ラグビー7人制男子日本代表 インタビュー @熊谷合宿 | ラグカフェ編集部の取材メモ

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4月26日(水)午前中、ラグビー7人制男子日本代表の熊谷合宿3日目が熊谷荒川緑地ラグビー場で行われました。

この日は、一般の方にも向けた公開練習日で、雨が降る悪天候にも関わらず、沢山の方が見学に訪れていました。



9時半から2時間半近く練習した後、選手達が滞在するホテルのロビーで、メディア向けのインタビューの時間が設けられました。 



この日は、去年に就任したサイモン・エイモーHCと以下の選手2人にインタビューしました。

 

●サイモン・エイモーHC



・今日は、大会を控えての熊谷合宿でしたが、どういう練習をしていたんでしょうか

「アタックとディフェンスにおける情報判断力の練習を主にやっています。幸運なことにジェームス・ロドウェルさん(7人制イングランド代表)という凄く経験のあるセットピースの得意なキックオフの得意な選手が合宿に参加して、凄くいい形で落とし込みが出来ています。」

 

・この合宿のフォーカスポイントと改めて位置づけについて教えてください。

「シンプルに、アタック・ディフェンスでの状況判断力の養成。違う状況っていうのは、セブンズでもいろいろあるので、その状況を理解するって力を、しっかり向上させています。」

 

・前回の大会では、アイルランドに初勝利もありましたが、その辺りの手ごたえはいかがでしょうか。

「やはり選手は、試合に勝つ勝ち方を学んでいます。他のチームより、経験不足によりミスが多いので、僅差での負けを僅差での勝利に帰るようなチームになってきています。」

 

・僅差での負け・勝ちというところで、改めてどんな部分が足りないんでしょうか。

「いい質問ですね。やはり、いかにプレッシャーを対処できるかっていうところですね。そこまで、(相手が)どういう戦い方をしていたのかを理解すれば、僅差の負けを、勝ちに変えられると思います。」

 

・オリンピックも見据えてだと思いますが、残り2大会をどのように戦っていきたいですか。

「そうですね。先々というよりは、しっかり次回のトーナメントにフォーカスすることが大事です。次の試合をどう勝つか、それによって試合の勝ち方を学ぶことを繰り返していくことによって、ベストな状態になって、オリンピックに臨んでいけると思います。」

 

・お忙しいサイモンHCですが、何か日本の食べ物とかで気に入ったものはありますか。

「大好きsushi、あとは天ぷら、沖縄でのお寿司、あとは福岡ラーメン!。」

 

・ラジオをお聴きの皆さんへ

「いつもご支援ありがとうございます。本当に我々若いチームなので、経験不足によるミスや負けがあるかもしれませんが、選手は誇りをもって努力していますので、しっかり応援してください。」

 

●中川和真選手(横浜キヤノンイーグルス所属)


・今日は、熊谷合宿3日目でしたが、練習を終えていかがでしたか。

「久しぶりにチームに合流して、チームの状態って部分では完成度は高いと思いますし、かなりレベルアップもしてきていると思いますので、自分自身も課題が残る中で、しっかりチームにコミットして、まずはメンバー入りっていうのをしっかり果たしていかないと、今後自分のチャンスや自分の成長にも繋がらないので。今回、1ヶ月ぶりにセブンズに合流して、久しぶりっていうキツさもあったり、シンプルにラグビーを楽しんでいる状態ですかね。」

 

・香港・シンガポール大会は、どのようにご覧になってましたか。

「まずは、(出られなくて)悔しい気持ちがありましたし、でも僕自身チームに凄く自信持っていますし、勝ってくれるだろっていう信頼があるので、まずは応援する気持ちで見ていましたし、自分だったらどうするかなっていう風に考えながら、まずはチームの勝利を願って見ていました。」

 

・1か月ぶりの合流でしたが、体のコンディションはいかがでしょうか。

「自分的にはいいと思っていますし、スピードも上がってきていますし、試合から離れていたんですけど、体力的に落ちている気もないので、自分的にも調子はいい方かなって思っています。」

 

・1ヶ月は、何かを重点的に練習していたって感じでは、ないですか。

「こういう試合形式ではないですね。個人練習ですね。チームからも外れていたので、1人や2人でのトレーニングが多かったんですけど、スピードだったり反応やリアクションの部分っていうのは特に落ちている感じはしないので、自分的にはもっとレベル高いところで出来るっていう自信はあります。」

 

・この熊谷合宿では、どんな所にフォーカスしていきたいとか、ありますか。

「やはりサイモンさんから求められるものがあるので、そこにしっかりフォーカスして、自分の役割っていうのをしっかり理解しながらやっていかないとなって思っています。」

 

・サイモンさんは、(ご自身にとって)いかがですか。

「サイモンさんは、選手時代もすごい方ですし、コーチとしても色々なことを細かく教えてくださるので、本当にリスペクトを持っていますし、こういう凄い選手だった、そういう方に教えてもらえることに凄く感謝していますし、その機会っていうのを嬉しく思っています。なので、しっかりオリンピック予選まで自分がコミットすることであったり、色んなコミュニケーションとって、どういうことを求められていくかってことをもっと話していきたいって思いますね。凄い選手なので、もっとサイモンさんからの話も聞きたいですし、僕からも発信していきたいですし、もっとコミュニケーション取れればいいかなって思います。」

 

・先ほど、練習を見ていて思ったのですが、凄く(選手を)褒めてくださいますよね。

「そうですね。選手って、やはり褒められると凄く嬉しいので、ああいうところですかね。サイモンさんは。怒るだけでなく、選手褒めて自信を持たせるっていう意味では、本当に選手のモチベーションをあげてくれますし、あんまり怒らない人なので、逆に(それが)怖いところでも、ありますけど。本当に僕自身リスペクトを持ってますね。」

 

・ご自身としては、現状の課題はどこにありますか。

「タックルの部分ですね。サイモンさんからもチームのスタッツっていう中でも、悪い結果が出ているので、自分自身も理解していますし、本当に明確になっているので、そこは空き時間だったり、色んな時間使って、取り組んでいかないとなって思っています。」

 

・中川選手は、7人制も長くなったと思うんですけど、7人制としての課題はどうですか。

「やはりセブンズを始めた時よりは、スピード・体力全てにおいて、僕的に課題があったんですけど、長くセブンズにコミットしていると体力面であったり、ゲームの流れだったりが経験として身について来たので、どこをポイントとして見るかっていう力はつきましたね。本当に今は、タックルの部分が課題なので、本当にまずはタックルにフォーカスを置いて、取り組んでいます。」

 

・トゥールズの大会もありますが、意気込みはいかがでしょうか。

「今、メンバー当落線上にいるってことは自分で理解していますし、でも本当に色んなことを考えてしまうと落ち込んだりとか色々考えてしまうので、とりあえず目の前のことを本当に頑張るだけなので、頑張り続けて自分の良さっていうのを出して行ければ、今は入れなくても後々の結果にも繋がって来ると思うので、今は努力し続けるっていうのを続けていこうかなって思います。」

 

・モチベーションを維持するためにやっていることは、ありますか。

「それこそ、香港の試合だったり、シンガポールの試合だったり、みんなが頑張っている姿を見ると、あそこに戻りたいなって思いますし、自分自身セブンズ好きなので、セブンズの試合を観ることで、また戻りたいなっていう風に思いますし、こうやってまた呼んでもらってそれに対してもモチベーションが上がりますし、そこはこのモチベーションをもっとキープし続けてやっていきたいなって思っています。」

 

・改めてセブンズの魅力って、どんなところでしょうか。

「セブンズは、スピーディな展開が本当に多いですし、チャンスがある競技だと思うので、日本が本当に結果として下にはいますけど、本当にチャンスが沢山あるっていうスポーツなので、そこには凄くワクワクを感じますね。日本でも出来るんだって、思わせてくれる舞台ではありますし、セブンズは本当に何が起こるか分からないので。こないだアイルランドに勝ってくれたように、どこのチームにも勝てるチャンスだったり、そういう力を持っているので、色々な国と戦いたいなって思わせてくれるのが、セブンズなので。日本でも出来るっていう、色々なチャンスが生まれるところですかね。」

 

・ご自身としては、パリへの想いはいかがでしょうか。

「僕自身、東京オリンピックに入れなかったのが人生で一番悔しい出来事だったので。東京オリンピックが終わった時にも、セブンズから身を引くか15人制に戻るかを考えたんですけど、色んな人に相談させてもらって、自分が一番やりたいことをやった方がいいと思うって言う意見が一番多かったので、本当に相談した方には助かっています。キヤノンの監督やGMにも話をさせてもらって、オリンピック目指したいっていう想いは自分の中で一番強いのでって頭を下げて、15人制がダメになる覚悟でやるので、お願いしますっていう風に言って(チームから)出してもらっているので、パリにかける想いっていうのは僕の中ではかなり強くて。特に、今は本当に踏ん張りどころなのかなって思っています。ここで、腐ってしまうんではなく、ここが経験として生きると思いますし、いいことも悪いこともしっかり経験して、パリに繋がると思えば頑張れるので。パリには行きたいので、僕も。パリにかける想いは、この中でも人1倍あると思っています。」

 

・(元7人制日本代表で、キヤノンイーグルスの先輩でもある)橋野さんには、当時は相談したんですか。

「もちろんしましたね。橋野さんが一番メインってくらいしました。橋野さんは、どういう考えなのかなっていう風に、なんかのご飯の帰りに、車で話をさせてもらって。それこそ、「やりたいことやりぃ(関西弁)」って言ってくれたのが橋野さんだったので、先輩として僕も尊敬もありますし、あこがれもあったので、それが本当に背中を押してくれました。それが橋野さんだけでなく、他の人も頑張れよって送り出してくれましたし。キヤノンイーグルスも本当に帰ったら、お帰りって言ってくれるチームなので、本当に周りの方に恵まれたなって思っています。」

 

・ホテルでのリフレッシュ法は、ありますか。

「ドラマとか映画は観るんですけど、最近始めたのはyoutubeで焚火動画を流しながら本を読むってことをしてるんですけど、本当におススメなんです。リラックス出来て、眠れたりもするので、それを今自宅でもホテルでもやっていますね。」

 

・最後に、ラグビーファンの皆さんへメッセージを

「僕自身、本当にパリに向けて頑張りますので、結果としても応援してくれる方に恩返し出来るように、精一杯目の前のことを頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。」

 

●松本純弥選手(浦安D-rocks所属)


・熊谷合宿3日目の練習を終えた感想は、いかがでしょうか。

「結構、今日の練習はハードだったんですけど、こういう(雨の)コンディショニングの中では上手くできたかなっていうのは、ありますね。皆さんのイメージ通りのアタックだったり、ディフェンス。どんどん特にチーム同士、アタックとディフェンスの強度が特にあがっているので、それは凄くいい事だと思うので、いいセッションだったなと思います。」

 

・ご自身としてのこの合宿でのフォーカスポイントは、ありますか。

「特に、自分は外でトライを取りきるとかの役ではなくて、中に入ってアタックの調整とか上手くボールを繋ぐ役目なので、いいアタックをするためには僕とか野口さんとかの調整が必要だと思うので、とにかくコミュニケーションとって、他人を活かすというのをイメージしてやっています。」

 

・練習を見ていたら、サイモンさんから凄く褒められていましたよね。

「そうですね。凄く有難いですよね。初めてなんですよね、外国人のHCっていうのが。今まで高校3年生から、7人制をずっとやってはいたんですけど、ずっと日本人の監督だったので。あんなに褒めるヘッドコーチは中々いないので、ポジティブになれて凄くいいですね。」

 

・そういう意味では、自分の能力を伸ばしてくれるなっていうのは、ありますか。

「それは凄くあると思います。私自身、セブンズを高校3年生からやってきて、もう6.7年になるんですけど、本当にSOとCTBしか出来なかったんですけど、サイモンさんがSHやってみないかとか、HOやってみないかって言われて、今複数のポジションをやっているので、それとしてはポジションとしての可能性も広げてくれたしっていうのは、ありますね。」

 

・前回の大会、香港・シンガポールを振り返っていかがでしょうか。

「香港は、ちょっとみんな気合が入り過ぎていたかなって。私自身も香港大会って初めてでしたし、セブンズの香港大会って歴史があって、凄くワクワクしすぎたのかなっていうのはあったりしてて。あんまり上手くいかないまま、終わってしまいました。その分、シンガポールは改善点をしっかり修正して、勝ちに近づいた大会だったなと思います。」

 

・アイルランドに勝利したところは、手応え感じましたか。

「今までもいい試合は出来たけど、最後負けるっていう試合が多かったんですけど、実戦で勝ち切るっていうのを出来たのは次にいかされるんじゃないかなって思うので、チームとしても凄く自信持っている感じなので、トゥールーズ大会も楽しみですね。」

 

・見ていると、勝てそうな試合で勝てなかったりしていますが、チームとしては割とポジティブな状態ですか。

「今までは、やっぱりだめかぁ、みたいな感じが凄く多かったんですけど、サイモンさんになってから、負けた試合も全部を見て評価するんじゃなくて、細かいところでここは良かったから、凄く良かったって褒めてくれるし、悪いところは悪いところで、改善しようっていうのはあるので、僕らもこれをやれば勝てるっていうのはありますね。」

 

・ご自身としては、現状の課題はどんなところにありますか。

「どうしても.....複数のポジションをやるので、前半HOで後半SHとか。その切り替えがすごく大変で、そこを大事にしないとなって思いながらやっています。落ち着いて、プレーが止まった時に、何をするか、自分のプレーを明確にしてやることを心掛けています。」

 

・トゥールーズ大会の意気込みを

「凄く大事な大会にはなるんですけど、あんまり意識しすぎてしまうと、香港大会みたいに空回りしちゃうので、自分の役割をしっかりするとチームも上手くいくのかなって。7人制って、やっぱり7人しかいないので、1人1人の役割が凄く大事なので、そこをちゃんとやれれば結果もおのずとついてくるかなって思います。」

 

・パリへの想いはいかがでしょうか。

「オリンピックは、出たい気持ちが凄く強くて、そもそも目指そうと思ったのが大学1年の時のユースオリンピックに出場して。ユースオリンピックも結構、国をあげてなので、凄くて。オリンピックはもっと凄いよって聞いて、アスリートにとっては、本当に特別な大会ではあるので、1回出てみたいなって思いました。まずは、目の前にあるトゥールーズ大会にしっかり勝つところから、やっていこうかなって思います。」

 

・7人制の魅力は、どんなところですか。

「観る方からしたら、早く終わりますよね。スピード感あるし、ステップとか初心者の方が見ても面白いなって思う所が凄くあるので。そういう部分では、15人制とか全然違う魅力っていうのがあって、僕はその魅力に凄く取り込まれていった人間なので。自分も、香港大会とか観に行きたいです。観るのも好きです。」

 

・ホテルでのリフレッシュ法は、ありますか。

「僕、結構1人好きで。だいたい1ヶ月とか3週間で、娯楽っていうのが無くて。どの国にもどのホテルにも珈琲はあるので、珈琲飲んだら落ち着くなっていうのはあるので、珈琲飲んで、いつもゆっくりしています。」

 

・ラグビーファンの皆さんへ

「まずは結果だと思うんですけど、しっかりトゥールーズ大会で結果残して、その後のアジア予選はパリに行けるよう頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。」

 

 

■男子セブンズ日本代表 フランス遠征スケジュールは、以下の通りです。

                    

5月12日(金)〜5月14日(日)「HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ2023 トゥールーズ大会」 

※大会詳細:https://www.world.rugby/sevens-series/stage/2115/fixtures

 

現在、チームはフランスに遠征中です。

ラジオの声を聴いて、来週からの試合もぜひご覧ください。(有働)

 

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●FMラジオ番組「ラグビーカフェオンレディオ」

【2022年6月1日現在、全国6局ネット放送中

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☆火曜日

調布FM(東京都調布市)★午後10:30~

 

☆木曜日

FMピッカラ(新潟県柏崎市)午後7:00~

FM JAIGO WAVE(青森県田舎館村)午後9:00~

鎌倉エフエム(神奈川県鎌倉市)★午後1010〜

 

☆金曜日

FMねむろ(北海道根室市)★午後2:30~

FMちゃお(大阪府八尾市)午後9:00~

 

★印……インターネット放送(リッスンラジオ)対応