更に29-12へ点差を広げた。後半10分、埼玉ワイルドナイツ15番FB山沢拓也がゴール中央にトライ、34-12へ。埼玉ワイルドナイツ7番FLラクラン・ボーシェーも2トライ目を重ね、41-12。ここで、堀江翔太がピッチに入り、会場から大きな拍手があがる。メンバーを互いに入れ替えた後、埼玉ワイルドナイツ20番FL大西樹がボールを持ち出しトライ、46-12。これでは終わらず、後半43分、埼玉ワイルドナイツ23番WTBマリカ・コロインベテがロングゲインし、トライ。CGも決め、53-12のスコアで、ノーサイドとなった。
以下、試合後の記者会見のコメントです。
●横浜キャノンイーグルス
●沢木圭介監督(写真右)
「今シーズンは、どこもこういう強化をしてくるし、もう1試合1試合を危機感を持ってやんないと、こういうゲームって僕は今後も起こりうると思う。ただ今日の最初の入りはね、最初の10分15分で、今日の試合は決まりました。やっぱり最初の入りで、あの点差になると、ゲームプランも全部やっぱり崩れてくるし、何にもできなかったっていうのが、そういう状況でしたね。ただ新しいディフェンスは、あんまり機能してなかった。全然機能しなかったんだけど。新しいことやってるんで。その変化を恐れて、これでまた1回失敗したからって、変化を恐れて、前に戻すとかって、そういうのは僕はしたくないんで。3試合4試合目までこういう状況は続くかもしんないすけど。それでもね、我慢強く、プレーできればシーズンの終わりぐらいには、自分たちが望んでる形に繋がっていくんじゃないかなと思う。もちろん、そんな3試合4試合続くのは、望んでないですよ。ただ今は、変化のための我慢ですけど、何回も言うように、最初の15分は少し残念でしたね。」
●梶村祐介キャプテン(写真左)
「お疲れ様です。今監督がおっしゃったように、こういうゲームでああいう入り方をすると、なかなかゲーム中に自分たちに流れを取り戻すってのは難しいですし、こういう結果になってしまうなっていうのを、改めて感じました。そのベースのところ、今日はビジネスのところは、自分たちプラン持っていると思ってますし、ただその根本の1人1人のマインド=アティチュード(attitude)っていうところの準備が、1人1人足りなかったなってふうには感じてます。今シーズン、どこに勝つのも簡単じゃないですし、どこのチームと試合するときも、絶対に接戦になるとは思ってるんで、1試合1試合、本当にもっと自分たちの準備、そして本当に選手1人1人が危機感を持って試合に対して臨まないといけないなというのは、感じました。」
〇埼玉パナソニックワイルドナイツ
○ロビー・ディーンズ監督(写真右)
「本当に、素晴らしい初戦でした。素晴らしいパフォーマンスでした。初戦においては、ワールドカップから帰ってきたメンバーの準備期間が本当に短かったですが、素晴らしいゲームでした。はじめから、どこをターゲットとして成長していくかを伝えていたのですが、それがしっかり証明できていました。本当に今シーズンは、タフな大会になると思っていました。ただ(チームの)背景には、メンバーの継続性があるので、助かっています。何が最も良かったなというふうに思うと、前半のところはリードしていたんですけれども途中で劣勢になったところから、後半のところでまた自分たちのスタンダードっていうのを上げられたとところが、本当によかったなというふうに感じております。後半は、この場をお借りして、名前を挙げたいと感じております。まずラグラン・ボーシェー選手からです。今週息子さんが誕生されて、お子さんが2人になり、2トライで、それを祝福できたんじゃないかなというふうに個人的には感じてますし。あと坂手キャプテン。このチームをどうやって一つにまとめるかという、まとめてどうやって上げていくかというところでは、本当に努力をしてくれたと感じております。あとは、地域の皆さんであったり、ファンの皆さんに、本当に感謝したいなと思っております。彼らのサポートというのが、必要不可欠となっております。」
○坂手淳史キャプテン(写真左)
「最初に、ロビー監督もおっしゃられましたけど、本当このスタジアムで開幕戦を迎えられて、大勢のファンの中でファンの前でプレーできたのはすごく嬉しかったですし、天気も味方をしてくれて、温かいいい天気の中プレーできたっていうところは本当に良かったなと思ってます。たくさんの声援も聞こえていたので、これからも自分たちのプレーで、みんなを盛り上げられたらなという風に思ってます。プレーについては、いいスタートが切れたと思います。今週、先週と宮崎合宿に行って、そこから自分たちのキヤノンに対しての自分達のプレーというのを落とし込んで、そこからすごく時間は限られていましたけど、みんなの集中力が高くて、幸いなことに昨年から大きくメンバー変わっていないというところでも、チームの戦術戦略っていう方の落とし込みっていうところは、スムーズにいったっていうのが、今週出たかなと思っています。みんなのパフォーマンスには、本当に満足していますし、誇りに思っています。ただ、スタートしただけなんで、これからどうチームとしてバランスとして更に成長できるか、どういうプレーを今後見せるかっていうところにフォーカスして、さらに成長していきたいなと思っています。」
以下、試合後のミックスゾーンでのインタビューです。
●埼玉パナソニックワイルドナイツ:小山大輝選手
――53対12で勝利となりました。感想は、いかがでしょうか。
「自分たちのアタックができたし、ディフェンスもできたんで、今後に繋がるかなと思います。」
――トライもありましたけど、あのポーズは?(大西さんもやっていましたか?)
「ワイルドナイツの島田彪雅が作ってるブランドのインフィニティってマークなんですよ。今、ちょっとみんなで流行っていて、それで今日絶対やろうと決めてたんで。やりました。」
――前半は、相手にちょっと失点を許す場面もあったと思うんですけども、相手のイーグルスは戦ってみてはいかがでしたか。
「デクラーク選手と田村優さんが、結構もう組み立ててくるので、そこは警戒しながらやったんですけど。前半の後半ですね、(僕らも少し)疲れてきて、ちょっと失点しちゃったんで、次の試合からは、そこを気をつけながら、もっと良いゲームできたらなと思います。」
――ご自身のプレーは、いかがでしたか。
「ちょっと、キックが何回もミスちゃったので、練習して、次の試合にまた生かしていきたいなと思います。」
――昨シーズンは、悔しい結果で終わったと思うんですけど、プレシーズンに気をつけていたこととかは、ありますか。
「そうですね。トライを取り切るところですかね。去年、決勝でやっぱトライを取り切れないで負けたので、今年は取り切るっていうところを意識して、チームでやっています。」
――堀江選手の引退も発表されましたけど、何かそのことってチームに影響ってありますか。
「そうですね。堀江さんも、このシーズンで引退しちゃうってことなんで。やっぱり優勝で終わらせてあげたいなっていう気持ちで、やっぱりチームがまた強くなるんじゃないかなと思います。」
――何か、そういうチームの雰囲気っていうのはありますか。
「まだ出てないですけど、多分みんな思ってるんじゃないすかね。」
――宮崎合宿は、ご自身としては何か手応えありましたか。
「そうですね。宮崎合宿で、やっぱ代表組とか海外の選手が集まって、合わせてきたので、結構いい1週間の合宿ができたなと思いました。」
――シーズン始まったばかりですけども、ご自身の目標はなんでしょうか。
「そうですね。全試合まず出るっていうのと、自分の得意のタックルやアタックのところでもっとアピールできたかなと思います。」
――では、次の花園戦に向けての意気込みをお願いします。
「自分たちのまずやることを、しっかりみんなで意思疎通して、また絶対勝ちにいきたいなと思います。」
●埼玉パナソニックワイルドナイツ:ヴァル・アサエリ愛選手
――今日、試合を終えての感想はいかがですか。
「勝って良かった。スタートからもうみんなすごいスタートしてて、良かった。もう最初からのスタートがすごい良かった。」
――後半から入ることになりましたけど、スタメンのメンバーはどんなふうに見てますか。
「いや、スタメンのメンバーがすごい前半のスタートから頑張って、点差を取って、そのおかげもあって、後半からのメンバーもしっかりそれを見て中に入って、それをキープし続けて、点差も重ねて、すごく最後まで諦めないで勝つことが、すごく良かったです。」
――ヴァルさんからは、何か(スタメンの藤井選手に)アドバイスをしていたんですか。
「僕は、そんなにそんなにじゃないですけど。相手の何かフェイクのプレーとか、藤井にそういう相手のプレーをラインアウトとかしっかり見て、試合前には言っていたんですけど、そこはすごい良かったです。」
――相手のキヤノンは、昨シーズン準決勝のカードでしたけど、そのあたりはいかがですか。
「そうですね。戦ってみて、去年は、すごくいい試合だったけど。今年、多分(ワイルドナイツの)準備がすごい良かったんじゃないかな。みんなのメンタルのところがすごい良いメンタルを持ってたのが見えたので。自分達から仕掛けて、プレッシャーかけて、そこが良かったじゃないじゃないですかね。」
――シーズン始まったばかりですけど、目標を教えてください。
「1個1個の試合を大事にして、もう今週の試合が終わって、来週もこのままの調子でキープしながら、1試合1試合を大事にして、勝って、優勝を目指して、できるように頑張っていきたいと思います。」
――次戦は、花園戦になりますけど、意気込みを教えてください。
「相手は近鉄なんですけど、気を抜かないで、もう100%で毎試合頑張っていきたいです。」
●横浜キヤノンイーグルス:中村駿太選手
――今日の試合、振り返っていかがでしょうか。
「本当に準備してきたことが出せず、最初の20分で決まっちゃったなっていう、本当に残念な気持ちです。」
――移籍してきて、初の公式な試合ということだと思うんですけども、そのあたりご自身としては、どんなことを考えて臨んだ試合でしたか。
「本当に、自分の役割をしっかりするっていうところと、チームとしても個人としても、いいスタートを切りたいなっていうふうに思っては、臨みました。」
――ラインアウトなど、セットプレーは、いかがでしたか。
「そうっすね、本当大事なところで、ノットストレートとられちゃったんですけど、次第点(おおむねいい結果)かなっていう感じです。」
――スクラムは、いかがでしたか。
「スクラムのところは、プラン通りに、基本的にはプレッシャー受けられていたのかなというふうに思います。一個、残念な判定も一つありましたけど。」
――ご自身としては、苦戦の要因一番はどこだと思いますか。
「入りのところ、本当に。最初に15分。20点ぐらい取れちゃったんで、もうそこですね。」
――シーズン始まったばかりですけど、ご自身の目標というのは、どんなところにありますか。
「本当に(沢木)圭介さんを胴上げする、最後に。もう、それただ一つなんで。それに向かって、しっかり自分ももっとレベルアップして成長して頑張っていきたいなと思います。」
――ちなみに、沢木監督からどんなアドバイスがあるんですか。
「いろいろメンタル面のところも、ブレー面のところも、いろいろ本当にアドバイスいただいてますよ(笑)。」
――それは、サントリーの時からですか。
「サントリーの時から、U20からも、すごくお世話なってるんで。」
――そのあたりは、監督としても何かやりやすいという部分は、ありますか。
「すごくやりやすいです。監督の考えてることも何となくわかるし。すごいやりやすいです。」
――次のトヨタ戦への意気込みを
「次、ホーム開幕なんで。そこに向けて、まず準備して、次こそ初勝利できるように頑張りたいと思います。」
フランスでの取材を通して、ラグビーカフェの在り方や取材の仕方に、いっぱい悩んだ10月11月でした。
悩んでいる間にシーズンに突入しています。
今シーズンも試合後のインタビューの声は、ラジオでもお楽しみいただけます。
ぜひ、ここでしか聴けない情報もあるので、シーズン中のお供にお楽しみください。(有働)
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●FMラジオ番組「ラグビーカフェオンレディオ」
【2023年12月13日現在、全国6局ネット放送中】
☆火曜日
調布FM(東京都調布市)★午後10:30~
☆木曜日
FMピッカラ(新潟県柏崎市)午後7:00~
FM JAIGO WAVE(青森県田舎館村)午後9:00~
鎌倉エフエム(神奈川県鎌倉市)★午後10:10~
☆金曜日
FMねむろ(北海道根室市)★午後2:30~
FMちゃお(大阪府八尾市)午後9:00~
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