主催者・日本中央競馬会は事ある毎に何かを記念したり祝ったりという名目で「競走名」若しくは「副題」を付した競馬番組(レース)を設計し施行する事で番組編成に変化を埋め込み続けるのは、前年と同じ競馬を行わない為の方策である。
「記念」が日割・編成される開催は、その開催の総てが「記念」の影響・因果を受けるとする当研の見識から見れば、1開催に複数の「記念」が存在するのは合理的でないでは無いかと突っ込まれる事もあるが、それは「記念」がつけば、総てを同じ逸脱だと定義しているからである。
それは、ある場所では「タブー」と分別され、ある場所では「一過性」だと形容される。その方向性は「単発」とは似て非なるものである。1開催に複数存在するのであれば、当然、それはそれぞれの起用性を持つのは当然であるし、そもそも「記念」として「記念」でないレースと線引きされ括られたものであっても、「市制」であったり「開設」であったり「外交」であったり「アニバーサリー」であったりと様々である。「開設記念」というのは、別の公営ギャンブルの得意技である事は誰でもご存知の事だろう。
おっと、具体例の前に思い出した別のコメント欄で、これは「エリザベス女王杯」についてなので、かなり飛ぶが「第1回ターコイズS(重賞)」その後に、2着加算が実現したのだから、価値あるマイノリティーと昇華した事になる。どちらにしても、今年は3歳クラシック不在で4歳がリベンジする事を前提としての理解が必要になる。
話を戻すと、その日の「オーロカップ」は「盛岡競馬場姉妹提携20周年記念」の副題を付して施行されたものだが、このレース自体が「盛岡競馬場」との関係の上に存在する点で、今週の「霜月S」とは異なるものというのが当研の展開になる。
「オーロカップ」はハンデ戦にも関わらず「昇級初戦」に起用性を示さなかったが「記念」によって、そこを機能させた。併せてナックビーナス(牝3)は「第11回KLC」*1着同枠馬であり、「第51回デイリー杯クイーンカップ」*1着同枠馬である。
「霜月S」特別登録馬にこれみよがしに、そのようなスペックが用意されているなら目を通す必要は感じる。
そもそも「経験馬優遇」などという曖昧な起用性(というにはあまりにもお粗末なロジックが、なぜ存在するのか?これは非常に便利で実現すれば単純明快、研究レベルを問わずに判り易いものになるが、逆に拡大解釈が無限に拡がるという弊害も所持する。
そんな、やりたい放題が堂々と語られる危機感は否めない。単純な条件を正論とすると、その条件を満足するキャリアを総て拾う羽目になる訳だから始末が悪い。
揃目開催勝利馬が、その後の揃目開催を勝ち続ける訳がないのである。そのキャリアがまず、最初に揃目開催で起用された理由をまず考えるべきである。そして、そんな判り易いケースの場合は、逆に条件を満足するキャリアが存在しない時も多々あるから、どうしても、思いつきの行き当たり場当たりになってしまう」致命傷を負担する事になる。
では、「霜月S」では何に拘るべきなのか?やはり「暦」になるし「ダ14」になるだろう。同場同距離の重賞に「第30回根岸S」があり、その1着馬(外)モーニンが「第33回フェブラリーS」で機能した。だから単順に「根岸S」2着現物の(外)タールタンの起用性を保証する訳ではないし、前年「霜月S」2着現物グレイスフルリープはアッパーステージだが「15(記念)グリーンチャンネルカップ」1着現物馬であり、(外)タールタンは「16(祝)グリーンチャンネルカップ」*1着同枠馬である。その同枠馬ピンポンも特別登録しているし1着現物馬マルカフリートも9歳の身分のままこのステージに存在するし一部はトップハンデ馬である。
まだ未検証だが、夏の「東京」で施行された「日伊国交樹立150周年記念 ジューンS」を叩き台にしてみる予定でいる。注目馬はパーティードレス。
尚、「誤認識」とは当研が、そのように思っているだけの話で、その正否は、的中だけでは判定出来ないものである。




